僕の点数:4.9
見た日:00.11.22
Country: デンマーク
アクション ホラー サスペンス ドラマ
テレビ/ビデオで見た
キャスト | ジャン・マーク・バー |
監督 | ラース・フォン・トリアー |
音楽 | ヨアキム・ホルベン |
備考 | 1945年、大戦直後のドイツ。アメリカ人レオポルドが、ドイツ縦断鉄道ツェンテローパに車掌として乗り込む。車両には、アメリカ兵、アウシュビッツより帰ってくるユダヤ人、「人狼」とよばれたパルチザン、そのターゲットにされる政治的指導者などなど、さながら戦後ドイツの縮図がそこにはあった。レオは鉄道を経営するハルトマンの娘ケイトと恋に落ち、光を見いだそうとするが、気がつけば、彼は裏切りと謀略のまっただ中にいた・・・・。 いきなり二人称(あなた)で物語が始まる文学的な脚本。なんとマックス・フォン・シトーがナレーションを担当している!。 冒頭からカフカのような超現実が汽車の中で行われる。オーソン・ウェルズが「映画は巨大な汽車セット」と語ったのが、今回トリアーは全くもって「汽車セット」で魅せた。 全編薄暗いモノクロ(時折カラーが挿入される)で「市民ケーン」や「現生に体を張れ」のようなフィルムノワールタッチ。初期のベルイマンの作風にも近い。それが、トリアー独特の現代的な映像感覚で見事に再現(プラスα)されている。時折、派手で華美な音楽が流されるが、それ以外は、淡々と物語が展開する。 無機質な機関車の車両が、突如としてラビリンスに変貌する。その薄暗い迷宮に、シトーの声によって、どんどん迷い込んでしまう・・・。(催眠術みたい) これだけ映像で遊べるなんて、なんて才能豊かで幸せな監督だろう、とあっけにとられた。 |
![]() |