将棋タイトル戦情報

   第41期王位戦(2000年7/10〜9/26 )

 

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第41期王位戦

挑戦者 九段 谷川浩司 

王位     羽生善治

   対局者    
九段  谷川浩司 3勝4敗
王位  羽生善治 4勝3敗

第1局 7月10,11日 106手 先手 羽生王位勝ち
第2局 7月26,27日 109手 先手 谷川棋聖勝ち
第3局 8月  8,9日 117手 先手 羽生王位勝ち
第4局 8月21,22日 125手 先手 谷川九段勝ち
第5局 9月  4,5日 113手 先手 羽生王位勝ち
第6局 9月13,14日  71手 先手 谷川九段勝ち
第7局 9月25,26日 114手 後手 羽生王位勝ち

羽生王位4勝3敗でタイトル防衛。


第41期王位戦七番勝負第7局(9/25,26)

   対局者    
九段  谷川浩司 3勝4敗
王位  羽生善治 4勝3敗

114手で後手羽生王位の勝ち

振り駒で後手となった羽生王位が勝ち4勝3敗でタイトル防衛しました。
羽生王位は8連覇とのこと。今確か29才なので、21才からずうと王位という
ことですね。もう王位と言えば羽生という感じです。
谷川九段は棋聖戦に続いて最終局での負けは残念でした。

羽生王位8連覇

先手谷川九段の横歩取りの将棋でしたが、横歩を取った先手の飛車は3四から3
六、3五、8五、8八と移動する。A図の先手6四金は6九から出ていった金で
ある。すごいですねえ。飛車角金桂歩で後手陣に殺到しようというところです。

       A図                 投了図

A図から後手▽6三銀、▲6三同金、▽6三同角、▲7二銀と進む。先手は交換
した銀で飛車角両取りに打ち込むが、後手8七歩から6五歩で結局角を取り合っ
た格好となる。先手は後手陣に成り銀とと金を作ったが、投了図その成り銀がそ
のままに6三に残っている。A図の先手飛車は自分の桂歩ですぐには働かない形
である。この飛車が7八から後手陣に成り込んだ時にはもう終局間近だった。
後手の飛車は7一から2一に逃げるが、この飛車が攻防に効いて来ては後手ペー
スか。
後手羽生が先手谷川の攻めをうまくかわした印象がします。反撃に出てからの羽
生の攻めはさすがにするどく、あっという間に寄せてしまいました。

谷川九段は当分九段のままでしょうか。羽生ー谷川の12番勝負は将棋ファンに
は楽しかったです。是非またわくわく、はらはら、どきどきの将棋を見せてもら
いたい。

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第41期王位戦七番勝負第6局(9/13,14)

   対局者    
九段  谷川浩司   3勝3敗
王位  羽生善治   3勝3敗

71手で先手谷川九段の勝ち

先手番の谷川九段が勝ち、これで3勝3敗です。
71手という短い手数でしたね。
勝ち負け、勝ち負けと一局交代ですが、ここまで全部先手番が勝ってます。
最終局は王位を賭けた大一番ですが、振り駒がどうなりますか。
緊張の振り駒になりそうです。

第7局は9月25,26日です。

谷川の攻め、炸裂

先手の▲5五角と出た手は後手に▽6五歩と突かせるためだったようです。
そして後手は6五歩と突いたのですが・・・
角交換のあと後手▽3九角と打った手に対して先手が▲3七角と打ち返したと
ころでがA図。

        A図                投了図

いかにも好手という手ですね。4八で後手の角と先手の飛車が交換になったの
ですが、3七の角は後手陣をにらんだまま残ります。後手の6五の歩がやはり
キズになってます。このあと後手は7三銀から8二銀と守るのですが、その8
二の銀を角で取って▽8二同玉に、再度の▲3七角打ちで決まりました。
後手は▽4五飛車と出て、二枚飛車で攻めようというところですが、二手くら
い遅れている感じです。
谷川九段の攻めが炸裂した将棋でした。この勢いで次ぎ、最終第7局も攻めて
欲しいですね。

