将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第49期王座戦(2001年9/5〜11/11)

 

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挑戦者 七段 久保利明

王座     羽生善治

  挑戦者/王座  
七段    久保利明   1勝3敗
王座    羽生善治   3勝1敗

第1局  9月 5日 129手で先手羽生王座の勝ち
第2局  9月21日  96手で後手羽生王座の勝ち
第3局 10月 5日  96手で後手久保七段の勝ち
第4局 10月11日 108手で後手羽生王座の勝ち

羽生王座3勝1敗で防衛


第49期王座戦五番勝負第4局(10/11)

  挑戦者/王座  
七段    久保利明   1勝3敗
王座    羽生善治   3勝1敗

108手で後手羽生王座の勝ち

3勝1敗で羽生王座防衛です。
10連覇だそうです。すごいですね。
これで竜王戦に集中できることでしょう。

・はらはらと桜紅葉は道に散る

           A図                          投了図

後手番羽生王座は急戦でした。先手久保七段は四間飛車ですが、後手番の羽生王座
は5三銀から6四銀として7五歩と足早の攻め。玉のほうは4二金直として、3一
の銀はそのままですね。6四の銀を7三〜7四と組み替えて6四歩〜6五歩と攻め
て行きます。A図は▽5七銀と打ったところ。中盤の難しいところです。この銀は
6六で交換になった銀。6六で銀の交換があり▽6六同角に先手5八の飛車を6八
と寄ったところに銀打ちです。先手は金が中段に出ていますね。もちろん金一枚で
はなんともならないので、飛車と連携して後手陣に迫りたいところなのですが・・
▽5七銀から▲6七飛、▽6四歩!、▲6六飛、▽同銀不成り、▲5八歩と進み、
後手▽7七歩成りから快調な攻めで勝ちました。先手5八歩打ちはいかにも苦しい
ですね。先手は後手の6四歩とじっと打って待った手が予想外だったのかも知れま
せん。6八飛車を6七に途中下車してから6六飛としていますからね。交換するの
なら最初から6六飛としたほうがまだ得だったような感じです。まさか後手に6四
歩と打たせたということではないでしょう。後手羽生は今回はこれで行こうと決め
て指して、そのまま勝ってしまった印象です。強さを発揮したということでしょう
か。


第49期王座戦五番勝負第3局(10/5)

  挑戦者/王座  
七段    久保利明     1勝2敗
王座    羽生善治     2勝1敗

96手で後手久保七段の勝ち

第4局は10月11日です。

・薄紅葉意地をみせたり挑戦者

           A図                         投了図

後手久保七段の四間飛車に先手の羽生王座は9八で玉を囲って、両者金銀4枚の堅
陣。飛車角の活躍する将棋になります。当然桂を使っての攻防になりそうなところ
なのですが、投了図を見てもわかるとおり桂は先手の右桂しか動いていません。
飛車角の交換、打ち合いの将棋になりました。2四で飛車の交換、4六で角の交換、
打ち合った角をまた8六で交換。再度の角交換が8六であり、先手8六同銀に後手
5五角と打ったのがA図。ここから先手羽生は5三飛車と打ち込んで、勝負です。
同金と取るのはまずいらしい。後手6三金とかわしました。そのあと▲3二角、 
▽4三歩から先手▲5四飛成りと飛車を切って攻めて出るのですが、その飛車を先
手陣に打ち込んでの二枚飛車の攻めが強力、早い攻めになりました。先手の堅陣が
あれよあれよという間に攻め倒されてしまいました。
羽生の攻めをきっちり凌いだ久保がそのままリードを保って攻め合い勝ちに持ち込
んだというところか。羽生のほうには誤算があったのかもしれませんね〜。


第49期王座戦五番勝負第2局(9/21)

  挑戦者/王座  
七段    久保利明       0勝2敗
王座    羽生善治       2勝0敗

96手で後手羽生王座の勝ち

羽生王座快調、連勝です。
第3局は10月5日です。

・真夜中の月見て帰る勝ち将棋

       A図                  投了図

先手番の久保七段は初手1六歩の趣向からの四間飛車。A図、先手の6九の銀は6
七に出た銀を7八、6九と引いたもの。後手の5三の銀も6四から戻った銀。両者
の銀の出し入れは面白いのだが、その意味するところは私にはちょっと難しい。
後手の1二の玉も面白いですね。久保七段は後手の1二玉を見て、9筋から攻めま
す。▲9五歩、▽同歩、▲同香、▽9四歩、▲同香、▽同香、▲9五歩に▽8六歩
としたところがA図の局面ですが、ここから▲9四歩、▽8七歩成り、▲9五角、
▽5一角、▲8四歩、▽9一香、▲9三歩成り、▽同香、▲8三歩成り、▽同飛、
▲8四香、▽8五桂と進み、飛車角の取り合い、交換でそれぞれ飛車角を手持ちに
して攻め合いになるのですが、飛車の打ち合いは後手に分があったらしい。後手は
角打ちから馬を作って、その馬で金を取り、その金を2九に打って投了図です。
攻め始めてからの羽生はすごい。2段桂から馬切り、金打ちと切れ味鋭い収束であ
りました。A図では先手8六角と取って、充分だったらしい。羽生王座も「自信が
なかった」ということらしい。しかし、先手8六同角なら、それならそれで羽生王
座が勝っていたのでは無いかと思わせる。そんな見事な勝ちかたでした。


第49期王座戦五番勝負第1局(9/5)

  挑戦者/王座  
七段    久保利明         0勝1敗
王座    羽生善治         1勝0敗

129手で先手羽生王座の勝ち

第2局は9月21日です。

・穴熊は安らかなりし星月夜

       A図                  投了図

後手久保七段は四間飛車ですが、先手羽生王座は穴熊に組みました。穴熊に組むの
も大変なのでしょうが、先手の7七の角が8六と出て後手の3三の角が4二と引い
た瞬間に9九玉と入りました。普通なのかなあ。私にはさすがの手順と思われまし
た。A図、後手が4三香と打った局面。先手後手共に馬と龍を作って、馬は自陣に
引きつけていますね。すごい中盤戦です。後手は6五歩と拠点を作って先手は6八
香と受けていることもあり、穴熊の玉は遠いです。ここから4七香成りと攻めよう
というところなのでしょうが、先手は▲3五馬。▽同馬、▲同龍と馬を交換して、
▽4七香成りですが後手の香成りがあまりひびかなくなってしまいました。
先手は6六歩と合わせてから、6五歩、6四歩、6七香打とここから攻めて、6三
歩打もからませ攻め倒してしまいました。羽生、快勝の一局でした。


第49期王座戦挑戦者に久保七段(7/25)

第49期王座戦の挑戦者決定戦が丸山忠久名人と久保利明七段で行われ、久保七段が
勝ち、タイトル挑戦を決めました。久保七段は今年の2月、3月の棋王戦に続いて
のタイトル戦登場です。

棋王戦では羽生棋王に1勝3敗で破れています。王座戦では羽生王座相手にどんな
将棋を見せてくれますか、楽しみです。棋王戦の時は久保「六段」でしたが、今は
七段。棋王戦の時とはちょっと違った久保「七段」の将棋が期待されます。

丸山名人は残念でしたね〜、丸山ー羽生の番勝負も見たいですが、こちらはまたの
機会に期待しましょう。

第49期王座戦第1局は9月5日です。


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