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前日のショートのときからの心配が的中し、本田君は棄権しましたが、それを補ってあまりある、充実した演技の競い合いを見る事が出来
ました。
前日5位と出遅れた田村君は、6分間の練習の最後に4回転ジャンプをクリーンでおりたので期待しましたが、本番では残念ながら転倒し
てしまいました。しかし、前回チャンピオンなのに、守りに入らず果敢に挑戦する姿勢は評価できると思います。
また、課題とされてきたトリプルアクセルは、ややオーバーターン気味ながら決めました。やっと公式戦で初めて見ることが出来ました。踊
りの方は相変わらず魅力的で、観客を引き付ける力はやはりさすがというものがありました。
最終滑走者となった重松君もトリプルアクセルを決めましたし、ルッツ・トゥループの3・3コンビネーションジャンプの美しさは目をみ
はるものがありました。最後のループジャンプが2回転になったもののほぼノーミスで、課題とされていたスタミナ切れも、今回は気迫の
こもった演技で最後まで途切れずに滑りきりました。エレガントというかノーブルというか、身のこなし滑りの美しさは田村君と遜色なく、
すばらしい出来でした。昨年に続き惜しくも2位でしたが、内容的には昨年より数段上だったと思います。
優勝した竹内君は最初にアクセル・トゥループの3・3コンビネーションジャンプを見事に決め波に乗りました。ジャンプを1つ(ループ
だったかな?)ミスしましたが、2度のトリプルアクセルを含め他のジャンプはことごとく決めました。見ているものにも気迫が伝わって
きましたが、それでいて決してリキむ事無く実力を十分に発揮したと思います。しっかりした滑りと力強いジャンプは感動と興奮を見るも
のに与えてくれました。滑走順が第4グループの最初だったので、やや点が押さえられたかもしれません。それだけがちょっと残念ですけ
ど・・・
今季はジュニアとシニアの両方の試合に出て、また海外の試合も多く、出場選手の中でも最も多く試合をこなしているかもしれません。タ
イトなスケジュールの中でコンディショニングするのは大変な事だと思いますが、最高の舞台で最高の調子に持ってこれた事がすばらしい
と思います。竹内君の集中力の素晴らしさとスタッフの力に賞賛を送りたいと思います。
上位3人のほかにも、鈴木君や、永田君、平池君もトリプルアクセルを決めるなど、頑張ってくれました。ミスの数が順位の差に現れたと
思います。
本命と目された本田君のフリーを見る事が出来無かったのは残念でしたが、見に来て良かったと心から思える内容の濃い試合でした。
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