将棋タイトル戦情報

   第71期棋聖戦(2000年6/9〜7/31 )

 

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挑戦者 四冠 羽生善治 

棋聖     谷川浩司

    対局者  
四冠  羽生 善治 3勝2敗
棋聖  谷川 浩司 2勝3敗

第1局 6月 9日 106手 後手 谷川棋聖勝ち
第2局 6月24日  98手 後手 羽生四冠勝ち
第3局 7月 7日 132手 後手 谷川棋聖勝ち
第4局 7月18日 102手 後手 羽生四冠勝ち
第5局 7月31日  90手 後手 羽生四冠勝ち

羽生四冠3勝2敗でタイトル奪取、五冠に。


第71期棋聖戦5番勝負第5局(7/31)

    対局者  
四冠  羽生 善治 3勝2敗
棋聖  谷川 浩司 2勝3敗

90手で後手羽生四冠の勝ち

振り駒で後手番となった挑戦者の羽生四冠が90手で勝ち、3勝2敗でタイトルを
奪取、棋聖位復帰を決めました。
これで羽生五冠となりました。タイトルを取ったのは、あの7冠達成の時以来で
はないかしら。久しぶりのタイトル奪取となりました。
一方、谷川棋聖は無冠となってしまいました。ううむ、残念無念。王位戦で是非
とも頑張って欲しい。

 

羽生、谷川の攻めを受けきる

タイトルの行方を決めることになった最終第5局、先手谷川棋聖の横歩取り、後
手羽生四冠の8五飛戦法で戦いが始まる。先手谷川が5六角打から3四歩打と攻
めていったのがA図。

A図、谷川の駒台には何も無し、後手羽生は角と歩が四枚。ここから後手には▽
4四角打ちが見えている。実際の進行も後手、4四角打ちと進むのだが。もちろ
ん谷川は百も承知。後手に飛車を取らせて、▲3三歩成りから▲3二とと金桂を
取る。飛車と金桂の交換である。交換自体はあり得る交換だろうが、谷川は歩切
れである。この場合はどうだったのだろう。谷川には以後の攻めにも谷川なりの
構想があったはずだが、私の棋力ではわからない。苦しい攻めが続いているよう
な感じを受けるだけである。
20手ほど進んでB図。

先手が持ち駒にした金と後手の中段の飛車が交換となり、谷川の駒台には飛車と
桂である。まだ先手歩切れであるが、まだ谷川の構想の範囲内かもしれない。 
ここから谷川は左銀を攻めに参加させるのだが、後手羽生は64手目▽3四歩、 
66手目▽3三金と守りに手を入れて、谷川の攻めを受けきってしまう。
想像するしかないが、この2手が谷川の攻めの構想をうち砕いたのではないか。

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第71期棋聖戦5番勝負第4局(7/18)

    対局者  
四冠  羽生 善治   2勝2敗
棋聖  谷川 浩司   2勝2敗

102手で後手羽生四冠の勝ち

羽生四冠が勝ち、2勝2敗のタイにしました。
逆転勝ちだったみたいですね。
谷川棋聖はここで防衛を決めて、王位戦に集中したいところでしたが、
羽生四冠、そうはさせずと意地を見せました。
なにはともあれ、タイトルの行方は最終第5局の結果次第となりました。

最終、第5局は7月31日です。

・羽生に高速の寄せが出る

先手谷川が横歩を取り、後手羽生は8五飛とはせずに8二に飛車を引く。
まず、後手羽生が先攻し、次に先手谷川が反撃する展開となる。谷川は右桂を
1七に跳ねて、飛車を2九に引くのだが、直後46手目▽2七歩と打った歩が最後
に効いてくることになる。2七の歩を取れずに残したまま、2九の飛車を8九に
転換した局面がA図。

二枚角と8九に転換した飛車も攻めに使おうかというところだが、ここで後手羽
生は▲6四香と打ち、先手の攻めを凌ぎきってしまう。最後は羽生に高速の寄せ
が出た。投了図、ぽつんと残った8九の飛車がせつない。

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第71期棋聖戦5番勝負第3局(7/7)

    対局者  
四冠  羽生 善治     1勝2敗
棋聖  谷川 浩司     2勝1敗

132手で後手谷川棋聖の勝ち

両者1勝1敗で向かえた第3局,後手番谷川棋聖が132手で勝ち,
2勝1敗とし、タイトル防衛にあと1番としました。
後手谷川棋聖が横歩を取らせての8五飛戦法でした。中盤からの駒の出し入れ、
局地での攻め合い,押し合い,駆け引き,攻防が続き白熱した戦いが繰り広げら
れましたが、最後は谷川棋聖が得意の寄せを見せ、押し切りました。

第4局は7月18日です。

・谷川,棋聖防衛に王手

中盤からの攻め合いが面白い将棋でした。
ずうっと押し合い引き合いが続いていたのですが、図から後手谷川の攻めが成功
します。先手の右翼,後手には攻めの手がかりが無いところなのですが、ここか
ら,▽4七歩,▲同馬,▽4五歩,▲同角,▽3五桂,▲同銀,から▽4五飛と
強襲して攻めきってしまいました。

  

先手羽生は2枚の角が最後まで攻めに使い切れなかったのが残念だったでしょう

       投了図

   

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第71期棋聖戦5番勝負第2局(6/24)

    対局者  
四冠  羽生 善治       1勝1敗
棋聖  谷川 浩司       1勝1敗

98手で後手羽生四冠の勝ち

両者1勝1敗で、次は第3局ですが、
王位戦と同時進行となり、微妙に影響し合いそうです。

第3局は7月6日です。

・羽生、谷川の攻めをかわす

角換わり腰掛け銀の将棋になった本局、先手谷川の攻めが成功。後手羽生玉を左
右から挟撃する形で攻めていたのだが。

ここで先手▲2九飛車成りとしてから▲2一角打ちとしていれば,先手谷川の勝
ちだったらしい。実戦は▲6三成桂,▽2八飛車打ちと進み、後手羽生玉は中段
に脱出し、捕まらなくなってしまった。谷川棋聖,惜しまれる一局でした。

投了図

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第71期棋聖戦5番勝負第1局(6/9)

    対局者  
四冠  羽生 善治         0勝1敗
棋聖  谷川 浩司         1勝0敗

106手で後手谷川棋聖の勝ち

棋聖戦が始まりました。
棋聖のタイトルだけを守っている谷川棋聖の防衛戦です。
前期は郷田棋聖(当時)相手に3連勝でしたが,今期の挑戦者は羽生四冠です。
どういう結果になるか注目です。
第1局はまず谷川棋聖が1勝をあげました。
谷川ファンの私としてはこの勢いでタイトルを守ってもらいたい。

本局は谷川ー羽生戦の100戦目だそうで,
谷川棋聖の40勝、羽生四冠の60勝だそうです。


第2局は6月24日です。

 

羽生ー谷川100対局目

6月9日に行われた棋聖戦第1局の羽生ー谷川戦は両者の100番目の対局だっ
た。羽生四冠60勝,谷川棋聖40勝とのことである。

この将棋,後手谷川棋聖は四間飛車振った。両者,高美濃に構えて,先手羽生四
冠は8七玉に右銀を7七に持って来て金銀四枚で固める堅陣である。右翼で角交
換して攻め合いとなったのだが、85手目羽生に逸機があったらしい。

ここから▲4二龍としたが▲7五角打ちで勝っていたらしい。

最後は谷川棋聖らしく駒台に歩しか残さず,ぎりぎりに寄せきった。

投了図


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