将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第73期棋聖戦(2002年6/12〜8/1)

 

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挑戦者 王将 佐藤康光

棋聖     郷田真隆

第1局 6月12日 115手で先手郷田棋聖の勝ち
第2局 6月25日  96手で後手郷田棋聖の勝ち
第3局 7月 4日 146手で後手佐藤王将の勝ち
第4局 7月18日  87手で先手佐藤王将の勝ち
第5局 8月 1日 125手で先手佐藤王将の勝ち

佐藤王将3勝2敗で奪取、二冠に


第73期棋聖戦5番勝負第5局(8/1)

  挑戦者/棋聖   
王将   佐藤康光 3勝2敗
棋聖   郷田真隆 2勝3敗

125手で先手佐藤王将の勝ち

佐藤王将が3連勝で3勝2敗とし、タイトル奪取、二冠となりました。
佐藤王将は見事でしたが、郷田棋聖は残念でした。2連勝のあとの3連
敗は悔しいでしょう。またタイトル挑戦してほしいですね。

・二冠王重さも重し大夕立

最終戦ということで振り駒で佐藤王将が先手となりました。角換わりの将棋になっ
たのですが、腰掛け銀ですね〜。43手目先手▲2八角打ちはすごいですね。びっく
りしました。ある手なのでしょうか。前例もありそうで、あるいはもう定跡になっ
ているのかな。後手郷田棋聖が▽7五歩から先攻してA図です。先手の飛車角が中
段に並んで、後手から何か手がありそうなにおいがする局面でしたが、後手は5四
角打ちから6三桂打ちでした。ここで先手はじっと5六歩。なかなか指せません。
後手、▽7五桂とこちらに跳ねて角を取るよりも玉を攻めようということなのでし
ょう。先手▲9七銀打ちと銀を使って守ります。この辺は一手一手、迫力あります
ね〜。後手の5九角打ちから2六角成り、4四馬とした構想がどうだったのでしょ
うか。先手に鋭く迫る手がありそうな気もするのですが。先手の4二歩から4一歩
成り。5四歩から5三歩成りという手が間に合うような展開になってしまいました。
佐藤王将は二冠となって、王座戦の挑戦者決定戦も控えており、さらに三冠のチャ
ンスですね〜。


第73期棋聖戦5番勝負第4局(7/18)

  挑戦者/棋聖   
王将   佐藤康光   2勝2敗
棋聖   郷田真隆   2勝2敗

87手で先手佐藤王将の勝ち

佐藤王将が連勝で2勝2敗のタイにしました。
連敗であとが無いところからの盛り返しはさすがですね。
最終第5局は8月1日です。

・日盛りに8四の銀晒しけり

角換わりから後手郷田棋聖は棒銀、先手佐藤王将は二枚の銀を中央に出て攻撃敵な
布陣となりました。後手が9筋から攻めて出てA図は後手▽9八角打ちに先手▲5
六角と打ち返したところ。この5六角打ちが好手だったらしい。▽8九角成り、▲
9二香成りと続きます。後手は端から攻めて、7五歩、8四銀が活かせるもう少し
ゆっくりした攻めが間に合えば飛車も使えて有望だったのでしょうが先手の5六角
で後手の飛車と銀は働けなくなってしまいました。結局後手の棒銀は終了まで残っ
てしまいましたね〜。投了図からも難しいですね〜。即詰みはないんでしょうね。
▽6三玉に▲8三角成りかな。後手玉は3三の金と挟撃態勢になっていますからね。
佐藤王将は16日に羽生四冠とA級順位戦の対局があったそうで忙しい日程です。
でもこれで2勝2敗、勝負は最終局に持ち越されました。どうなりますか。


第73期棋聖戦5番勝負第3局(7/4)

