*私の好きな映画*
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冬冬の夏休み *冬冬的暇期*
監督*脚本
候孝賢 チュー・ティエンウェン
cast
ワン・チークァン リー・ジュンジュン グー・ジュン エドワード・ヤン
1984年の夏、小学校を卒業した冬冬は母が病気で入院したため、妹と共に夏休みを田舎で医者をしている厳格な祖父の家に預けられた。美しい自然の中、村の子供たちとすぐに仲良くなった冬冬は、毎日を思う存分に遊んで過ごす。「フンクイの少年」続いて撮られた候孝賢の長編第五作。ナント三大陸映画祭グランプリ受賞作。
子供の頃から夏休みは田舎で過ごしていた私には田舎度は違うものの、懐かしく感じられるこの作品(今はその田舎に住んでいるんだけれどさ)。川の流れと蝉の鳴き声。お兄ちゃん達の遊びの仲間に入れてもらえずに怒った冬冬の妹が、冬冬達が川で遊んでいる隙にみんなのパンツを川に捨ててしまう。川から上がったみんなが、仕方なく裸で帰るところが面白い。この映画で印象に残ったのは、なんと言っても川。そして蝉の鳴き声。牛に水浴びをさせながら、川遊びする子供たちの場面は本当に本当に素晴らしい。田舎のおじいちゃんの家もなんか懐かしい感じと思っていたら、脚本家のチュー・ティエンウェンの実家で撮影されていたんだって。楽しい夏休みの日々。この映画を見ると誰もが郷愁を感じてしまうんじゃあないかなぁ。
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友達のうちはどこ? *Where is the friend's home?*
監督*脚本*撮影
アッパス・キアロスタミ ファルハッド・サバ
cast
ババク・アハマッドプール アハマッド・アハマッドプール ホダバアシュ・デファイ
イラン北部の小さな村。ひとりの子供を主人公に、友達のノートをもって帰って来てしまった少年が、そのノートを返すために迷子になりながらも友達の家を探して歩く。イランのアッバス・キアロスタミ監督がドキュメンタリータッチで描いた代表作。
もう最初っから扉の芸術。少年が迷い混んだジグザグの坂道や幾重にも折り重なった階段や、家々の扉と窓とその村の風景。何もかもが素晴らしいのだけれど、それらが作り物じゃあないところがこの映画のすごいところなのだ。まるでニュースの映像を見るようにリアルでほんもの。映画館で、目からうろこを落としまくったよ、私は。子供たちの表情は演技なの?宿題を忘れて泣き出す少年や友達のノートを持ち帰ってしまった少年の心配そうな顔や。劇団ひまわりにゃあ出来ないだろうって表情なんだけれど。実際、イランには子供の役者というのは存在しなくて、このキアロスタミ作品から"児童映画"というものが生まれたというし。それにびっくりしたのは主人公の少年、アマハッド役のババク君。彼はチャップリン映画を一度見たことがあるだけで、映画館に行ったこともなかったんだって。だから撮影中も、カメラが自分の方を向いて何をしているのか全くわからなかったんだって。カメラを向けられるとすぐにピースとかしちゃう日本のちびっこたぁえらい違いなんだなぁ。
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プリシラ *The adventures of Priscilla,queen of the desert*
監督*脚本
ステファン・エリオット

cast
テレンス・スタンプ ビル・ハンター ヒューゴ・ウイービング ガイ・ビアース
ゲイ・ダンサーの三人組が、シドニーから砂漠の真ん中のリゾート地までバスで三千キロのショー公演に出る。
カンヌ映画祭で観客賞を受賞したロードムービーの快作。
三人のオカマのロードムービー。しかも砂漠をバスで行くと聞いて興味津々。見る前から期待しまくり。で、期待以上の物が見られたと大満足だったのがこの映画なのです。
オカマの話っていうと、大体が大都会じゃない?トーチソングトリロジーとかもそうだし。それなのにこの映画、砂漠なのさ。太陽さんさんと輝く平原なのさ。そんなところにビビッドカラーのど派手なコスチュームのオカマが三人・・・。この映像は想像を絶するものあり。砂漠の真ん中でも身だしなみは忘れずに、香水に口紅、ハイヒールも忘れずに。もうすごいすごい。画面から化粧と香水の匂いがプンプンしてきたもん。砂漠でショーの練習をするシーンが最高!!オオトカゲとかいるのに、たき火しながらアバの曲踊っちゃったりして。やっぱ、オカマはアバなんだよねぇ。ママミア!
そして期待を裏切らずに流れたのがビレッジビープルの"ゴーウエスト"。日本では何故かペットショップボーイズのカバーがスポーティーな場面に使われがちだけれど、もともとこの曲はホモの6人組、ビレッジ・ピープルの曲なのだ。そんな事を知らずに結婚式でこの曲を使ってしまった友人がいたけど。ま、いいってことで。
この三人組の一人、中年過ぎのオカマ役をやっていたのがなんとテレンス・スタンプ。私の記憶が確かなら、この方はコレクターで主役をやっていた青年だった。そしてこの旅で出会った田舎のじいさんと愛が芽生えてしまうのだ。このじいさん、まじめな田舎くさい人なんだけれど若い女と結婚していたのよ。その女っていうのがポルノ芸人でピンポン玉飛ばしたりしちゃってるのね。そんな女と暮らした後には、このくらいのオカマなんて超ノーマルっていうか。いや、違うか。普通の女の人はいやになっちゃったんだろうなぁ。見ていて「おいおいっ!!」と突っ込みながらもちょっと感動しちゃったりして。なにしろ面白かったよ。


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