読書メモ

・「古文書に親しむ − 文化財探訪クラブ11
(大友一雄:監修 、 \1,600、山川出版社) : 2002.12.31

内容と感想:
 
日本史には昔から興味はあったが、そういった知識は専ら専門家や小説家が現代語で記した書物ばかり。史料というものを原文で読む機会もなければ、読もうともしなかった。別にそんなもの読めなくとも日常生活に困ることは無い。しかし以前からずっと、昔の言葉遣いで墨で書かれ、しかも崩した文書を読めたら面白いなと感じていた。
 最近の日経新聞の最終面「文化」欄(2002年12月7日)によると、古文書の人気が根強いという。私と同様な興味をもつ人が多いと知り、少々嬉しく思った。で、趣味として独学で古文書などを読めるようになるための書物がないかと本屋を覗いてみると、その手の本は残念ながら少ない。専門書を扱う書店でないと見つけるのは難しいのかも知れないが、それでも本書を見つけてパラパラとページをめくってみて中身を確認。分量もほどほどで入門編としては入り易いかなと早速購入。
 取り上げられている文書の大半は近世(江戸時代)のもので、それらを更に「動く」、「伝える」、「約束する」の3つの目的で分類している。それぞれの文書の解説は勿論、時代背景にも触れているので、当時の人々の生活ぶりをリアルに感じることが出来る。
 原文の写真に、解読文(活字に置き換えたもの)、更に読み下し文(送り仮名等を加えたもの)がセットになっているので分かり易い。
 まず古文書を読みこなすのに障壁となるのが異体字や変体仮名、くずし字。しかも現代では使わないような”候(そうろう)文”や漢文に似た(漢文ではない)表記方法などがあり、ちょっと見には何が書かれているかさっぱり分からない。読み下し文にまでなれば何とか意味も分かるレベルまでに落ちる。
 本書を読み終えて、解読文から読み下し文にすることは何とか訓練をすれば可能のような気がしたが、原文を活字に解読するのは難易度が高いなと感じた。筆で書かれた文字が楷書から、行書、草書と崩されていくとますます読みづらくなるのだから。書道の知識も必要かも知れない。とにかく古文書も習うより慣れろ、だろう。

更新日: 03/01/06