将棋タイトル戦情報

第30期女流名人位戦(2004年1/11〜 )

表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦


挑戦者  女流王位      清水市代

女流名人、女流王将、倉敷藤花 中井広恵

第1局 1月11日  94手で後手清水女流王位の勝ち
第2局 1月25日 128手で後手中井女流名人の勝ち
第3局 2月 8日  90手で後手清水女流王位の勝ち
第4局 2月19日  89手で先手清水女流王位の勝ち

清水女流王位、3勝1敗で奪取

清水、中井、両者二冠に


第30期女流名人位戦五番勝負第4局(2/19)

 挑戦者/女流名人  
女流王位 清水市代   3勝1敗
女流名人 中井広恵   1勝3敗

89手で先手清水女流王位の勝ち

後手番中井女流名人は飛車を5四に持ってきて、8五桂と跳ねて只で先手に桂を
取らせてから2二の角を9一に成り込みました。馬を4四に引き付けたのですが
先手清水女流王位の6六桂打ちから飛車の取り合いとなりました。先手は6六に
打った桂で5四の飛車を取り後手は馬で2六の飛車を取ったのですが、取り合っ
た後の先手の5四桂が良い位置ですね。A図は後手が9一飛車と打った手に対し
て先手が7四の歩を7三に成り込んだところ。後手は左桂が使えてないし2六の
馬も攻めにはあまり効いていません。A図から後手6九銀としますが両者承知の
手順か。▲4八玉、▽7八銀不成としてから▲6二とで、後は即詰めで投了図ま
で清水の勝ちです。これで清水も2冠となりました。中井も2冠です。一時は中
井が全冠制覇の勢いでしたがここに来て清水が盛り返してきました。まだ二人の
時代が続きそうです。


第30期女流名人位戦五番勝負第3局(2/8)

 挑戦者/女流名人  
女流王位 清水市代     2勝1敗
女流名人 中井広恵     1勝2敗

90手で後手清水女流王位の勝ち

永き日や5五龍の投了図

先手の中井女流名人は居玉のまま中央で取り合った銀を4五に打って後手陣に迫
って行きます。後手の清水女流王位は右四間飛車に構えて先手の4五の銀の攻め
をかわしておいて6五桂跳ねから5七銀打ちと強襲してA図です。強引と思える
ような後手の攻めですが清水は攻めを繋げて勝ちました。先手は持ち駒にした銀
を4五に打って後手の3四の歩、5四の歩を取るのですが後手の角にはかわされ
てしまい後が続かずに思った効果が出なかったようです。先手の飛車角と絡めて
攻めることが出来なかったですからね。あとでこの銀が負担になってしまいまし
た。先手も3四桂打ちとして攻めるのですが投了図の後手5五飛車成りで要の角
を取られてしまい、もういけませんね。


第30期女流名人位戦五番勝負第2局(1/25)

 挑戦者/女流名人  
女流王位 清水市代       1勝1敗
女流名人 中井広恵       1勝1敗

128手で後手中井女流名人の勝ち

 

先手番の清水は横歩取り、先に1敗している後手の中井女流名人は8四飛車としま
した。お互いの飛車が中段で動きながら角桂歩を絡ませて少しでも局面をリードし
ようという細かい応酬があり、駆け引きに勝ったのは中井のほうでした。
A図は後手が3四の銀を4五に出たところ。先手は飛車を1六に逃げましたが、▽
2五歩から1六歩で飛車を取られてしまいました。その間先手も右の桂馬で後手の
4五の銀を取りますが、飛車と銀の取り合いで後手に飛車を持たれてはいけません
でした。先手陣は飛車を打ち込まれて崩れてしまいまいした。A図で、先手の2七
の歩、7六の歩、8七の歩はみんな打った歩です。打ったのか打たされたのか、こ
んなにベタに打ってはまずいでしょう。先に1敗していた女流名人の中井が1番返
してこれでタイのなり面白くなってきました。


第30期女流名人位戦五番勝負第1局(1/11)

 挑戦者/女流名人  
女流王位 清水市代         1勝0敗
女流名人 中井広恵         0勝1敗

94手で後手清水女流王位の勝ち

初春や金の輝く駒の道

中井女流三冠に挑戦するのは清水女流王位です。今のタイトル数は三冠と一冠です
が、タイトルの移動があるかどうか面白い勝負になるでしょう。他の女流棋士には
もっと頑張ってもらって、どんどん二人に間に割って入って女流棋界をもっともっ
と面白くしてもらいたいのですが・・。今は中井ー清水戦が一番面白いですからね。
後手の清水は右四間飛車でした。先手の中井は玉頭に厚みを作って、歩の突き捨て
から仕掛けていきます。

A図から後手清水は▽4二金引きの妙手。何か嫌な筋があったのでしょうか、単に
手待ちだったのでしょうか。わからないですね〜。A図から先手が3六歩、4五歩
、2四歩と歩の突き捨てから仕掛けて行きます。後手の4二金は直ぐに4三に戻っ
てから3四に出ました。先手は5四歩で5三の地点を開けて角打ちの場所を作って
からB図で▲3五金としました。▽3五同金に▲5三角打ちです。飛車金両取りで
すが飛車にはひもが付いています。先に金損をしての攻めです。金損の代償をどこ
に求めるか難しいですね。飛車の活用を目指して動きますが、手数がかかりすぎた
ようです。

C図は後手が銀の効いているところに角を打ったところ。先手に飛車の成り込みや
飛車の打ち込みの隙を与えない鋭い一手でした。先手は桂を取りながら飛車を成り
込むことができれば面白いところがあったのですが。結局投了図では先手は8四の
飛車はそのまま、もう一枚の飛車も持ったまま、7六の金と6六の銀は置き去りに
されたまま攻められてしまいました。負けるときにはこんなものかなあ。清水が巧
く攻めたということなのでしょう。中井はあっさりと負けてしまったという印象で
す。挑戦者の清水がまず1勝を挙げてタイトルの行方がどうなるか面白くなってき
ました。


第30期女流名人位戦挑戦者に清水女流王位(11/19)

女流名人位戦A級リーグの8回戦が行われて、清水女流王位が1敗を守り7勝1敗
として、他に2敗者が居なくなったために最終の9回戦を残して清水の挑戦が決ま
りました。清水は先の女流王位戦で中井女流三冠を挑戦者に向かえて女流王位の防
衛したばかりです。今度は立場を替えて中井女流名人に挑戦することになりました。
中井のほうは女流王位戦で負けている清水を迎え撃つことになりました。最強の挑
戦者を相手にどんな将棋になるか楽しみです。
第1局は1月11日です。


表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