読書メモ

・「座右のゲーテ 〜壁に突き当たったときに開く本
(齋藤孝:著、光文社新書 \700) : 2004.09.12

内容と感想:
 「座右の書」、「座右の銘」という言葉がある。著者が座右の言葉としているのがゲーテが語った言葉である。ゲーテはドイツ人で、ベストセラー作家・詩人であり、オペラの脚本・演出もし、政治家でもあったマルチ人間である。ゲーテを評して著者はこう言う。「精神的人間としての一つの到達点である」と。エッカーマンがゲーテとの会話をまとめた「ゲーテとの対話」を軸に、有益な31の言葉を厳選し、解説を加えている。
 ゲーテが語っている話題の本質を著者は「上達論」と捉えている。その言葉から「発想の技法」を得ることが出来ると観ている。「抽象的な議論に終わら」ず、「具体的行動の工夫を開陳してくれ」る。

-目次-
T 集中する
U 吸収する
V 出合う
W 持続させる
X 燃焼する

<ポイント>
・心の中に他人に知らせない<秘密の場所>を持つ。心のサンクチュアリ(聖域)
・頂点のものには普遍性がある。一番いいものは尊重
・主観偏重の時代。しかも感覚主義的
・自分だけの師匠をもつ。心の中の師匠
・いいネタは周期をもって再来し、ウケる
・「飽きない」のは才能である。二つ三つ変えるだけで新しさが出せる
・日本語の他国語を呑み込む力の凄まじさと豊潤な精神性。開かれた姿勢
・「生涯もうないかもしれない」という緊張感。

更新日: 04/09/19