| 小人閑居して不善をなす
 
 新春放談あの2001年は本当に来るのか?
 
 
  
            書き始めたのは、去年なんだが、年越しちまったな。2年越しで書くような記事じゃねえんだけどな。
 それはさておき、久しぶりに面白いものを買った。
 メディアコンバーターっていう、ソニーのDV←→アナログ変換器なのだが、
 これが実にいい。
 要は、デジタルハンディカム(ま、広告用だ)なんかで撮影した映像を、
 リアルタイムでアナログに変換する機械で、
 テレビにつないだり、ビデオに録画できるって訳だ。
 が、そんな使い方をする奴はいない。
 逆だよ逆、本当の(?)使い方は。
 だいたい、どんなデジタルビデオだってアナログ出力くらいついてるって。
 そう、この機械は、デジタルビデオ用のアナログ入力ユニットなんだよ。
 しかも、俺のマシンはDV映像はデジタルで動画/静止画ともにキャプチャーできるので、
 これで、アナログ映像の取り込みが可能になったというわけだ。
 で、何をするかって言えば、やはりLDやらDVDやらの映像取り込みだろう。
 ただし、その辺はいろいろ難しい問題があるので、コピープロテクションもしっかりしている。
 DVDやDVのパッケージソフト(DVは存在しない)には、いわゆるコピーガード(アナログ方式)のほか、
 2種類のデジタルコピーガードがかかっている。
 というわけで、DVDのパッケージには、「コピー禁止」ではなく、「コピー不能」と書いている。
 えらく自信たっぷりの言い草じゃねえか。
 たとえば、DVDのソフト→(アナログ伝送)→メディアコンバーター
 →(デジタル伝送)→DVデッキというコピーを行う場合。
 DVDソフトにコピー禁止の信号が記録されていると、メディアコンバーターのプロテクトという表示が現れる。
 当然、DVデッキで録画はできない。
 というわけで、たとえアナログ伝送を経由していても、コピーはできない。
 (ま、ものには裏道が必ずあるので、業務用機とか、裏モノ使えばなんとかなるだろうが)
 俺も含めて、一般人には面白くない話ではある。
 だって、音楽用CDなんかは、デジタルコピーも1世代のみ可能だし、アナログを経由すれば、
 事実上、無制限にコピーできるんだぜ。
 ただ、世の中にはコピープロテクトかけていない愉快なソフトがあるので、
 実際に試すこともできるわけだ。
 が、実際にやってみてわかった。
 DVDのソフトを、コピーしても画質劣化しねえもん。
 コレマジ。実際やってビビったね。これじゃあ、禁止するはずだよ。
 
  
 コレがその画像だ。タイトルは一応内緒。 これは、実際にDVDプレーヤーのアナログ出力からメディアコンバーターに接続して、メディアコンバーターのDV端子からDVカメラにつないで録画した映像を、やはりDV端子経由でデジタルのままキャプチャーしたものだ。
 (説明が長いな)
 上の画像では実力がわからんだろうが、少なくとも俺の目には画質劣化は確認できない。
 当然、別の器に入れるわけだから、多少質感は変わるが、それもほとんど気にならない。
 唯一の問題は、対象のソフトは音声がドルビーデジタル5.1チャンネルなんで、
 さすがにそれは2チャンネルにダウンミックスされている。
 さらに言えば、音質は多少劣化する。
 位相関係とか、ローレベルの情報が劣化するだけなので、ちょっと聴いてもわからないレベルだが。
 ま、そんなわけで、もはやコピーも見た目は劣化なしってのが常識になってしまったので、
 よけいに、コピーに関しては神経質なんだろうと思う。
 もちろん、そんなことで、メディアコンバーターの価値はまったく色あせない。
 最近は、据置型DVデッキや、アナログ入力付きのDVカメラもあるので、その場合は不要だが、
 それ以外のユーザーにはとても美味しい。
 33,000円(税別)という値段は高いかもしれないが、無限の可能性があるしね。
 少なくとも、DVフォーマットの実力を再認識できるはずだ。
 例えば、DV方式などのデジタルビデオは圧倒的な低ノイズが魅力だが、
 圧縮フォーマットのため、素早い動きの画像は苦手だ。
 自分の撮影した映像を見て、なんかモザイク状のノイズ
 (専門家とオタクはモスキートノイズって呼ぶらしい)
 が出ていて、8ミリビデオなんかのアナログビデオの方が、
 少なくとも自然な絵になっているように感じた人も多いかもしれない。
 (最近はかなり良くなってきているが)
 これは、自分の撮影が下手なせいだと気づかせてくれる。
 DVなんかのデジタルビデオでは、まず、「手ブレ禁止」、「極端な明暗の変化禁止」、「暗い場所での撮影禁止」と、とにかく禁止(注意)事項が多い。
 アーティスックな感性を生かした撮影には、全く向かない機械なのだ。
 デジタルはとにかく融通が効かないから。
 つまるところ、屋外撮影、スタジオ並の強力な光源のない屋内撮影では使いモノにならない。
 DVカメラはそういう機械なのだ。それって、家庭用じゃないよな。
 (メーカーもわかっているから、新しい製品ほど、画質が良くなっているわけだね)
 で、まともな映像を入れてやれば、とんでもなく優れた能力を発揮するわけだ。
 だいたい、DVDビデオのMPEG2フォーマットは、転送レートが最大10Mbpsなのに対し、DVは確か15Mbpsだ。
 器が大きいわけだから、画質劣化が起こらないのも当然。
 MPEGが可変転送レートやらなんやらで編集に向かない(GOP単位で映像を圧縮するため)のに対し、
 DVは編集に最適な1コマ単位の圧縮なので、
 編集を前提にして映像をデジタルでやりとりするには、(民生用としては)最高のフォーマットなわけだ。
 実際、プロフェッショナルユースでも使われているしね。
 また、3DCGムービーやっている人なら、現在はDV出力からDVデッキへ録画ってのは考えているだろうが(これも画質は凄い)。 メディアコンバーターがあれば、それを簡単にVHSビデオなんかにコピーできちゃうわけよ。
 もう涙が出るほど、素晴らしい製品なのよ。
 購入時、メディアコンバーターがパソコン売場にあるのか、ビデオカメラ売場にあるのか、
 実に楽しみだったが、秋葉原のヤマギワではデジタルビデオ売場にあった。
 でも、コレってパソコンの周辺機器だよな。
 善なる使い道も悪の使い道も無限大の素晴らしい製品だ。
 こういう製品作るのってだいたいソニーだから、やっぱファンも多いのだろう。
 