  挑戦者/棋聖   
王将   佐藤康光     1勝2敗
棋聖   郷田真隆     2勝1敗

146手で後手佐藤王将の勝ち

佐藤王将が攻め合いの熱戦を制して1勝を挙げ、踏ん張りました。
第4局は7月18日です。

・梅雨の間の熱く攻め合う棋聖戦

出だし2連敗で後がない佐藤王将は後手番穴熊でした。先手郷田棋聖は銀矢倉に組
んで後手の穴熊玉を上から攻めて出ます。A図は先手▲8五銀と後手の7四の飛車
に当て、後手が▽5四飛車と逃げたところ。ここから先手▲1五歩と穴熊玉に迫り
ます。1筋、2筋で細かく歩を使って香を絡ませての攻めはさすがに迫力あります
ね〜。後手もその間に▽7三桂〜▽7五歩〜▽7六歩と先手の銀と取りながら先手
の玉に迫って来ます。この辺からの攻め合いは見応え充分、さすがという攻め合い
になってます。結局後手の穴熊玉は穴熊の分だけ遠く、先手の攻めはわずかに届き
ませんでした。後手は7六歩が大きく、▽7七香打ち〜▽7七銀打ちと活用され、
勝敗を決める歩になったようです。投了図からは▲4六玉、▽3四桂、▲同歩、
▽4七金で、玉を逃げても同飛車でも即詰みです。先手玉は広いようですがぴった
り詰んでいるですね。


第73期棋聖戦5番勝負第2局(6/25)

  挑戦者/棋聖   
王将   佐藤康光       0勝2敗
棋聖   郷田真隆       2勝0敗

96手で後手郷田棋聖の勝ち

角換わりからの難しい将棋を郷田棋聖が攻めきって連勝しました。
防衛にあと1勝です。以前、王位と棋聖を獲った時には防衛に失敗してます。
今回初めてのタイトル防衛となりそうな感じですね。

第3局は7月4日です。

・五月雨や駒音高く角を換え

角換わりから難しい将棋になりましたね〜。先手佐藤王将は飛車を振ってから4八
玉、3八金を5八玉、4八金と戻し、後手郷田棋聖は棒銀に8四銀と出た銀を6二
まで戻したり、玉の構えもこれで良いのかなと思ってしまう。後手は3三金だし。
先に動いて行ったのが先手佐藤。7三角打ちから馬を作って、2九飛の上に2八香
と打って後手玉を挟撃しようというところでしたが、後手郷田が先手の攻めを上手
くかわして逆に先手を攻めて決めてしまいました。A図は最後の決め手となった角
打ちの場面。プロとしては当然なのかどうかは知りませんが、格好良く決めた、決
まったという手ですね〜。う〜む、すごい! 先手の飛車馬が寂しいですね。


第73期棋聖戦5番勝負第1局(6/12)

  挑戦者/棋聖   
王将   佐藤康光         0勝1敗
棋聖   郷田真隆         1勝0敗

115手で先手郷田棋聖の勝ち

世の中サッカーモード、私もサッカーモードですが、
佐藤ー郷田の棋聖戦が始まりました。
まず郷田棋聖が1勝を挙げました。

第2局は6月25日です。

・梅雨空や矢倉模様の棋聖戦

郷田棋聖に挑戦するのは佐藤王将、タイトル保持者同士の戦いになりました。
矢倉模様の出だしから両者角を右に展開してA図は後手▽6五桂に先手▲6六銀と
7七の銀を上がったところ。ここで後手▽6六同角と角を切っての攻めに出ます。
やあー、良いですね、この踏み込み。こうでなくっちゃ。▲6六同金に▽5七桂成
ですが、▲6五歩、▽6一飛のあとに▲3五歩とここから手を付けて行きます。後
手も▽6八歩と攻め合いです。後手は▽6九歩成りから▽6七歩、▽6八銀と打ち
込み、6八で駒の精算があり▽2八飛と王手角取りに打ち込んで勝負!ですが先手
の4八角打が強防の手。さらに▲3九銀打ちとして後手の攻めは完全に遅らされて
しまいました。後手佐藤の攻めを郷田が粘り強く防いだという将棋でした。


第73期棋聖戦挑戦者に佐藤王将(5/13)
第73期棋聖戦の挑戦者決定戦が5月13日に行われ、佐藤王将が丸山名人に勝ち挑
戦を決めました。郷田棋聖との第1局は6月12日です。


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