将棋タイトル戦情報

第62期名人戦(2004年4/13〜6/11)

 

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挑戦者 竜王、王将 森内俊之

名人、王座     羽生善治

第1局 4月13,14日  86手で後手森内竜王の勝ち
第2局 4月26,27日  91手で先手森内竜王の勝ち
第3局 5月12,13日  89手で先手羽生名人の勝ち
第4局 5月19,20日 103手で先手森内竜王の勝ち
第5局 6月  3,4日 145手で先手羽生名人の勝ち
第6局 6月10,11日  95手で先手森内竜王の勝ち

森内竜王4勝2敗で奪取、三冠に
羽生名人は王座一冠に


第62期名人戦七番勝負第6局(6/10,11)

 挑戦者/名人  
竜王  森内俊之   4勝2敗
名人  羽生善治   2勝4敗

95手で先手森内竜王の勝ち

相矢倉の将棋になりました。後手羽生名人は角を3一から6四、7三と転換し
て4六で先手森内竜王の角と交換になりました。後手は4七歩打ちから4八角
打ちと先手陣に角を打ち込んだ手に先手が5七角と打ち返したのがA図です。
先手の4八の飛車を歩で追ってからの角打ちで先手陣に食い込んだようですが
後手の5七角の合わせに▽同角、▲同金としてから再度の▽4八角打ちに▲3
七桂、▽3九角成り、▲1八飛車となってから後手は馬で香を取っている間に
4七の歩を払われてしまいました。8二飛車と飛車を戻す手も入れなければな
らず、少し思わくに違いがあったみたいですね〜。、と金を作って活用できる
ような展開になればおもしろかったのでしょうが。先手が一方的に攻めること
になりそのまま勝負がつきました。名人が入れ替わる一戦にしては終盤後手は
あっさりと負けてしまった感じです。これで羽生は王座の一冠となってしまい
ました。森内は三冠ですからタイトルの数だけみれば完全に立場が替わってし
まいました。それでも羽生はまだタイトル保持者です。これが無冠ということ
になったらすごく寂しいことになりそうです。負け方の良くない将棋が目立つ
ような気がします、これから羽生の逆襲を見ることが出きるのしょうか。


第62期名人戦七番勝負第5局(6/3,4)

 挑戦者/名人  
竜王  森内俊之     3勝2敗
名人  羽生善治     2勝3敗

145手で先手羽生名人の勝ち

角換り腰掛銀の将棋になりました。今回も前例のある将棋の流れのまま64手ま
で進みました。王将戦第6局森内−羽生戦です。しかしすごいですね〜。64手
といえば一局終ってしまっても不思議ではないですからね。65手目先手羽生名
人の指し手が前例から離れて両者の新たな戦いが始まりました。今回は研究が
そのまま勝敗に直結したということでは無く、最後までどちらが勝っているの
かわからない面白い攻防の続いた将棋となりました。A図は後手7六歩打ちに
先手が4五の桂を5三に成り込んだところ。▽7六歩も一歩で先手玉を狭くし
てしまう機敏な手ですね。先手は桂を成らずに6三成桂と寄る手が良かったら
しい。次の5二成桂で6一の飛車が自陣に効いてくるのが大きかったらしいの
だが・・。最後は先手玉が微かに詰んでいないらしい。きわどい終盤戦が続い
た熱戦でありました。羽生名人は土俵際で踏ん張った感じ。でもまだ押され気
味と感じさせられるところがなんとも・・。


第62期名人戦七番勝負第4局(5/19,20)

 挑戦者/名人  
竜王  森内俊之       3勝1敗
名人  羽生善治       1勝3敗

103手で先手森内竜王の勝ち

後手番森内竜王の8五飛車戦法でした。先手羽生名人は▲4五飛車で後手の桂
を取り先手の飛車は取らせる展開にして指し手を進めます。これも途中まで前
例通りに進みます。A図は後手が▽4五同飛車と取ったところ。ここで先手3
六桂でした。4六銀と出る手が普通らしい。後手は5七角成りから飛車を6九
に打って攻め、先手も後手陣に飛車を打ち込んで反撃、白熱した攻防戦が続き
ました。B図は後手が5七に王手で金を打ったところ。▲5九飛車に▽3八と
と詰めろをかけたところで先手4三飛車から後手玉は即詰みでした。後手は金
5七にを使わずに受けに使っていたら即詰みは無かったらしい。金を使った時
にどういう判断だったのかわかりません。自玉の詰みが分かっていたのかどう
か。あるいは▲4三龍に▽4二角で受かっていると判断したものなのかどうか。
面白い将棋でしたが最後はあっさり決まってしまったという感じですね。


