将棋タイトル戦情報

第52期王座戦（2004年9/2〜10/13）

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挑戦者　名人、竜王、王将　森内俊之

王座　王位　　　　　　　　羽生善治

第１局　９月　２日　 76手で後手羽生王座の勝ち

　９月８日　羽生王座は王位を獲得し二冠に

第２局　９月１４日　 87手で先手羽生王座の勝ち
第３局１０月　５日　101手で先手森内三冠の勝ち
第４局１０月１３日　 85手で先手羽生王座の勝ち

羽生王座、３勝１敗で防衛

第52期王座戦五番勝負第４局(10/13)

85手で先手羽生王座の勝ち

後手番の森内三冠は８五飛車でした。先手羽生王座から角交換があり、後手は
その角を４四に打ち８八に成り込み、飛車と絡めて先手陣に迫ります。結局後
手の角は先手の金と交換となり、その時点で先手は持ち駒に角二枚だけ、後手
は８筋から攻めて龍をつくり、さらに２筋、３筋からも手を作って挟撃態勢で
す。Ａ図は後手が３八金と打ったところです。先手は６五角と打ち返しました。
この角で後手の龍が困りました。後手４八金と清算してから龍を８六に引きま
したが先手はなんと！７六に金を打ちつけて、Ｂ図です。すごいですね〜。こ
こに貴重な金を使っても成算ありということでしょうね。後手は一気に先手玉
を捉えたいところだったのに、ここで龍を引いてはいられないでしょう。７三
桂と跳ねて角取りですが、この桂跳ねには力が感じられません。ほどなく先手
の３三歩成りからの攻めが回って来て後手は85手までで投了となりました。
このところ第16期竜王戦、第53期王将戦、第62期名人戦と羽生は森内を相手に
連続で敗退、タイトル供給者になって来ましたが、ここで踏み止まりました。
これからの羽生、森内双方に気持ちの変化が現れるのではないでしょうか。

第52期王座戦五番勝負第３局(10/5)

101手で先手森内三冠の勝ち

相振り飛車の将棋になりました。Ａ図は後手が３五の歩を３六に進めて先手の
３七の桂を取りに来たのに、先手４五桂と跳ねたところ。後手玉は８二歩で狭
くなっていますが先手の飛車も６八と気の利かないところに追われています。
後手今すぐには４五の桂を取れずに２八歩成りでした。先手は４五桂を足場に
５三銀と打ち込んで、角も絡めて後手玉に迫ります。後手玉の位置が悪いです
ね。８三歩とするタイミングが掴めなかったのでしょうか。後手は３五歩と３
六歩と二手かけて先手に４五桂と跳ねられたのもやぶ蛇気味だったし、うーん、
うまく行かない時はこんなものでしょうか。森内は着実に指して１勝をあげま
した。流れが変わることになりますかどうか。

第52期王座戦五番勝負第２局(9/14)

87手で先手羽生王座の勝ち

後手番の森内三冠は中飛車でした。先手羽生王座からの角交換があり、先手の
２四歩から２四に先手飛車を置いたまま角の打ち合い、さらに交換、そしてま
た角の打ち合いがあり、後手は３一に角を成り込みました。Ａ図は後手が２二
の歩を２三と進めて飛車取りにしたところ。後手は８四に打った角を先手陣に
成り込んでいますが、先手は角を７九に打ち今は守りにしか効いていない状態
です。先手困ったようですが、３三歩成り、▽２三歩、▲４五歩と進んで、な
るほど先手も後手の飛車を取ることが出来るようになっているのですね。洒落
た手の応酬でした。取り合った飛車を竜にしてお互いに攻め合いますが先手の
７九の角が上手い具合に受けに効いているのに、後手の馬は最後投了図まで攻
めに活かすことが出来なかったですね。最後は先手が勢い良く攻めてそのまま
勝ちました。

第52期王座戦五番勝負第１局(9/2)

76手で後手羽生王座の勝ち

羽生王座に臨むのは森内三冠です。角換わり腰掛け銀から先手の森内は左の銀
と右の桂を前へ前へと進め後手陣に襲い掛かります。交換した銀も後手陣に打
ちこんで一気に有利にしてしまおうという感じです。Ａ図は先手５六角打ちに
後手が４四角と打ち返したところ。先手６六歩の防ぎに後手５五飛車と寄って
先手の角打ちがボケたようになってしまいました。先手２四歩から３五桂の攻
めもあっさりと後手３五同角とされて、その取った桂を８五桂と打たれて決め
手にされてしまいました。森内の攻めに的確に対処した羽生が鮮やかに勝った
という感じです。最後は格好良く決めました。

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