将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第42期王位戦(2001年7/17〜8/21)

 

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挑戦者 七段 屋敷伸之 

王位     羽生善治

   対局者    
七段  屋敷伸之       0勝4敗
王位  羽生善治       4勝0敗

第1局 7月17,18日   76手で後手羽生王位の勝ち
第2局 7月31日、8月1日 93手で先手羽生王位の勝ち
第3局 8月 9,10日   106手で後手羽生王位の勝ち
第4局 8月20,21日   177手で先手羽生王位の勝ち

羽生王位,4連勝で防衛


第42期王位戦七番勝負第4局(8/20,21)

   対局者    
七段  屋敷伸之       0勝4敗
王位  羽生善治       4勝0敗

177手で先手羽生王位の勝ち

相振り飛車からの大熱戦を羽生王位が制し、これで、4連勝。タイトル防衛です。
王位戦は九連覇だそうで、すごいですね〜。
羽生4冠は棋聖位を失冠したとはいえ、王位戦では強さを見せつけた感じです。
一方、挑戦者の屋敷七段は4連敗での敗退。残念ですね。捲土重来を期待します。

・秋高し屋敷は何を思ふらむ

        A図                投了図

相振飛車から中盤での攻防が面白い将棋でした。A図は後手屋敷七段の2八歩成り
に先手羽生王位が4九玉と逃げたところ。先手は7七の桂の守りに7八歩と打って
います。局後の羽生のコメントにもここに歩を打つようでは少し苦しいと言ってま
す。確かに苦しい歩打ちですが、この歩が結構効いているので、ううむ、さすがと
思ってしまいます。後手屋敷は4四の角で先手に7八歩と打たせてから2筋を攻め
ます。この辺は後手が巧く攻めている感じがしますが・・・ 後手の飛車が先手陣
に成り込めば大優勢ですが先手も3四銀打ちから後手の飛車の成り込みを阻止しよ
うと、見応えのある一手一手です。A図から後手▽4五銀、▲同銀、▽同桂と進み
ますが先手は再度の▲3四銀打ち。攻める屋敷に決め手を与えない羽生と攻防が続
きすが、最後は屋敷が攻め切れなかった。局後の屋敷のコメントに1,2,3局と
不出来な将棋でファンに申し訳ないとありましたが、本局は良いところを見せてく
れました。羽生相手の番勝負、タイトル戦は始めてということで、かみ合わない面
があったのかも知れません。一回戦ったので次の機会に力を見せてくれることを期
待しましょう。


第42期王位戦七番勝負第3局(8/9,10)

   対局者    
七段  屋敷伸之         0勝3敗
王位  羽生善治         3勝0敗

106手で後手羽生王位の勝ち

羽生王位が後手番四間飛車からいかにも羽生らしい差し回しで、先手屋敷七段の攻
めを切らしてしまったという将棋でした。これで3連勝3連敗。差が付いてしまい
ましたね〜。羽生強しという印象です。

第4局は8月20,21日です。

・勝てぬ日の忍者屋敷にあきの風

       A図                 投了図

お互いに飛車角が活躍した将棋でした。A図は先手屋敷七段が1三に居た龍を1一
に入ったところ。後手は馬を自陣に引きつけて堅陣ですね。後手羽生王位はここで
▽2六歩と打ちます。ずいぶん遠いところから攻めているようですが、これで間に
あっているという大局観なのでしょうね。実際にこの歩が2七歩成り、3七とと投
了図のようになって、先手にプレッシャーになっていたようです。先手はA図から
3七の角を4六〜1三角成り〜6八馬としてから9筋の端攻めに出ます。しかし、
結果が分かってから見ているからかこの端攻めも少し苦しみながら攻めている感じ
です。羽生王位は読み切りか、きっちり受けてしまいました。羽生王位の強さはな
んだか私にははっきりしない。はっきりしないんだけど強い、巧い。屋敷七段も暖
簾に腕押しの感じかなあ。


第42期王位戦七番勝負第2局(7/31,8/1)

   対局者    
七段  屋敷伸之           0勝2敗
王位  羽生善治           2勝0敗

93手で先手羽生王位の勝ち

羽生王位が後手番屋敷七段の8五飛車を粉砕、連勝しました。
屋敷七段は良さが出ませんねえ〜。羽生王位の強さが際だった一局でありました。

第3局は8月9、10日です。

・炎ゆる日の五冠の馬の早きかな

           A図                        投了図

後手番屋敷七段は8五飛ですが、8六からいったん8二に引いてから8五に浮いた
飛車でした。その飛車と後手の五筋の歩が5四〜5五〜5六と突き進んで先手に5
六同飛車と取らせたのが趣向か。A図は後手が9筋から攻めようとしているところ
に先手3五の歩を3四歩と突いた局面。投了図を見ると、後手の端攻めは部分的に
は成功したかたちですねえ〜。ゆっくりした展開になったら、端からの攻めで、ど
んどん攻め込むのでしょうが、そうさせなかった羽生王位の3四歩からの攻めがき
びしかった。端は攻めさせても、読み込みずみというところでしょうか。きっちり
と攻め勝って、五冠の強さを見せた一局でありました。


第42期王位戦七番勝負第1局(7/17,18)

   対局者    
七段  屋敷伸之             0勝1敗
王位  羽生善治             1勝0敗

76手で後手羽生王位の勝ち

矢倉の出だしから後手羽生王位中飛車に構えて、中盤から無理なく攻めて、勝って
しまった印象です。屋敷七段は良い面が出ませんでしたねえ〜。挑戦者が先勝する
とあとの戦いが面白いのですが・・・ 屋敷七段には次局、力を発揮してもらいま
しょう。

第2局は7月31、8月1日です。

・梅雨明けて王位の羽生の快勝譜

      A図                  投了図

相矢倉の出だしから先手屋敷七段は早囲いにしようとしたのでしょうか。後手羽生
王位、中飛車にします。序盤の作戦の機微はわかりません。羽生が早くにリードし
てそのまま攻めきった印象を受けました。A図、後手の4五飛車に先手4六角と後
手の飛車の成り込みを角で防いだところ。先手の飛車は働いていませんね〜。後手
の飛車は8二から5二〜6二〜6五〜4五と大活躍。ここから羽生、4六飛車と飛
角交換してから▽6五歩〜▽5五角〜▽6六銀打ち〜▽5五角と気持ち良く攻め続
けます。角の使い方が巧みですね〜。羽生は快勝。屋敷は力を出さずに負けた感じ
です。先手はA図の3四の歩が楽しみだったのですが、生かせず、最後までそのま
ま残ってしまいました。3四の歩を生かせる展開にはできなかったということでし
ょう。次局は屋敷らしさを出すことができるでしょうか。期待します。


第42期王位戦挑戦者に屋敷伸之七段(6/26)

王位戦の挑戦者決定戦が屋敷七段と森内八段で行われ、屋敷七段が勝ちました。
屋敷七段、久しぶりのタイトル戦登場です。

屋敷七段といえば、棋聖戦での活躍がすぐに思い浮かびます。
タイトル戦登場6回、通算獲得3期ですがすべて棋聖戦です。
最後は '98年の対郷田戦でした。
久しぶりのタイトル戦で、羽生王位との番勝負は楽しみですね〜

第1局は7月17,18日です。


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