将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第50期王座戦(2002年9/18〜10/9)

 

表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦


挑戦者 棋聖、王将 佐藤康光

王座  竜王、棋王 羽生善治

第1局  9月18日 106手で後手羽生王座の勝ち
第2局 10月 1日  73手で先手羽生王座の勝ち
第3局 10月 9日 100手で後手羽生王座の勝ち

羽生王座3連勝で防衛


第50期王座戦5番勝負第3局(10/9)

  挑戦者/王座   
棋聖 王将 佐藤康光     0勝3敗
王座 三冠 羽生善治     3勝0敗

100手で後手羽生王座の勝ち

羽生王座が3連勝でがっちりタイトルを守りました。
佐藤棋聖の攻めも迫力ありましたね〜。
しかし佐藤の攻めは羽生玉に一歩届かず、無念の3連敗での
敗退となりました。

・鳥渡る三連敗の翌朝も

後手番羽生王座の中座飛車に先手の佐藤棋聖が2筋、3筋から猛攻
を仕掛けました。すごい攻めでしたね〜。気合いが伝わってきます。
飛車も後手に取らせてぐいぐいと攻めて行ってA図。後手が6三の
歩を▲6四歩とついたところ。この歩突きがあって後手玉は右辺に
すり抜けることができるのですね。先手はなんとか後手玉を挟撃態
勢にもって行きたいのですが持ち駒が金だけでなんともはがゆいと
ころです。それでもA図からさらに後手玉に迫ってB図。終了の二
手前です。相当後手玉を追ってますが、後手から▽2五角のただ捨
てが出ました。これもすごい角打ちですね。最後は羽生の攻めも切
れ味鋭いという感じですね〜。先手陣は金銀4枚が居て、後手の竜
も先手陣から引いたので攻めるのも大変かなと思っていたら5四桂
打ちから2九飛車打ちで速かったですね。すごい。
3戦で終わってしまってちょっとさびしい。もっと見たかったです
ね。まあ、二人で5冠ですから、またすぐに対戦があるでしょう。


第50期王座戦5番勝負第2局(10/1)

  挑戦者/王座   
棋聖 王将 佐藤康光       0勝2敗
王座 三冠 羽生善治       2勝0敗

73手で先手羽生王座の勝ち

羽生王座が連勝で防衛にあと一番としました。
羽生マジックが出たようですね。53手目の2七桂打ですが、すごい
ですね〜。佐藤棋聖はここから挽回できるか。
第3局は10月9日です。

・10月の雨振り払ふ2七桂

プロの将棋はどこまで読んでいるのか見当もつかないです。A図は
▲3五歩打と後手の3四の飛車取りに打った手に後手佐藤棋聖が▽
4四飛とかわしたところです。普通は5四飛車として両桂をからめ
て先手の5七の地点にねらいをつけるところでしょう。4四飛車と
したのはどんな読みだったのか興味深いですね。結果は先手羽生王
座に香得を生かされて佐藤棋聖のねらいは実現しなかったようです。
後手は3三の桂を4五から5七桂成りと成り捨てて▽5四飛車と王
手でまわりました。この成り捨てた桂を先手にうまく使われたのが
B図。後手1二馬の飛車取りに先手が2七桂と打ったのがすごいで
すね〜。深慮、底が知れない読み、どこまで読んで指したのでしょ
うね。普通は2七歩か3五飛車かな。この2七桂が3五桂、4三桂
成りと後手玉に一直線に迫り、決めてしまいました。


第50期王座戦5番勝負第1局(9/18)

  挑戦者/王座   
棋聖 王将 佐藤康光         0勝1敗
王座 三冠 羽生善治         1勝0敗

106手で後手羽生王座の勝ち

今期の王座戦は3冠王と2冠王の戦いになりました。タイトルの移
動があるのかどうか興味深いですね。第1局は相矢倉の将棋になり
ました。まず、羽生王座が勝ってスタートです。佐藤2冠は力が出
なかったみたいですね〜。
第2局は10月1日です。

秋風やくるくる回る五冠の輪

第1局は挑戦者の佐藤二冠が先手となりました。両者がっちりと矢
倉に囲ってから先に仕掛けたのは後手の羽生王座でした。9筋から
戦いを起こして、先手も3五歩と突き捨ててから右の桂を2五に跳
ねて攻め合いです。A図は後手の▽3七銀打ちに先手が3八の飛車
を1八に逃げたところ。佐藤の勝負手ですね。このあと▽2八銀成
と進むのですが、当然この飛車取りは承知の上の1八飛でしょう。
飛車は取らせても攻めて勝ってしまおうという意気込みが伝わって
きますね〜。しかし結果は空振り、空回り。失敗に終わりました。
投了図に1二に打った銀が残ったままになってしまいました。あと
一手、2一銀とする余裕がなかったですね。2一銀から角を成って
いればまだ違った展開になっていたのじゃないでしょうか。後手が
取った飛車を2九に打った手がやはり厳しく、早かったですねえ。


第50期王座戦挑戦者に佐藤二冠(8/6)

王座戦の挑戦者決定戦が藤井九段と佐藤二冠との間で行われ、102手までで後手番の
佐藤二冠が勝ち、タイトル挑戦を決めました。タイトルの挑戦を決める決定戦はほ
んとに勝つと負けるとでは大違いですね。先手の藤井九段が藤井システムから攻め
て出たのを佐藤がかわして反撃、挑戦を決める勝ちをもぎ取りました。
羽生王座は四冠で、挑戦者の佐藤は二冠、佐藤が勝てば両者三冠となるんですね。
王位戦の結果にもよりますが。どうなりますか。楽しみです。
第1局は9月18日です。


表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