平成14年5月17日発行

 千厩町奥玉の水田で「新たな集落営農の集い
 県営奥玉地区担い手育成基盤整備事業で区画整理された千厩町奥玉の水田で今年から水稲の作付けが始まるのに伴い、現地で十六日「新たな集落営農の集い」が開かれた。生産性の高い地域ぐるみ農業の展開に向けて誓いを立てようと開いたもので、岩渕良昭千厩地方振興局長が新しい水田で田植えを行った。同地区では、事業区域のうち工事が終わった約百ヘクタールのほ場で田植えが始まっている。
 新たな集落営農の集いは、地元の土地管理組合や農家組合、生産組織のほか県や町、いわい東農協、千厩土地改良区などから約八十人が出席して午前十時半から開かれた。主催者代表の佐藤正男奥玉地区営農組織連絡協議会長が「七年度から始まった大区画ほ場整備も、今年度で基盤整備が完了することになった。二十一世紀にふさわしいゆとりと夢のある地域ぐるみ農業を目指して活動していきたい」とあいさつ。岩渕振興局長、吉田幸昌町助役、佐藤哲夫いわい東農協組合長の三人が祝辞を寄せた。
 県営基盤整備事業や関連のソフト事業の概要説明に続いて、佐藤同協議会長と藤野晃中日向地区営農組合長が作付けの作業の安全と豊作を祈って祈願した。
 田植えは岩渕局長が八条植えの田植機に乗り、約一ヘクタール区画の水田にひとめぼれの苗を植え付けた。田植機が進んだ後には青々とした苗が規則的な線を描き、周囲から拍手が起こった。
 同整備事業は県が七年度から十五年度までの工期で進めているもので、受益面積は二百十七ヘクタール(受益戸数三百八十戸)。面積五アール程度と大型機械による作業に支障のあった従来の区画を標準一ヘクタール(一部三十アール)に区画整理するほか、農道や用排水路、暗きょ排水、ため池などの整備を行う。事業費は約三十八億三千八百万円。
 面工事は六月で完了の見込みで、以後は暗きょ排水工事などが中心となる。工事が終わった区画のうち転作部分を除いた約百ヘクタールでは今年から待望の水稲の作付けが始まることから、集落営農の集いを開催した。
 同事業は、千厩川河川改修事業や広域農道整備事業と連動して進められており、基盤整備に併せてほ場近くを流れる千厩川の切り替えも行われた。また、ソフト事業の担い手育成農地集積事業で、担い手への農地利用集積も図っている。

<岩手日日新聞 5月17日記事より>