将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第60期名人戦(2002年4/10〜5/17)

 

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挑戦者 八段 森内俊之

名人     丸山忠久

第1局 4月10,11日  87手で先手森内八段の勝ち
第2局 4月24,25日 164手で後手森内八段の勝ち
第3局 5月  8,9日 127手で先手森内八段の勝ち
第4局 5月16,17日  92手で後手森内八段の勝ち

森内八段、4連勝で奪取


 

第60期名人戦7番勝負第4局(5/16,17)

 挑戦者/名人  
八段  森内俊之       4勝0敗
名人  丸山忠久       0勝4敗

92手で後手森内八段の勝ち

挑戦者の森内八段が4連勝で丸山名人を破り、新名人の誕生となりました。
森内新名人は初タイトルですね。
しかし、4連勝4連敗の結果は意外でしたね〜。そんなに力に差があるとは
思えないのですが・・・。 名人の4連敗での敗退は屈辱でしょう。捲土重来を
期待します。

・薫風や新名人の生るるなり

森内八段が4連勝で新名人の誕生となりました。森内八段は見事でしたが、丸山名
人の4連敗はどうしたんでしょうね。第3局での負けが大きかったのでしょうか。
本局は後手番森内の四間飛車でした。A図はお互いに龍を作って香を取って、これ
から攻めるぞというところ。先手は5五桂を足がかりに攻めようと1一龍と香を手
にしますが、後手の2四角がが好手でしたね〜。▽8六桂と合わせて先手陣に迫り
ます。丸山は負けたからそう見えるのかも知れませんが案外あっさりと土俵を割っ
た感じで1勝も出来ずに名人位を明け渡してしまいました。
名人戦では挑戦者が1勝も出来ずに敗退したことは何回もあると思いますが、名人
が1勝も出来なかったのは中原が米長に負けた例が一回あるだけで2例目となりま
した。やはり時の名人が0ー4で負けるというのは驚きですね。ショックは大きい
のでは。立ち直って、丸山らしい将棋を見せて欲しいものです。


第60期名人戦7番勝負第3局(5/8,9)

 挑戦者/名人  
八段  森内俊之         3勝0敗
名人  丸山忠久         0勝3敗

127手で先手森内八段の勝ち

森内八段が3連勝です。
これは新名人誕生かな。

第4局は5月16,17日です。

・うっかりで名人転ぶ夏落葉

丸山名人がポカで大事な一局を落としてしまったようです。
名人位を左右するあまりにも大きなミスが出てしまったんですね〜。丸山らしくな
いですね。気合い良く攻めて、受けるところはきちっと受けて、上手く指していた
ようですが・・・。う〜ん、どうも、勝てない時はこんなもんなのでしょうか。
A図は125手目、先手森内八段が▲7二香成りと後手の金を取ったところです。ここ
で後手丸山が126手目、▽7二同金と取った手がうっかり、ポカでした。投了図、先
手127手目に▲7一龍とされて即詰みです。ここで先手が手にした一歩で▲4二歩打
ちから後手玉が詰むんですね〜。7一龍が見えていなかったのかもしれません。
126手目▽7二同金では▽7七銀成り、▲同馬、▽8五金、▲6五玉、▽3八角打と
してどうやら丸山勝ちだったらしい。
たしか将棋のタイトル戦七番勝負では3連敗4連勝というのは今まで無かったと思
います。これから逆転は難しいでしょうね。勝っていれば1勝2敗で1差なのでま
だまだこれからというところだったのですが。前期、前々期とフルセットを戦った
丸山、あとは名人の意地を見せることができるかどうかですね。


第60期名人戦7番勝負第2局(4/24,25)

 挑戦者/名人  
八段  森内俊之           2勝0敗
名人  丸山忠久           0勝2敗

164手で後手森内八段の勝ち

森内八段が連勝です。丸山名人はちょっと苦しくなってきました。次はなにがなん
でも負けられないでしょう。

第3局は5月8,9日です。

 

・春寒のこんな日もあるさ二連敗

角換わり、腰掛け銀から先手丸山名人が攻め、後手森内八段が受ける展開でA図。
後手7一金打ちに先手が4六に角を打ったところ。不思議な角打ちですね〜。もち
ろん深い読みがあるのでしょうけれど、わからない。ぼんやりした角打ちという印
象です。A図では先手大駒三枚ですがあと持ち駒は無し。後手は駒をいっぱい持っ
てますね。後手の7一に打った金がすごいですね〜。効いてます。このあと後手は
5四銀打、3三銀打と自陣に投入。先手は大駒の動きを封じられてしまいます。後
手は9三金打ちとそこまでやるかというような金打ちで先手の飛車を捕獲。先手か
ら見るとここに金を打たせた、使わせたという見方もできますが後でこの金とA図
で先手が打った角と交換することになっては完全に後手ペースになってしまいまし
た。これで2連勝2連敗の出だし、次、名人が勝てば1差でまだまだこれからとい
う感じですが、次、名人が負けるとさすがに勝負あったという感じになってしまい
ます。丸山名人にとっては次が大一番でしょう。


第60期名人戦7番勝負第1局(4/10,11)

 挑戦者/名人  
八段  森内俊之             1勝0敗
名人  丸山忠久             0勝1敗

87手で先手森内八段の勝ち

挑戦者の森内八段がまず1勝を挙げました。丸山名人は案外あっさりと負けた感じ
ですね〜。次は気合いが入るでしょう。

第2局は4月24,25日です。

・花過ぎて駒音ひそと名人戦

        A図                投了図

8五飛戦法は難しいですね〜。良く解りません。わからないのは他の戦形もわから
ないことにかわりはないのですが。A図は先手森内八段が封じる一手前丸山名人が
▽2五歩と打ったところ。局後の丸山のコメントにここでは「4四角が普通」とあ
りました。しかしまだ38手です。この辺は当然研究範囲なのではないでしょうか。
してみると、丸山は▽2五歩、▲3六飛車の変化から後手有望の手順を研究済みで
今回指してみたのでは。ところが先手森内に予想外の手を指された、と、これは私
の勝手な想像ですが。丸山は50手目の2四桂に長考したそうなのでその前の▲7六
歩が意外だったのか、あるいは57手目後手の8九龍に7九飛と強く飛車打ちで受け
た手が予想外だったのか。65手目先手の7四桂打ちからがらりと攻守が変わってし
まいました。この結果はどうなのでしょうかね〜。負けた丸山にこの後影響が出る
かどうか、負け方が良くない負け方に思えるのですが・・。まあ、まだ始まったば
かりですから。次は丸山も違った戦い方をするかも。してもらいたい。


第60期名人戦挑戦者に森内八段

A級順位戦最終戦で森内八段が藤井九段に勝ち、8勝1敗で挑戦を決めました。
2番手に付けていた佐藤九段も森下八段に勝ちましたが7勝2敗でした。
プレーオフもあるかもという状況でしたが、森内八段は勝ってすっきりと決めまし
たね。森内八段は名人戦は2回目の挑戦です。 '96年に羽生名人に挑戦した時に
1勝4敗で破れています。今回は気合いが入るでしょう。まだタイトル獲得がない
ですし、いつまでも後があるというわけではないですから。初のタイトルが名人と
いうことになりますかどうか。
丸山名人との第1は4月10,11日です。


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