読書メモ
・「eXtreme Programming テスト技法」
〜 xUnit ではじめる実践XPプログラミング
日本XPユーザグループ:著
長瀬嘉秀:監修、 \2,400、翔泳社 : 2002.02.04
内容と感想:
先の「XP
エクストリーム・プログラミング入門」の読後、"XP"の14のプラクティス(実践項目)の一つ、テスティングに興味が移り、ちょうど本書が発売されたのを知り、購入。
テストはXPを支える柱の一つである。XPは理論ではなく、実践を重んじる哲学のようなものであり、テスト用ツールなど使えるものは使って、より効率的にソフト開発を行っていこうとしている。
XPの提唱者らがJava
用のテスト自動化のためにテスティング・フレームワークとして、"JUnit"というものを開発した。これをきっかけに多くの開発者によって、Java
以外の言語向けにも移植されて、広がりを見せている。本書ではRuby
用の"RubyUnit"に、Visual Basic 用の"VBUnit"、C++ 用の"CppUnit"、そして特定の言語に依存したもの以外にも、Web
アプリケーションのテストを支援するためにWeb
ブラウザをエミュレートする"HttpUnit"などが、利用方法の簡単なサンプルを使って紹介している(JUnit
に"Ant"と"CVS"を組み合わせた自動ビルド&テストというのもある)。
これらが使えるか使えないかは、とにかく使ってみなけりゃ分からない。本書を読む前は「テストコードを書く」ということには漠然としたイメージしかなかったが、実際使ってみることで理解が深まった。JUnit
とCppUnit
を試してみたが、それらが特に難しいことをやろうとしているのではないことが分かる。分かりやすく使いやすくなければ、実用には耐えられない。そういう意味ではこれらのフレームワークはオブジェクト指向をうまく生かしている。また、オブジェクト指向ゆえにフレームワークの拡張も容易である(当たり前か)。
残念なのは本書の製版のお粗末さだ。表紙の帯の脱字に、嫌な感じがしていたのだが、中身も同様で、ソースコードが見難い部分も多かった。掲載記事がWeb
サイトからダウンロードできると書いてあるのに、実際にはそんなダウンロードページがなくて残念。
それは兎も角、実践を重んじるXPであるから、これを現場にうまく取り入れていけたらと思う。
更新日: 02/02/05
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