将棋タイトル戦情報

第52期王将戦(2003年1/15〜2/13)

 

表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦


挑戦者 竜王 王座、棋王 羽生善治

王将 棋聖        佐藤康光

第1局 1月15,16日  72手で後手羽生三冠の勝ち
第2局 1月23,24日  67手で先手羽生三冠の勝ち
第3局 1月28,29日 106手で後手羽生三冠の勝ち
第4局 2月12,13日 103手で先手羽生三冠の勝ち

羽生三冠、4連勝で奪取、四冠に


第52期王将戦七番勝負第4局(2/12,13)

 挑戦者/王将  
三冠  羽生善治       4勝0敗
王将  佐藤康光       0勝4敗

103手で先手羽生三冠の勝ち

羽生三冠、4連勝で奪取、四冠に

穴熊も羽生に礼する山笑ふ

三連敗の佐藤王将は後手番で三間飛車穴熊でした。タイトルホルダーが4連
敗、1勝も出来ずの敗退は屈辱ですからね〜。なんとしても勝ちたい将棋で
しょう。先手羽生三冠も穴熊で相穴熊になりました。A図は先手▲3二歩に
後手が▽3三歩と打ったところ。この前に後手は6二の金を5二に寄ってま
す。辛抱強く指そうというのでしょうね。しかし羽生は3七桂としてから金
を玉に寄せて、さあ、行きますよという感じで4筋の歩を4六歩〜4五歩〜
4四歩として王道の攻めです。これで勝ってしまいます。
佐藤は不出来なシリーズでしたね〜。調子を出せないままに終ってしまいま
した。残念ですね〜。自分から動いて行っては上手く行かず、本局では我慢
の将棋をしましたが我慢は実らずに負けてしまいました。そんなに力に差が
あるわけが無いのですが力に差があるのではないかと思わせるような負けで
したね〜。これはちょっと、後にショックを引きずるような負けなのでは。
しかし佐藤には落ち込んでいてもらっては困ります。奮起してもらいましょ
う。
羽生のほうは「自然流」のように無理なく、流れるように指して勝ってしま
います。すごいですね〜。合計5冠の対決で看板は豪華でしたが内容は寂し
かったです。羽生の強さばかりが目立ちます。そりゃあ強いのでしょうが、
他の棋士にも発奮してもらいたい。


第52期王将戦七番勝負第3局(1/28,29)

 挑戦者/王将  
三冠  羽生善治         3勝0敗
王将  佐藤康光         0勝3敗

106手で後手羽生三冠の勝ち

角もまた凩のなか羽生の内

先手番の佐藤王将は1,2戦と連敗のスタートで、この第3戦はなんとして
も勝ちたいところでしょう。ここで勝ちを取ると1差ですからまだまだこれ
からです。角換わり腰掛銀の将棋になりました。A図は佐藤が6四角と打っ
たところ。封じ手の局面です。中盤の難しいところですね。羽生三冠の封じ
手は6三金でした。このあたりはいろんな手がありそうで両者とも相当読ん
でいるのでしょう。中身については想像もできませんが。この角が後手玉に
睨みを利かせたまま威張っている展開になると先手も相当ですが、角が後手
の目標になる恐れもあり難しいところ。4五で銀の交換がありB図。後手の
4四銀が指されてみると当たり前の手のように見えるのですが、先手の攻め
をしっかりと受けた銀打ちでした。佐藤は銀交換のあとの4五桂に期待した
のでしょうが後手4四銀でどうもあとが続かないですね。▲6四歩打ちでは
せっかくの7五角が角切りからの攻めも止めていて変調か。苦しい中での選
択なのかも知れません。この辺も手の広いところ。妙手が出ると先手有望と
なるかもしれないところなのですが・・・。羽生の指し手は無理なく、自然
に指しているようで流れるよう。それで勝ってしまうのですから、すごい。
強い。
三連勝三連敗となってもうタイトルがどうなるかという興味は薄れました。
佐藤王将が次、どんな将棋を見せるか気持ちの有り様が出る将棋になるか。
どうでしょうかねえ。


第52期王将戦七番勝負第2局(1/23,24)

