小人閑居して不善をなす


ついに
「新世紀エヴァンゲリオン」を語る
(前編)


いやしかし、なんだね。
いよいよ、終末ってやつだなあ。
引きずってる奴は、未だに引きずっているわけだが(俺のことだ)。
「新世紀エヴァンゲリオン」。いよいよオーラスだ。
「エヴァ」については
何も語るつもりはない!

とかいっていた割に、何か言いたくなった。
今さらながら、節操がない。

「新世紀エヴァンゲリオン」(以下「エヴァ」と略)にハマり俺の現実に起こった色々なことを経験している中で、 俺は「エヴァ」っぽい怒りだとか葛藤のようなものを何度も味わった。
これは、俺がたまたま「エヴァ」狂いだったからそう思っているだけで、
「エヴァ」知らずな人もまた、同じように怒りや葛藤を覚えながら生きている(ハズ)。
結局のところ、「エヴァ」が俺に与えたものは、一言でいうと
あなた、誰? とか、私のこと、好き? という、
自分探しへの欲求だ。
話はちょっとそれるが、バイク乗りなら、かなりの人が読んでいると思われるマンガ「キリン」には、
「まず、自分がどんな男になりたいかを考える。それから実際にはどの程度の男なのかを考える。 後はそのギャップを埋めていくだけだ」という名セリフがある。
「自分というもの」を、幻想とか、都合のいい思いこみ抜きで、現実の中で考えていく。
つまり、そういうことだ。
バイクについて言えば、クソ暑いここ最近毎日バイクに乗っているのだが、
夢見がちなバイク乗りは
長生きできない。

と、確信する。実際のところ自分の腕前がどの程度なのかを把握できていないと、たぶん死ぬ。
眠りに着く直前、瞼の裏にかつてバイクで事故を起こした瞬間の記憶が思い返されるのはかなり気分が悪いが、
そのたびに「生きている」ことを、あるいは自分が案外簡単に「死ぬ」ことを実感する。
ファンタジーの世界の住人である俺を、バイクは現実に引き戻す。
だから、今生きている。
バイクは良薬だ(苦いけどね)。
話がそれたようだが、「エヴァ」も同じだったりする。
同じっていうか、わかりやすいテキストだったわけだな。
「綾波(俺は希望とか期待の象徴と解釈する)とは何だったのか」とか、
「人類補完計画」とは? なんてことを考えていくうちに、
自分にとっての綾波とか、自分に欠けたものを探していたりする。
(このシンクロ具合は、我ながら気持ち悪い)
おーい、みんなついてきてるかい?
書いてる俺自身、よくわからない文章だぞ(いつも通り)。
ま、何が言いたいかってえと、「エヴァ」はわかりやすいってことだ。
話の内容がわかりやすいわけではない。
「生きることの本質」(の一部)を極めてわかりやすく(応用しやすく)描いたということだ。
こういう作品は、映画、アニメ、小説、マンガと山のようにあるが、
「生きるということ」をここまで、いいことも悪いことも含めて、ここまで直接的に描いた作品は、
少なくとも俺にとっては、初めてだった。
最初のきっかけは新井素子だったりもしたが(もう15年前だ)
これは、「エヴァ」を見た年齢(人としての成熟度)とかにも関わるので、「誰にとっても」ではない。
例えば、「ファーストガンダム」とか「イデオン」でそれを感じとった人も居るだろうし、
ヤンマガで連載中の「カイジ」とか、最近の福本作品で気付いた人もいると思う。
(ついでに言うと、「湾岸ミッドナイト」にもその片鱗がある)
(もっと、まともな純文学とか例を上げるとカッコいいのだろうが、それはやめておこう)
相変わらず、話がそれると収拾がつかないな。
この年になって、ようやくそういうことを真剣に考えたってのも情けないが、
その契機が「エヴァ」であったことは、幸いだった思う。
「エヴァ」という優れた作品で良かった。
かといって、「エヴァ」が歴史に残るとか、10年以上後でも色あせないとか、
そんなことは、まったく関係ない
俺のなかでは、永遠に不滅だ。それで十分。

当然ではあるが、今第25話「Air」を見ている。
言葉が出ないなあ。凄いよ。凄すぎるよ。
こういう、執念というか作り手の魂が素っ裸で表れている作品を作ってみたいなあ。
思い入れのせいもあるんだろうが、たかがアニメで
こんなに心が揺れ動くのは
何故だろう。

世の中には、たかがアニメで盛り上がるおかしな人と見る方々が多いだろう。
(そんな奴のことはどうでもいいんだがな)
あるいは、もっと優れた文学または芸術全般がある(その方々的に)という人も居るだろう。
だが、俺的には「エヴァ」がいい。
改めてそう思うね。
ありゃ、スタッフロールが新作だぜ。
劇場公開時の、螺旋状に回転するスタッフロールはカッコ良かったのに。
新作もそれなりにいいけど。
はっ、もしかすると、年末の「劇場版BOX」で収録か?
くそ、買わねば(もともとその気だが)。

いやー、語らないとか言ったわりには、言い出すと止まらないね。
ま、来月の後編もあるので、今回はこのへんで。

−追記−

冒頭の綾波は、自作の3D(念のため)CG。タイトルは「ラスト綾波(モノクロバージョン)」ってとこか。
「ラスト綾波」はもともと、知人のHPのゲスト出演用に作った俺的には最後の「綾波」(いいかげん飽きたので)。
そういうわけなので、全力疾走同好会では公開していません(するつもりもなし、たいしたもんじゃないので)。
オリジナル(もちフルカラー、アングルも違います)見たい人は、広大なネットワークの海をサーフィンして、
知人のHPを探してください。
(時間の無駄ですけどね)

メールは下記まで FQ7K-TRI@asahi-net.or.jp