"ジャパン・モズライト"は"mosrite"とは全く無縁のギターです。

"ジャパン・モズライト"というギターを知っていますか?
"mosrite"のコピーモデルです。
単なるコピーモデルであり、"mosrite"の"復刻版"ではありません。
"mosrite"と"ジャパン・モズライト"は"FENDER USA"と"FENDER JAPAN"のような関係ではありません。
セミー・モズレーによる技術指導や"mosrite"との業務提携といった事は無く、独自にコピーモデルを製造しているにすぎません。
いわゆるライセンス生産ではありません。
"ジャパン・モズライト"は"mosrite"とは全く無縁のギターです。

"ジャパン・モズライト"は長野県で製造されているらしいのですが、何故か"mosrite of california"というマークが入っています。
いつから長野県は"california"と呼ばれるようになったのでしょうか。
さらに"THE VENTURES model"というマークまで入っています。
THE VENTURESに対して大変失礼な事です。

"ジャパン・モズライト"の特徴は、トレモロユニットの"mosrite of california"という刻印が異様なまでに奇麗ではっきりとしている事、トレモロアームが非常に太い事、ヘッドの"THE VENTURES model"というマークのVENTURESのEとSが繋がっている事、ピックアップの"mosrite of california"の刻印がへこんでいるのではなく、逆に浮き出しになっている事、ブリッジの駒のローラーがネジで留めれれている事、サンバースト仕上げの場合に木目が全く見えない事等です。

このコピーモデルは性能的には論外で、いったいどうすればこのような粗悪な物が出来るのか不思議でなりません。
特にトレモロユニットは最低で、一度でも使うとチューニングが狂います。
チューニングを合わせるごとにトレモロアームがボディに近づき、最終的にはボディにくっついてしまいます。
何度試しても同じ結果で全く使い物になりません。
音はビーン・ビーンという弦が振動するだけの音で厚みが全くありません。
ボディも殆ど鳴らず、音に伸びがありません。
どうせコピーするならば、もう少し研究して作ってもらいたいものです。

取り敢えず見かけだけが似ていれば良い、価格が安ければ良いといった方は別として、何も知らずに"ジャパン・モズライト"を真の"mosrite"と信じて買ってしまった方は大変お気の毒です。
また、"ジャパン・モズライト"と知りつつ買ってしまった方もお気の毒です。
"ジャパンなんですよ"という言葉に後ろめたさが感じられます。

ヴィンテージの"mosrite"は大変貴重で現存する物は決して多くはありません。
"復刻版"もあまり多くは市場に出回ってはいません。
しかしまめに探せばきっと素晴らしい真の"mosrite"に出会えるはずです。