将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第59期名人戦(2001年4/12〜6/22)

 

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挑戦者 九段 谷川浩司

名人     丸山忠久

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司 3勝4敗
名人  丸山忠久 4勝3敗

第1局 4月12,13日 121手で先手丸山名人の勝ち
第2局 4月26、27日  91手で先手谷川九段の勝ち
第3局 5月  8,9日  87手で先手谷川九段の勝ち(千日手指し直し)
第4局 5月18、19日  95手で先手丸山名人の勝ち
第5局 5月31、6月1日 99手で先手谷川九段の勝ち
第6局 6月11,12日 127手で先手丸山名人の勝ち
第7局 6月21,22日 
84手で後手丸山名人の勝ち

丸山名人4勝3敗で防衛


第59期名人戦七番勝負第7局(6/21,22)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司 3勝4敗
名人  丸山忠久 4勝3敗

84手で後手丸山名人の勝ち

丸山名人が後手番で勝ち、4勝3敗でタイトル防衛です。
素晴らしい将棋でありました。大熱戦でした。
「檄辛」などと称せられていますが、本局の4五桂から4六角と切り込んで行く攻
めはまた違ったイメージを醸し出しています。さらなる飛躍の予感もあり、素晴ら
しい将棋でした。

・丸山に夏の陽さやか防衛す

        A図                 B図

「名人」の行方が決まる最終戦、両者共に後手番の時の対応、対策を練ってきてい
たはず。後手となった丸山名人は8五飛から5五飛5四飛と構えます。角の交換が
あって、後手▽7五歩に先手谷川九段が▲8三角と打ってのがA図。ここから後手
丸山▽4五桂と跳ねて出ました。先例があるのかないのか知りませんが、桂損して
の踏み込みに気合いを感じますね。▲4五同桂に▽4六角と打ったのが、後手番対
策か。この角で勝負!という感じです。B図、先手の▲7七金に後手が6六の馬を
▽4四馬と引いたところ。ここから先手▲3五銀、▽2三香と続きます。このあた
りは一手指したほうが良く見えるという、力の籠もった手の応酬が続いて、さすが
は「名人」を左右する一局です。84手という短い手数でしたが、中味の濃い一局で
あったと思います。丸山は新しい面を見せてくれたのではないんでしょうか。これ
からの将棋も楽しみですね〜。
谷川は残念でした。当分九段のままでしょうか。

        投了図


第59期名人戦七番勝負第6局(6/11,12)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司   3勝3敗
名人  丸山忠久   3勝3敗

127手で先手丸山名人の勝ち

丸山名人が勝って3勝3敗のタイにしました。後手番の谷川九段の戦法が注目され
ましたが、四間飛車でも8五飛でもなく、8四飛車から2四飛車でした。7一銀か
ら7二角にはびっくりしましたが、この角を切って飛車を先手陣に成り込んだ時に
は少し苦しかったのでしょうか。名人が名人らしさを見せた一局でありました。
さあ、いよいよ次は最終局。「名人」はどちらに。

最終第7局は6月21,22日です。

・梅雨に入るくるくる回る傘ふたつ

        A図                 投了図

後手谷川九段の桂を交換して先手丸山名人の中段飛車を攻める手順はさすが谷川と
いうのか、角を香と換えて飛車成りから攻めて出ましたが、この香は後手の9一に
あった香で先手が取った香を4七に打ったもの。決まれば光速の寄せでしたが、攻
めが細い感じがしました。A図からの先手▲3三歩、▽同銀、▲3四歩がプロ、あ
るいはアマ高段者には当たり前の手なのでしょうか。私にはなるほどさすがという
手でありました。▲3四歩の銀取りを手抜いて谷川、4八桂成りから攻めます。
角を切っての攻めですが、先手の玉は左翼が広く、難しいですね。私などはどうし
たらよいやら、挟撃の手も思いつかないのですが、そこは「谷川」。なんとかする
かと見ていたのですが一手足りなかったようです。
後手の7一銀は遊び駒という見方もあるようですが、私はそれなりに働いたのでは
ないかと思います。投了図からも難しいですね〜。先手玉には詰みがあるのですが
先手から王手で▲3四金と打つ手があり、後手は▽同龍とするよりほかなく、そう
なれば攻防とも見込みが無く投了となったようです。


第59期名人戦七番勝負第5局(5/31,6/1)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司     3勝2敗
名人  丸山忠久     2勝3敗

99手で先手谷川九段の勝ち

角換わり腰掛け銀の将棋でした。後手番丸山名人が先手谷川九段の得意を受けて
立った感じとなりましたが、谷川が丸山の思惑を粉砕、力強く攻めきってしまい
ました。これで谷川は名人復位にあと1勝です。丸山の反撃成るか、いよいよ佳
境です。

第6局は6月11,12日です。

・名人の6三角も夢の中

       A図                  投了図

後手番で角換わり腰掛け銀に臨んだ丸山名人はA図の52手目、6三角が期待の一手、
工夫の一手だったらしい。しかし今回は谷川九段に上手く対処されて、思惑通りの
効果は得られなかった。らしい。その辺の機微は私にはわからない。丸山は9筋か
ら端を攻めるがこれも的確に応対されて、案外早い投了となってしまった。先手の
角が馬となり働いたのに対して後手の角は働かなかったですね。最後は後手陣は金
銀四枚を守りに付けたままでの終局でした。大事な一局で谷川得意の角換わりに後
手番で臨んだ丸山の心の中は推し量れないのだが、敢然と臨んだとみるべきか。