 
 いよいよ本題だ。「2001年宇宙の旅」という映画がある。
 これはもう、今更説明するまでもないSF映画、否映画における金字塔といっていい。
 この作品を知らない(見たことないのは許そう)輩は人間ではない。
 あえて言おう、「サル」であると!
 見たことのある人は意味がわかると思う。
 普通わかると思うが。
 新年ということで、気持ちも新たにこの作品を見たのだが、いや、素晴らしいね。
 この素晴らしい映像美。
 ここでは難しい話なんざしねえが、一晩中でも語れるぞ。
 (実際語っている)
 DVD版になって、さらに画質が凄く良くなっていて、とてもうれしい。
 DVD以前では、俺の場合、パイオニアのLD-X0っている80万円もするふざけたLDプレーヤー(持っていない)で、
 「2001年宇宙の旅」を見たことがあるのだが、
 これがとんでもなく良かった。
 しかし今や、10万円程度のDVDプレーヤーで画質的にはほぼ凌駕しているんだから、
 人類の進歩恐るべし!
 ってところだな。
 ちなみに、版による違いで言うと、LDでは国内・現行版「2001年宇宙の旅」が最も優れていると思う。
 クライテリオン版を推したい人の気持ちもわかる(値段が高いから)が、
 マスターの画質に差がありすぎる。
 DVDはマスターに関しては、国内・現行版のLDと同じだろう。
 (マスタリングは新規だぞ、MPEG2エンコードなんだから)
 「2001年宇宙の旅」って映画は、極論すると、白と黒と赤さえ出ればOKって映画なのだが、
 LD(っていうかアナログ映像)はこれらの色の再現が苦手なんだよね。
 逆にデジタルは、(フォーマットの範囲内では)正確に再現可能。
 その差が作品の感動を大きく左右するのは間違いないと思う。
 みんなDVD買おうぜ。
 そんな話はどうでもいいか。
 こういうのは、わかる奴だけわかればいいし、
 俺はわからねえ奴は相手にしないので。
 ムカついた奴はさっさと帰れよ。
 
 話のわからねえ奴が消えたところで、話を元に戻す。この映画の素晴らしいところは・・・、なんて話はしない。
 肝心なのは、あの「2001年」はやってくるのかってことだ。
 少なくとも、パンナム(アメリカの航空会社)はなくなったがな(笑)
 2001年に宇宙旅行が実現するってのも、無理そう。
 しかし、少なくとも死ぬまでには行きたいね。
 そういう些末な話はさておき、実際の「2001年宇宙の旅」は、もっと深遠なテーマがあるわけだが、
 人類の進歩はどこまでいくのかって問いは、非常に興味がある。
 身近なレベルでも、身の回りには夢のある話ばっかりだ。
 しかしながら、未来の話なんぞ、呑気にやってる余裕がないって人もいるだろう。
 そもそも7カ月後には「恐怖の大王」が降臨するわけだし。
 (これはこれで楽しみな話だ)
 こういう愉快な時代に生まれたことを幸運と思わないといかんだろう。
 世紀の変わり目なんて、誰でも絶対に立ち会えるもんじゃないんだぜ。
 日常レベルでも、これからも楽しいことはたくさんあるだろう。
 辛いこともあるけどな。
 こんなの気持ち次第だ。
 時代性ってのもあるかもしれないが、
 ここんところ「2001年宇宙の旅」のような夢のある作品が少ないね。
 「あきらめなければ夢は必ず叶う!」みたいな能天気な映画の話ではなく、
 どうにも「犠牲的精神」とか、「崩壊からの立ち直り」みたいなものが主体になっている気がする。
 前者は「アルマゲドン」だし、後者は「ロスト・イン・スペース」な。
 SF映画ばかしですまん。
 (笑ったのは、予告で見た「ユー・ガット・メイル」だが、似たようなのがフジのTVドラマにもあったような・・・)
 ないものねだりかもしれないが、遠大な夢を語れる映画が出てきて欲しいね。
 ともかく、現在は(作劇上の言い方では)「谷の部分」に当たるのかもしれないが、
 「落ちるまで落ちたら、後は登るだけ」
 ってのも、本人の気持ち次第だからな。
 2001年が来たからって、いきなり登れるもんでもないだろう。
 (物理法則からいっても、加速をつけるには元々の実力とか助走が必要なのだ)
 今から走り出さないと加速が間に合わん!
 俺も歳をとったからねえ。
 来るべき2001年に向けて、一足先に俺は行くとしよう。
 なんか、あいかわらず訳のわからない話だったが、結局のところ、
 新年の抱負だったな。
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