Hiroe's Private Library

クリスマスプレゼントって、何をもらいました?先日そんな話をしていたのです。私はいつも図書券でした。夢の無い家です。誕生日プレゼントも図書券でした。危うくお年玉まで図書券になるところでしたが、さすがに図書券を買うのも面倒だったのでしょう。図書券ではちょっと夢がなさすぎ。でも本なら・・・。

よくメールで「たくさん本を読んでますね」と言われますが(最近そうでもないかな・・・(^^;)、私のミステリ好きの発端は、小学校のとき友人からもらった本でした。実家にはその本が今でも本棚にしまわれています。アルセーヌ・ルパンの『奇岩城』。本は読むほうでしたが、これほどミステリにはまってしまったのは、あの本がきっかけだと思うのです。あの時、あの本を貰わなかったら、こんなページは作ってないでしょうし、そもそも司書になろうと思うほど、読書をしていたかどうか怪しいところです。

1冊の本が人生を変える。もしそんなことがあるなら、それは素晴らしいクリスマスプレゼントになるかも。本というものは趣味があるものですから、私はあまり他人に本をあげるということはしないのですが、その人のツボを知っている人だからこそ、この本は面白いんじゃないか、と思って本を探すのも、また一興かもしれません。


さて、私の選んだクリスマスにあげたい1冊。

ちょっとミステリ色、でも本を飾っておくだけでもインテリアになりそうな1冊。

最後のディナー
島田荘司著 『最後のディナー』
原書房 ISBN4-562-03263-4 (\1500)
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[島田荘司のほかの本]

―心が痛むほどの透き通った愛を描く「御手洗シリーズ」最新短編集(帯より)

この本、シリーズの1冊なのですが、もちろんこれで読みきってしまうことも可能。島田荘司は、たまに非常に繊細で、優しい小説を書くのですが、この本はそんなセンチな島田の1冊です。これで気に入れば、その後ろに膨大に控える「本格ミステリ」の海へどっぷりと浸かってもらえます。なにより、ミステリの醍醐味のひとつ、シリーズものキャラ萌え的要素も強いこの一冊。女の子にもきっとウケる(笑)。クリスマスディナーの仕上げは、「数字錠」(『御手洗潔の挨拶』所収)に出てきたロワイヤルティーなのです。ブランデーを砂糖にたらし、それに火をつけて紅茶に浮かべるという、まあやたらと幻想的なこの紅茶。「数字錠」に出てきたのは、コーヒーだった気もするのですが、コーヒーでもいけるでしょう。楽しいクリスマスに最後のとついてしまうところが少し気になるところですが、それはまあ気にしないことにしましょう。

ちなみに「御手洗シリーズの最新作」という帯の文句は、当時のものです。念のため。


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