第62期名人戦七番勝負第3局(5/12,13)

 挑戦者/名人  
竜王  森内俊之         2勝1敗
名人  羽生善治         1勝2敗

89手で先手羽生名人の勝ち

角換り腰掛銀の将棋になりました。後手番森内竜王の一手損の進行です。組み
あがったところから先手羽生名人が▲4五銀とぶつけて出て中盤戦に。踏み込
んで行った先手が後手陣にと金を作るのに成功したのがA図、先手の6一歩成
りに後手が5四歩と飛車が逃げ場を作ったところです。先手の飛車は助からな
い形ですが、これは飛車を取りに来れば4四の銀と換えて良しということでし
ょう。このあと▲6二と、▽5三飛、▲7二とと後手の飛車を目標に攻めてい
きまもなく後手投了となりました。先手羽生の完勝譜でしょう。羽生が森内を
相手にこんなに気持ち良く勝ったのを見るのは久しぶりという感じがします。


第62期名人戦七番勝負第2局(4/26,27)

 挑戦者/名人  
竜王  森内俊之           2勝0敗
名人  羽生善治           0勝2敗

91手で先手森内竜王の勝ち

後手番羽生名人の8五飛車戦法です。先手は9一に馬を作り後手は1九に馬を
作って、先手は1六の飛車を金で取らせて、後手も4四の飛車を香で取らせて
と難しい進行なのですが、前例があり研究がされている展開らしい。プロ棋士
にとっては未知の部分もあるから指してみたいと思うのでしょうか。
しかし一局100手前後の内5,60手までも前例通りという将棋で、あとは研究の
差で一瞬に勝負が決まってしまうという将棋は見ていて楽しい将棋ではないの
だが・・・。A図は先手が7四歩と後手の歩を取りながら進めたところです。
この7四歩が森内にとっては研究済みの手で羽生は知らなかったらしい。本当
かどうか和からないが局後のコメントで「7四歩には驚きましたと」と言って
いる。でも渡辺五段などの研究でも先手良しの結論が出ていた手なのだという
ことです。B図は後手が1九の馬を5五に引いて王手した手に対して先手が6
七の歩6六歩として受けたところです。このあと後手は6五桂と跳んで王手し
て、先手7六玉です。そこで後手9一馬として先手の馬の素抜きに成功ですが、
この馬を取った手が読みきれていなかった手なのか。馬を取って負けにしてし
まいました。難しい。先手は3二桂成りから再度2四桂打ちとして以下投了図
まで後手玉を詰ましてしまいました。


第62期名人戦七番勝負第1局(4/13,14)

 挑戦者/名人  
竜王  森内俊之             1勝0敗
名人  羽生善治             0勝1敗

86手で後手森内竜王の勝ち91手

羽生名人を相手にこのところ押しまくっている森内竜王が挑戦者として出てき
ました。今、勢いがあるのは森内です。羽生は踏みとどまれるか。
後手森内は向い飛車から飛車を5筋に据えて穴熊にしました。中央で駒があぶ
つかり合い、お互いに譲らずに駒を打ちつけ合って千日手模様になりました。
A図は後手が千日手を打開して6四に歩を打ったところ。6五を争点にして駒
を取っては6四と5六に打つ手が続いたのですが後手森内千日手を前に手を変
えて歩を打ったところです。千日手から逃れたと思ったら今度は6六を争点に
して6五と6七に駒を打ち合い、また千日手模様に。打開したのは森内でした。
金銀を交換を巧く使って投了図の6七金打ちまで、先手投了となりました。
先手は守りの金を上ずらせられてしまったのが痛かったか。


第62期名人戦挑戦者に森内竜王(1/15)

A級順位戦7回戦の谷川王位ー丸山棋王戦が行われ、谷川が負けて森内竜王の名人
戦挑戦が決まりました。すでに7回戦を対局済みの森内は7連勝でトップを独走中。
後を4勝2敗で追っていた谷川が敗れたため他に1敗、2敗の棋士がいなくなり、
全9回戦の2局を残して森内の挑戦が決定しました。他の棋士が星のつぶしあいを
する中で一人負け無しで勝ち進んできた森内は素晴らしいですね。森内は作年4連
敗で名人を失っています。今回は立場が変わり挑戦者ですがどうなりますか。


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