将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第50期王将戦(2001年1/9〜2/20)

 

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挑戦者 九段 谷川浩司

王将     羽生善治

 挑戦者/王将  
九段  谷川浩司     1勝4敗
王将  羽生善治     4勝1敗

第1局 1月 9,10日 108手 後手羽生王将勝ち
第2局 1月18、19日  96手 後手谷川九段勝ち
第3局 1月29,30日 144手 後手羽生王将勝ち
第4局 2月  8、9日 143手 先手羽生王将勝ち
第5局 2月19,20日 104手 後手羽生王将勝ち

羽生王将4勝1敗で防衛


第50期王将戦七番勝負第5局(2/19,20)

 挑戦者/王将  
九段  谷川浩司     1勝4敗
王将  羽生善治     4勝1敗

104手で後手羽生王将の勝ち

羽生王将が4勝1敗でタイトル防衛です。6連覇だそうで、すごいですね。
このところのタイトル戦はフルセットの戦いが続いていたのですが、意外と大差に
なってしまいました。谷川九段にはA級順位戦最終戦〜名人戦で光速の寄せを見せ
てもらいましょう。

・ああ四敗苦杯の九段春遠し

       A図                 B図

今回は後手番となった羽生王将が四間飛車。先手谷川九段は美濃から8七玉〜9八
玉〜8八玉と構える。A図は先手▲3五歩と仕掛けたところだが、ここでは両者手
詰まり状態。角交換はあったものの、両者共に攻めるには手が難しいところ。後手
陣の6一金は6一〜7二〜6二〜6一と移動したもの。後手羽生は千日手もやむな
しといった感じだが、先手番の谷川は千日手を打開すべく3五歩と仕掛けていく。
成算があったわけでは無いらしい。「谷川」の気概だろう。B図、▲2三角と打ち
込むが後手の▽3六角がぴったりの返し技。

       C図                 投了図

B図から、先手▲1五歩から香を犠牲に一歩を持ち▲3四歩と攻める。▽4四銀、
▲2四飛車と飛車を出るのだが、▽2二香と飛車角の田楽刺し。▲4一角成り、▽
4一同飛、▲2二飛車成りと進み、ここでは角香の交換で飛車成り込みに成功した
形だが、この香は元は先手の香。角一枚丸損となった。角損はいかにも大きい、大
きすぎる。C図、待望の▲3三歩成りとしたところ。このと金で後手陣に迫るも、
手が遅れている感じ。投了図の7二とが、ううむここまでか、届かずというところ。
最後は羽生の見事な寄せが出た。


第50期王将戦七番勝負第4局(2/8,9)

 挑戦者/王将  
九段  谷川浩司       1勝3敗
王将  羽生善治       3勝1敗

143手で先手羽生王将の勝ち

2,3局に続いて後手振り飛車でしたが、先手羽生王将は穴熊でした。
穴熊玉の堅さを生かして後手谷川の攻めを凌ぎきり3勝目です。
谷川九段、あとが無くなりました。

第5局は2月19,20日です。

・穴熊の王将玉は遠きかな

       A図                 投了図

3局続けての後手振飛車となりました。後手谷川九段は四間飛車から6二に振り、先
手羽生王将も居飛車穴熊から4八に飛車を構えて、A図は▲1五歩と突いたところ。
このあと▽1五同歩、▲3五歩、▽7五歩、▲4四歩と全面戦争に突入です。1筋で
香の交換があり、お互い、持った香を敵陣の守りの要の駒をはがしに打ち込みます。
どちらが勝っているのかわからない攻め合い、しのぎ合いが続いた中盤からの攻防は
見応え十分でしたが、最後は穴熊玉の遠さが生きましたかね。


第50期王将戦七番勝負第3局(1/29,30)