第59期名人戦七番勝負第4局(5/18,19)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司       2勝2敗
名人  丸山忠久       2勝2敗

95手で先手丸山名人の勝ち

丸山名人が穴熊で谷川九段の後手四間飛車を破り、2勝目を上げました。
これで2勝2敗のタイ。これからあらためて3番勝負のかたちです。

第5局は5月31日、6月1日です。

先手勝ち、また先手勝ちタイとなる

        A図                 投了図

A図、一日目終了の局面ですが、ここでの後手▽5四歩が動き過ぎたかという谷川
九段のコメントがありました。たしかにこのあとの指し手を追ってみると後手が少
しずつ苦しい展開のような気がします。しかし、ここは30手目。ここでの指し手が
勝敗に影響しているとは、うーん、なんとも難しいものであります。A図から後手
が5四歩では無く、じっくりと囲いあう展開に持って行ったとすると、また千日手
もあったかもしれませんね。
ここまで1〜4局共に先手番が勝っています。このまま行くと最後の振り駒で駒が
裏表どっちに転ぶかか注目になるかも。


第59期名人戦七番勝負第3局(5/8,9)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司         2勝1敗
名人  丸山忠久         1勝2敗

87手で先手谷川九段の勝ち

2日目に入ってまもなく、69手までで千日手となり、先後を変えて指し直しとなり
ました。指し直し局は後手となった丸山名人が角換わりを受けて立ったようです。
先手谷川九段は5六銀と腰掛け銀、後手丸山名人は8四銀と棒銀に出ましたが、こ
の銀が最後まで働かず、先手谷川九段87手で2勝目を上げました。

第4局は5月18,19日です。

暑き日の踏み込み行きし角換わり

       千日手局

 先手は飛車を2筋で上下し、後手は
 6二金、6三金の繰り返しで69手目
 千日手となりました。
 無理に仕掛けなかった谷川と、
 あるいは、無理気味の仕掛けを待っ
 ていたのだろうか丸山の気持ちは
 どうだったのでしょうか。

 

 

 

     指し直し局A図              投了図

千日手にもびっくりしましたが、丸山名人が8手目、▽7七角成りと角換わりに出
たのにもびっくりしました。この辺の名人の考えはどうだったのでしょうね。  
A図、後手棒銀から▽7五歩と仕掛けて行ったところ。先手、5六の銀を▲6七銀
と引いてぴったりです。結局、投了図まで、後手の8四の銀は立ち往生してしまい
ました。丸山名人は角換わり後手番でも自信があったのでしょうか。あるいは、谷
川九段相手に指してみようとことだったのでしょうか。謎ではありますが、あとで
振り返ってみるとあのときの一局が、という大きな一局になりそうです。


第59期名人戦七番勝負第2局(4/26,27)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司           1勝1敗
名人  丸山忠久           1勝1敗

91手で先手谷川九段の勝ち

先手谷川九段の横歩取り、後手丸山名人が8五飛戦法でした。
プロでは相当なところまで研究が進んでいる形なのでしょうけれど、私にはさっぱ
りわかりません。見ている分には面白い将棋でありました。これで1勝1敗のタイ
になり、先が楽しみです。

第3局は5月8、9日です。

夏めくや光速の寄せ盤を行く

        A図                 投了図

A図、一日目終了したところ。局後の丸山名人の話にこの辺で苦しいというコメン
トがありましたが、なんとも難しい話しですね。A図から▲3六同飛車、▽5四角
▲4七角と進むのは予想される展開であり、相当先まで先例があるようです。
後手が▽四六角から▽4五飛と進み、先手3三歩成り、後手3六歩と攻め合うのも
予想の内のようです。ううむ、なんだか良くわからないが、どこかで丸山名人の研
究に無い手が出たということなのでしょうか。研究の差が出た将棋ということなの
でしょうか。最後は谷川九段に光速の寄せが出ました。


第59期名人戦七番勝負第1局(4/12,13)

 挑戦者/名人  
九段  谷川浩司             0勝1敗
名人  丸山忠久             1勝0敗

121手で先手丸山名人の勝ち

丸山名人が先勝しました。
先手、後手共に金銀四枚で堅陣に構えてから、はがし合い、攻め合いになりました
が、最後は後手谷川九段の攻めが届かず、丸山名人まずは幸先良く1勝です。
力の籠もった良い将棋でしたね。

第2局は4月26、27日です。

名人が笑ひて花の終ひなり

        A図                 投了図

谷川九段は局後に「作戦負け」と話していたみたいですね。A図、後手谷川、▽1
五歩と仕掛けたところですが、仕掛けさせられた、動かさせられたという感じなの
でしょう。まあ、そこで仕掛けて行くのが谷川九段のなんとも魅力ではありますが
結果は実らず。それにしても、A図、先手後手共に金銀四枚でがっちり囲っている
のが妙な感じにさせられます。攻めは飛車角銀桂と思ってきた私なんぞはどこから
戦いが始まるのかと思ってしまいます。先後が変わっての次局はどんな戦形になり
ますか。面白い将棋を見せてもらいたい。


「第59期名人戦」挑戦者に谷川九段(3/2)

A級順位戦最終局が3月2日行われ、6勝2敗でトップに並んでいた谷川九段と佐
藤九段の対局は谷川九段が制し、名人戦挑戦を決めました。

丸山忠久名人との名人戦第1局は4月12,13日です。

羽生五冠の出ていないタイトル戦は久しぶりじゃあないかなと思って、ちょっと考
えてみたら、昨年の名人戦以来ですね。丸山ー佐藤戦です。一年ぶりですね。


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