タウンページ

(日本電信電話会社編)日本電信電話会社 , 随時 (\無料)

[あらすじ]
NTTが発行する職業別電話帳。最近4色刷りになって見やすくなった。地区毎に電話会社から配られるので、県立図書館にでも行かない限り、遠くの地区のタウンページを見ることはできない。なんでもデジタル化の時代に、この分厚さの本を地区別にちゃんと発行しているNTTはえらいと思う。

[感想]
課題である「タウンページ」。もしかすると場所によって色が違っていたりするんじゃないか、と思っていました。しかし、随分前に県立図書館に研修に行ったときに、全国のタウンページを見る機会があったのですが、どれも黄色の表紙に太字ゴシック体で「タウンページ」と書かれていました。表紙も地区別四色刷だったりすると面白いのに。

せっかくこうしてNTTさんが持ってきてくれているのに、私は普段めったに使わないのです。というのも、面倒くさがりの私は、104かインターネットを使ってしまうからです。これと決まっている情報を得たい場合は、やっぱりデジタルの方がいいですよね。

タウンページというか、電話帳で思い出すのは、那須正幹さんが書かれた「ズッコケ三人組」のハカセ。今でもはっきり覚えているのですが、彼はトイレで本を読むのが趣味で、しかも変な本ばっかり読んでいるんです。辞書とか事典とか。そんな彼が好きだったのが電話帳。「この前電話帳を読破した。あれは読み応えがあった」という一言が忘れられません(^^)。そうです、彼にとっては、電話帳も立派な読み物なのです。多分。私もハカセの真似をして、電話帳を読もうかと思いましたが、母親の「馬鹿なことはやめなさい」の一言で片づけられました。

さて、現在のタウンページですが、開いてみると色がついて大分面白くなったようです。ただ、何しろもともと地の紙の色が黄色ですから、赤、青、緑を上手く使わないと、目立つけどちょっと変って感じの広告も多々見受けられます。そんな中でひときわ目立つのが、バックをすべて色で塗りつぶした広告。もし使うとすれば、下手に色文字を使うよりも、こうしてバックを塗りつぶす方がセンスある感じですね。

小さい頃は、21世紀になったら、こんな媒体はなくなってしまうのではないかと思っていましたが、無事に世紀末を乗り越えそうな「タウンページ」。電話帳は永遠に不滅?

かたぎり・ひろえ / 日変連千葉支部長)

月とナイフの方法論・変格書評コンテスト出品作品。