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第41期王位戦七番勝負第5局(9/4,5)

   対局者    
九段  谷川浩司     2勝3敗
王位  羽生善治     3勝2敗

113手で先手羽生王位の勝ち

中盤からの攻め合いがすごい将棋でしたね。
最後は谷川九段の攻めがあと一手、一駒届かず、羽生王位の勝ちとなりました。
羽生王位はタイトル防衛にあと1勝です。

第6局は9月13、14日です。

・羽生、攻め合い勝ち

良い将棋でした。熱戦、ぎりぎりの攻め合いの将棋はファンとしては面白い将棋
でした。
2日目に入って駒がぶつかってから、ずうと攻め合いが続いていたのですが、A
図となって、先手も後手玉に迫っているが、後手も先手玉に迫っている局面。
先手の持ち駒は歩だけ。このあと、どう手を作っていくか難しいところなのだが
ここで、羽生は▲1三角成りと桂を取る。

         A図                   投了図

局後の羽生王位のコメントは「1三角成りで難しくなったかと。しかし読み切れ
てはいませんでした。」 うーむ、読み切っていたわけでは無かったようだ。
1三角成りの後、後手は両取りを避けて▽6二金寄りとしたが、先手羽生は手に
した桂を9四から打って攻める。最後、後手谷川も先手玉を詰ましに行くのだが
先手玉は中段に逃げて、わずかに詰まないのですね。

あと2番、また面白い将棋を見せてもらいたい。

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第41期王位戦七番勝負第4局(8/21,22)

   対局者    
九段  谷川浩司       2勝2敗
王位  羽生善治       2勝2敗

125手で先手谷川九段の勝ち

角替わり腰掛け銀の将棋を先手挑戦者谷川九段が勝ち、2勝2敗のタイにしまし
た。組みあがってから積極的に仕掛けた先手がそのまま、攻めきってしまったよ
うです。これで、五分。王位戦に集中できる谷川九段、鋭い攻めが戻ってきたよ
うです。対羽生戦での快勝は久しぶりという感じがします。次局も期待してます。

第5局は9月4、5日です。

谷川、快勝

         
A図                   B図

A図、封じ手の▲2五桂の局面。後手羽生王位が▽6四角と打って来た手に対し
て、先手谷川九段は桂を跳ねて攻めて行くぞの構えである。この桂は後手の2四
歩から2五歩と、歩で取られることになるのだが、▲2五同歩で先手の歩が後手
玉頭に迫ることになる。

B図、後手羽生の持ち駒は金と桂。この金と桂は先手の金と桂である。桂は2五
の桂。金は3七に居た先手の金である。先手谷川は金と桂を取られている間に、
1筋から端攻めを敢行。2筋の歩も2五から2四と進み、とうとう2三歩成りと
と金を作ってしまった。と金が2枚に成り香、飛車の後押し付きとなっては、先
手の攻めが成功した形である。
後手の8一の桂が働いていない。この桂は終局までこのままであった。先手谷川
の快勝という感じがするばかりなのだが、プロ棋士の読みは私にはわからない。
局後のコメントに、谷川「厳密に言えば、負けの順があったと思います。」
羽生「何か勝つ順があったかもしれませんが、見えなかった」とある。微妙なと
ころだったらしいと想いを馳せるのみか。

なにはともあれ、谷川九段、貴重な1勝である。きっかけになると思う。
タイトル奪取まで攻めて欲しい。

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第41期王位戦七番勝負第3局(8/8,9)

   対局者    
棋聖  谷川浩司         1勝2敗
王位  羽生善治         2勝1敗

117手で先手羽生王位の勝ち

先手羽生王位は四間飛車でしたね。攻め合いの将棋を勝ち、2勝1敗とリードし
ました。
うーみゅ、谷川、頑張れ!

