読書メモ

・「週末起業
(藤井孝一:著、 \680、ちくま新書) : 2003.12.31

内容と感想:
 
最近、メディアでよく目にするようになった「週末起業」。著者はその仕掛け人。「週末起業」を始めた人や、志す有志の集まり、”週末起業フォーラム”を主宰する著者は経営コンサルタント。このコンセプトは著者がサラリーマン時代に思い付き、自ら実践して、後に独立。現在はこれを広く社会に広めたいと様々な活動を行っているようである。
 近年、日本は景気も停滞し、倒産する企業も数多い。起業よりも廃業が上回っているという。日本での起業率が欧米に比べ低いのはリスクが高い、倒産すれば一家夜逃げというイメージが強く、敗者復活が難しいというのが理由として挙げられるだろう。
 リスクをとらずして大きなリターンは得られないというのは、投資の常識かもしれないが、多くの人は扶養家族もある、ローンもある、リスクを取れない。
 サラリーマンがいきなり独立して事業を始めようというのではなく、もう少し気楽に起業しようというのが「週末起業」である。著者が言う”起業”という「エキサイティングなライフスタイル」を手にしたい、と思うサラリーマンは多いと思う。それをリスクを取らず、少ない元手でやろう、と著者は提唱する。これなら敷居も低く、駄目なら止めればいい、という気軽さがある。この辺りが受けている理由だろう。いざ脱サラ、独立・起業したものの売上もないのでは家族を路頭に迷わせることになる。だから会社を辞めないままで、週末に起業するのだ。ビジネスが上手く行けば儲けもの。これは行けそうだと言うことになれば独立の道もある。
 本書では起業のための基本的な手続きや税金の話題も取り上げているが、それよりも週末に起業することのメリットを述べている。しかし、どんなビジネスが儲かるなんてことは教えてくれない(当然だが)。
 著者は巻末で「できるところからやってみる」「取れるリスクの範囲でなんでもかんでも、何度でもやってみる」と説く。日本がこれで起業したサラリーマンでいっぱいになれば日本は元気になる、と言うのには納得。是非、週末起業ブームが本物になって欲しい。さて、私には何が出来るだろう・・?

更新日: 04/01/18