カストラート<BR>Farinelli

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　舞台は16世紀前半のイタリア。
　去勢されたカストラートのカルロは、兄リカルドの作る曲だけを歌ってきた。カルロの美声に人々は魅了された。兄弟二人は互いに助け合って各国を回った。ヘンデルがカルロの評判を聞き付けて、出演を申し込んだ。しかし、ヘンデルのカストラートに対する侮辱から、彼と対立するポルポラに兄弟は協力することになる。圧倒的な支持でポルポラの貴族オペラは大盛況、一方のヘンデルは借金取りに追いかけられる始末。しかし、リカルドには作曲の素養が今一つかけており、カルロはヘンデルの音楽を心の底では尊敬していた。ポルポラ側のマーガレット伯爵夫人の姪アレクサンドラはカルロにすっかり心を奪われるが、カルロはマーガレットに魅かれていた。ついにプロポーズを申し込む。「私を破滅に追いやらないで」と断られて愕然とするカルロ。一方ヘンデルとリカルドはカルロにお互い心を奪われてしまう存在同士語り合った。カルロが落馬のために去勢することになったと思い込んでいたのが、実はリカルドがでっち上げたことだった。リカルドこそが彼を去勢した張本人だった。それを知って失意にくれるカルロ。やがて貴族オペラで、ブーイングの中カルロはヘンデルの曲を歌う・・・。
　カストラートの悲劇の歴史がわかる作品。実際のカルロはそこまで悲劇の人生を送ったわけではなかったようだが・・・。