 挑戦者/王将  
三冠  羽生善治           2勝0敗
王将  佐藤康光           0勝2敗

67手で先手羽生三冠の勝ち

 

奥入瀬に流れて消ゆるぼたん雪

後手番佐藤王将は中飛車で9筋の歩を9五歩と詰める趣向。この歩が生き
る展開にしたかったのでしょうが、そうはなりませんでした。67手の短手
数で先手羽生三冠の勝ちになりました。手数は短かったのですが、一手一
手中身の濃い読み合いがあったようです。A図は先手5四歩と打ったとこ
ろ。後手が5六歩と先手の歩を取った瞬間の歩打ちです。いかにもそつが
ないという感じで後手の弱点をきっちり捉えた歩打ちですね〜。A図では
3筋でお互いの飛車の間に後手の角が入ったいます。こんな時は間に駒を
入れているほうが動けないので不利としたものですが、この場合佐藤は2
六歩に期待したのでしょうか。A図のすぐ前に後手2六歩と先手2八歩の
2手が指されていますが先手にあっさり2八歩と受けられて案外後手は指
す手が難しいですね。あるいは先手から飛車角交換する順を読んでいたの
でしょうか。先手は5三に作ったと金を足がかりに後手陣に鋭く切り込ん
でいって勝ちきりました。後手は最初の9四歩、9五歩を生かせなかった
ですね〜。途中で気持ちに揺れがあったのかも。佐藤王将は「投了します」
とがっくり頭を下げたとのことで、なんともねえ、この「がっくり」はす
ごい表現ですね〜。実際そうだったんでしょうけれど、この「がっくり」
に佐藤の気持ちが出てますね。佐藤は正月のテレビ番組で今年の抱負を聞
かれて、まずふたつのタイトルの防衛、そして他のタイトルも狙うと言っ
てましたが、ちょっとピンチです。次負けると大ピンチです。次局は力を
出してもらいたいです。


第52期王将戦七番勝負第1局(1/15,16)

 挑戦者/王将  
三冠  羽生善治             1勝0敗
王将  佐藤康光             0勝1敗

72手で後手羽生三冠の勝ち

第2局は1月23,24日です。

 

負け帰る道に侘助咲いてをり

後手番となった羽生三冠は8五飛車でした。先手佐藤王将の29手目▲3五歩
に封じ手となった羽生は▽3五同飛車で、お互いに引けない展開になりまし
た。見たことがあるような将棋なのですが難しいですね〜。先手は交換した
角を4六角と打ち9一に馬を作ってこちらから攻めようというのですが、結
果は失敗。投了図、9一に馬がそのまま残ってしまいました。桂と歩を使っ
て後手の6二銀に絡んで、馬を7三に引いて後手陣を攻めても、後手玉は結
構3筋、2筋に逃げ道がありなかなかつかまらないみたいです。手数がかか
るのでその間の後手の攻めと先手玉の兼ね合いが難しい。先手佐藤は8一飛
車と打って、後手玉を逃がさずに一気に決めてしまおうというところでした
が・・。A図、羽生の6五桂が「さあ、これでどうだ」というような力の入
った一手でした。ここで詰み近くまで読み済みでしょうか。攻め合いでの手
の早さもきっちりと読んでいたみたいですね〜。すごい。続いて▽5六桂の
好手も出て「光速の寄せ」でした。桂使いが鮮やかですね。投了図、先手は
9一馬、8一飛車が寂しく残ったままでした。佐藤はぽっきりと折れてしま
った感じですが、まあ、まだ1局目ですから、これからでしょう。この負け
はあんまりダメージを受けるような、後に引くような負けでは無いような気
がします。次は気分を新たに対局に臨めるのではないでしょうか。


第52期王将戦挑戦者に羽生三冠

リーグ戦を4勝2敗で終えた郷田九段と羽生三冠でプレーオフが行われ、118手
まで羽生が勝ち挑戦を決めました。佐藤王将との七番勝負が楽しみですね〜。
郷田九段は残念でしたが、今、棋王戦の挑戦を賭けて丸山九段とをり、あと一
番で挑戦です。郷田にはこちらで力を出してもらいましょう。
第1局は1月15,16日です。


表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