 挑戦者/王将  
九段  谷川浩司         1勝2敗
王将  羽生善治         2勝1敗

144手で後手羽生王将の勝ち

すごい将棋でしたね。好局、名局だったのではないでしょうか。
これで羽生王将が一歩リードですが、これからも、7局目まで、
熱戦を期待したいです。

第4局は2月8、9日です。

・攻め合ひて乱るる髪の勝ちすがた

       A図                 投了図


A図は一日目終了、封じ手の局面。後手羽生王将は飛車を四間に振って、藤井システ
ムの出だしから飛車を5筋に持って来ました。先手谷川九段は5筋位取りから5五銀
と進出してますね。8六角と出て、さあて、波乱が起きるかどうかという感じです。
このあと、▽4二角、▲5四歩から先手の銀歩と後手の銀が交換になり、一段落。
両者、陣形の整備に入ります。先手も8八玉、7八銀と好形に構えますが、後手羽生
王将は3二金〜4一玉〜5一金〜3一玉と、さすがですね、戦える形に直してしまい
ました。A図での後手陣ではどうなることかと思ったのですが。
先手6八角から2四で角交換があり、そのあと両者のぎりぎりの攻防が延々と続きま
す。さすがに羽生ー谷川戦という将棋です。投了図の後手8二、7二の二枚の金は持
ち駒の金を打ったものです。攻める谷川、要所で受けの強手を出す羽生という感じが
します。


第50期王将戦七番勝負第2局(1/18,19)

 挑戦者/王将  
九段  谷川浩司           1勝1敗
王将  羽生善治           1勝1敗

96手で後手谷川九段の勝ち

谷川九段が勝ち、1勝1敗になりました。
高速の寄せが出たようです。後手番の谷川九段は四間飛車でしたが快勝という感じ
でした。これで改めて五番勝負の格好になりました。次の両者の戦型がどうなりま
すか。二人の対局はどういう戦型になるかも注目ですね。

第3局は1月29,30日です。

光速の寄せを喰らひしハブの玉

        A図                投了図

谷川九段が勝って1勝1敗のタイになり、この先の対局が楽しみ、面白くなって来
ました。2連勝2連敗の出だしではちょっとねえ〜。
A図は先手羽生が4四歩と後手の飛車を取ったところ。ここで後手▽9七桂がなん
とも気分の良い、格好良い手ですね〜。プロとしてはどうなのか見当も付きません
が素人受けのする、ファンは拍手喝采の手ですね。この後▽6六馬と馬も切って、
最後は飛車角無しで詰めてしまいました。羽生王将は足早の攻めでしたが、▲6八
金上がるとしておけば、飛車を左辺に大転換させることができたのでは無いかと、
これは素人の感想でした。


第50期王将戦七番勝負第1局(1/9,10)

 挑戦者/王将  
九段  谷川浩司             0勝1敗
王将  羽生善治             1勝0敗

108手で後手羽生王将の勝ち

羽生王将に挑戦するのは谷川九段です。新年早々、谷川ー羽生の番勝負を見ること
ができるのは嬉しいですね〜。第1局は後手番となった羽生王将が8五飛戦法でし
た。攻め合いを制したのは後手羽生王将でした。第2局の戦型がどうなるか、興味
深いですね。

第2局は1月18、19日です。

新世紀歩み出したり羽生1勝

       A図                  B図

後手羽生王将は8五飛車から飛車から巧みに動いて、先手谷川九段の右翼を攻めて
A図。先手も後手陣に馬を作り、9二から7四、7五と引いたところ。後手はここ
で2六角と打って数の攻めです。このあと後手は先手4八金への7五の馬の効きを
止めようとして、先手はなんとか馬の効きを生かし続けようとして動くのですが、
結局先手は馬の効きを止められて、4九歩と打たざるを得ないことになり、その歩
を打たせてから後手は1七桂成りと端から攻め込みます。この辺の呼吸がすごいで
すね〜。後手の端の攻めをなんとか受けた谷川は反撃に出て、馬二枚で後手玉を挟
撃態勢に持って行きますが、B図。▽6六桂と打った手が後手の決め手になりまし
た。先手▲6六同馬ですが、馬を引かなければいけないのでは後手玉に迫れなくな
ってしまいました。B図のあと▽6八と〜6六飛としてほどなく先手投了となりま
した。先手は最後まで飛車が1九のままでしたし、後手が8五飛車からうまく先手
の駒を押さえ込んだ将棋という感じがします。


第50期王将戦挑戦者に谷川九段

王将戦リーグは全勝の谷川九段が1敗の中原永世十段に勝ちました。他に1敗の棋士
は居らず、1対局を残して5勝全勝で挑戦を決めました。
羽生王将とのタイトル戦第1局は1月9,10日です。
また谷川ー羽生のタイトル戦を楽しませてもらえますね。
谷川九段には無冠返上を期待したい。


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