第4局は8月21,22日です

攻め合いは羽生に軍配

羽生王位は先手四間飛車を採用。後手谷川九段は右四間飛車に構えて、飛車角が
向き合い、中央から戦いが始まりました。A図は先手が6一飛車と打った手に対
して後手谷川が攻防に8五角と打った局面。

本局も先手羽生の駒台には歩がたくさん。後手谷川の駒台には何も無し。歩の数
に差が付くのはいつものことか。谷川が歩を使って攻めの手を作っていることの
証ともいえる。ここで先手羽生、その駒台にある歩を5八歩と打って後手の攻め
を受ける。投了図、一手違いの局面だが5八の歩が存在感を示している。

         投了図

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第41期王位戦七番勝負第2局(7/26,27)

   対局者    
棋聖  谷川浩司           1勝1敗
王位  羽生善治           1勝1敗

109手で先手谷川棋聖の勝ち

挑戦者の谷川棋聖が勝ち1勝1敗のタイにしました。
タイトルの移動があるのかないのか、面白い戦いが続きます。
谷川棋聖にはこの勝利の勢いで、31日の棋聖戦最終局もがんばって欲しい。

第3局は8月8,9日です

・羽生王位、四間飛車を生かし切れず

後手番となった羽生王位が四間飛車に振り、先手谷川棋聖は天守閣美濃から9八
玉と構え、右の銀も6八に持って来て、戦いが始まる。

A図、後手羽生の5五の銀が助からない形になっている。ここから羽生は▽9五
角と先手玉頭から攻めかかる。

中央の銀には手がつかないまま、羽生の攻めが一息ついた局面がB図。
後手は9筋で角銀交換した銀を、4九に打ち、と金を作る。このと金が3七から
2八、1八と動き、飛車を取るのだが、先手玉に迫らずに離れて行ったのはつら
いところか。5五の銀も4六に逃げ道ができているが、先手玉から遠くなるし、
指せないでしょう。B図は後手、玉頭を守って6三の金を7三に寄ったところ。
先手からの攻めの手がかりが無いような局面なのだが、谷川は▲9七桂と跳ねて
手にしてしまうところがすごいですね〜。
最後は▲7五銀と、お洒落な手が出た。

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第41期王位戦7番勝負第1局(7/10,11)

   対局者    
棋聖  谷川浩司             0勝1敗
王位  羽生善治             1勝0敗

83手で先手羽生王位の勝ち

王位戦が始まりました。
谷川棋聖が挑戦者となり、棋聖戦とダブルタイトル戦となりました。
谷川ー羽生の将棋が毎週のように見ることができるのは、ファンにはうれしいで
すね。王位戦は棋聖戦とはタイトル保持者、挑戦者の立場を変えての戦いとなり
ますが、第1局は相振り飛車の将棋でした。ちょっとびっくりです。羽生王位が
攻め勝ってまず1勝です。

第2局は7月26、27日です

・谷川,攻め切れず

先手羽生が四間飛車、後手谷川が三間飛車と相振り飛車になりました。先手羽生
が1筋からの端攻めを成功させたのに,後手谷川は交換した飛車を先に先手陣に
打ち込んで攻め込んだのですが。

A図から▽5九同龍と龍を切っての攻めはいかにも届かないという感じです。
後手陣の駒をぼろぼろ取られることになり、まもなく投了となりました。

谷川棋聖,後は引かない負けでしょう。第2局に期待したい。

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第41期王位戦挑戦者に谷川浩司棋聖

谷川浩司棋聖と屋敷伸之七段で戦われた第41期王位戦挑戦者決定戦は
谷川浩司棋聖が勝ち、羽生善治王位への挑戦を決めた。

前期も谷川棋聖が羽生王位に挑戦して谷川ー羽生戦が行われたのだが
前期は谷川棋聖が4連敗で羽生王位に一蹴されている。
今回は谷川らしさを見せて欲しい。
いずれにしても棋聖戦に続いて王位戦でも谷川ー羽生戦が見ることが
できるのはうれしい。面白い将棋を期待したい。
第1局は7月10、11日です。

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