本の記録
冷たい密室と博士たち （森 博嗣） ★★☆☆☆
がっくり。期待しすぎてしまったか。これだけ大仕掛けの施設を建てといて、メイン
のトリックがあまりに平凡。動機もありきたり。シリーズキャラの親しみで読んでしま
えるけれど。モビルスーツ(?)の中に二人入ってた、っていうトリックを思いついたのだ
けどどう？二人羽織みたいに。
七回死んだ男 （西澤 保彦） ★★★★☆
噂通りの快作。とっても楽しめました。小ネタがいくつもちりばめられており、考え
ながら読むのに最適。全部の真相を見破れる人は、そうはいないでしょう。私が見落と
したのは、回数が合わない理由の部分。いやはや、お見事でした。
愛と悲しみの墓標 （西村 京太郎） ★★☆☆☆
独身の実業家・五十嵐が殺され、残されたさつき、友美、知恵の三人の愛人に容疑が
かけられた。互いに疑心暗鬼に陥った三人。莫大な遺産を巡って第二、第三の悲劇が・
・。やがて十津川警部は、事件の裏で糸を引く狡猾な真犯人の存在を察知する。会津と
日光を舞台にした傑作長編トラベル・ミステリー。
警察はいいように翻弄されっぱなし。橋本はワンシーン登場。
萩・津和野に消えた女 （西村 京太郎） ★★☆☆☆
「あいつを殺しに行って来ます----」思いつめた置き手紙を残してOL由美子が姿を消
し、後を追うように恋人の白井も出奔した。やがて萩で白井の撲殺体が、津和野で由美
子の服毒死体が発見された。「あいつ」とは白井のことなのか。白井を殺して由美子は
自殺したのか。不審を抱き、独自の捜査を開始した十津川を翻弄する「あいつ」の驚愕
の正体とは！？
栄光館殺人事件 （原作・青木吾郎 漫画・小川幸辰） ★☆☆☆☆
桜神父の事件ノート(1) 「本格ミステリーはお好きですか？」って、帯につられて買
ったけど・・・あまりに正統派すぎる。神父は地味だし。屋敷と怪しい家族と密室と揃
えれば「本格」、って訳ではない。うーん、これだけ不審な点があれば、警察も黙って
いないでしょう。県警を登場させたのは第一の失敗。やっぱり、嵐で孤立させなきゃ
（笑）
七夕の国(1) （岩明 均） ★★★★☆
傑作の予感。『寄生獣』もそうだが、主人公の成長が焦点になるだろう。それにして
も、よくアイデアが浮かぶものだと感心。「穴あき甲冑」の伝承は、どこかにありそう
な気さえする。
沈黙の教室 （折原 一） ★★★☆☆
折原ワールド初体験です。思っていたより読みやすく、取っつきやすい印象でした。
もっと、ぐしゃぐしゃに絡まったのを期待してました(^^)夏の夜によく合う話です。続
編の企画もあるようですけど、ぜひ教師の話も書いてみて下さい。題して「沈黙の職員
室」。あと、駅前留学の話とか・・・「沈黙の英会話教室」。
ぼくのミステリな日常 （若竹 七海） ★★★☆☆
91東京創元社 96創元推理文庫
若竹ワールド初体験です。思っていたより読み辛く、取っつき難い印象でした。もっ
と、すっきり単純なのを期待してました(^^)秋の夜長によく合う話です。作中作の仕掛
けは、辻真先や都築道夫で慣れておりますものですから(^^)一番の驚きは「配達された
最後の手紙」で明かされる会社幹部の秘密でしょうか。
寝台特急「紀伊」殺人行 （西村 京太郎） ★★★☆☆
85角川書店 97中公文庫
女性を暴行し自殺に追いやり、故郷南紀を飛び出した中西は、両親の遺骨を抱いて十
年ぶりに帰郷した。彼を迎えたのは、墓石や駅の伝言板に書かれた不気味な脅迫文た知
人の怪死であった。そして、現地で逢う予定の婚約者も寝台特急「紀伊」から忽然と姿
を消した。彼の帰郷が動かす黒い影・・・。15作目の十津川警部もの（今回、十津川は
何もしないが）、11作目のトラベルミステリー、南紀もの第一弾。