将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第27期女流名人位戦(2001年1/7〜2/27)

 

表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦


挑戦者 女流三段 斎田晴子

女流名人     中井広恵

 挑戦者/女流名人  
女流三段 斎田晴子 3勝2敗
女流名人 中井広恵 2勝3敗

第1局 1月 7日 157手 先手斎田女流三段勝ち
第2局 2月21日 121手 先手中井女流名人勝ち
第3局 2月 4日 106手 後手中井女流名人勝ち
第4局 2月25日 106手 後手斎田女流三段勝ち
第5局 2月27日 140手 後手斎田女流三段勝ち

斎田女流三段3勝2敗でタイトル奪取


第27期女流プロ名人位戦五番勝負第5局(2/27)

 挑戦者/女流名人  
女流三段 斎田晴子 3勝2敗
女流名人 中井広恵 2勝3敗

140手で後手斎田女流三段の勝ち

挑戦者斎田女流三段が3勝2敗でタイトル奪取しました。
6人目の女流名人だそうで、今までは蛸島、山下、林葉、中井、清水とすごい名前
が並んでいます。
中井女流名人はおしいところで防衛に失敗。防衛していれば通算8期で単独最多と
なるところでしたが残念でした。(現在、中井、清水共に通算7期)

・振れば咲くさいたさいたの梅の花

       A図                 投了図

先手番となった中井女流名人は後手斎田女流三段のの四間飛車、藤井システムに対
して猛然と攻めて出る。右辺で飛車角銀桂で攻め、左の桂も跳ねて戦線を拡大して
行く。しかし後手斎田は粘り強く受けてなかなか先手に決めてを与えない。A図は
後手▽7四桂と飛車取りに打ったところ。先手はここで▲8三飛車成りの強襲。
▽8三同玉、▲8一飛車と打ち込んで勝負!だが。後手斎田、▽7二玉、▲9一飛
成り、▽8二銀、▲9四龍〜〜▲8六桂、▽8三銀打、▲9五龍と先手の持ち駒を
見ての的確な受けで先手の龍を押し返してしまう。せっかく飛車捨てで作った龍だ
がこの龍が敵陣で働けないようでは先手つらい。このあとも先手中井、後手陣にな
んとか迫ろうとするも、最後まで落ち着いて受けた斎田の前にとうとう攻めきれず
に無念の投了となった。中井の気迫の攻めを斎田が冷静に受け止めたという感じで
す。大一番での斎田は落ち着いた差し回しで力を見せ、新女流名人誕生となった。


第27期女流プロ名人位戦五番勝負第4局(2/15)

 挑戦者/女流名人  
女流三段 斎田晴子   2勝2敗
女流名人 中井広恵   2勝2敗

106手で後手斎田女流三段の勝ち

挑戦者斎田女流三段が角番を凌ぎ、2勝2敗のタイにしました。
タイトルの移動があるのかどうか、最終第5局が勝負の一局となりました。

第5局は2月27日です。

・名人の趣向を返し五局目へ

       A図                 B図

先手中井女流名人は角を7七から8六へ出て後手斎田女流三段の▽4五歩にかまわず
▲6四角と出たのがA図。後手に▽9九角と成らせる趣向です。A図から▽9九角成
▲8八銀、▽9八馬として、後手の馬は閉じこめておいて戦う作戦です。先手の角は
▲5三角成りから▲8六馬と引いて戦いは右辺に移るのですが。B図は8六の馬を▲
7六馬〜▲3二馬と金と換えて、▽3二同飛に▲2三飛成りと攻め込んだのに、後手
▽1四角と切り返したところ。このあと、▲3四龍、▽4六銀、▲3六歩、▽5七歩
と進み、先手は角切りの強襲も思いの外、龍が働かず、後手の1四角が攻めにも効い
て来て、攻守ところを変えた感じとなってしまう。最後は9八の馬も働くようになっ
て後手勝ちとなった。中井の趣向も詰め甘かったというところか。女流名人の行方は
最終第五局の勝ち負けしだいとなった。


第27期女流プロ名人位戦五番勝負第3局(2/4)

 挑戦者/女流名人  
女流三段 斎田晴子     1勝2敗
女流名人 中井広恵     2勝1敗

106手で後手中井女流名人の勝ち

後手番となった中井女流名人は先手の挑戦者斎田女流三段の四間飛車に対して、地下
鉄飛車の趣向を見せました。端(1筋)からの攻めを成功させ、2勝目をあげ、防衛
にあと1勝です。

第4局は2月15日です。

・春立つや勝ち越しの星名人に

       A図                 投了図

後手番となった中井女流名人は四間飛車対策を練って来たのでしょうか。4四角、2
五桂として、角桂香で1筋から端攻めを敢行しました。A図は端の攻めが成功した形
になっています。8七馬とこちらに馬を作り挟撃態勢ですね。先手斎田女流三段が2
六歩と突いて根本の桂を外そうというところです。しかしここから後手に▽2七桂と
絡まれて▲4九玉に▽1九桂成りとされ、▲2五歩と桂を取りますが、▽3五香と攻
めをつなげられてしまいます。A図では▲2六歩ではなく、▲7二銀〜▲6三歩成り
から▲4四角と勝負する手があったらしい。中井女流名人には作戦が功を奏した将棋
ということでしょうか。挑戦者斎田は後が無くなりました。次局に期待しましょう。


第27期女流プロ名人位戦五番勝負第2局(1/21)

 挑戦者/女流名人  
女流三段 斎田晴子       1勝1敗
女流名人 中井広恵       1勝1敗

121手で先手中井女流名人の勝ち

中井女流名人はだいぶ気合いが入っていたようです。攻め合いの将棋を勝ち、タイ
にしました。

第3局は2月4日です。

攻め合いを気合いで制し中井勝つ

       A図                 投了図

対局の前夜祭で中井女流名人が「いつも振ってばかりいないで、たまには作戦を変
えてみてはいかが」と言ったという。挑戦者の斎田女流三段はミス四間飛車と言わ
れる、四間飛車のスペシャリスト。そして34才、独身である。「男をふってばか
りいないで」ということと、「飛車を振ってばかりいないで」ということをかけて
盤外作戦というか、将棋の始まる前に軽くジャブを出したというところか。第1局
は斎田の四間飛車に破れている、連敗はなんとしても避けたいところだし、チクリ
と一刺し、先制攻撃をしかけたようだ。すごいですね〜。こわいですね〜。
先手中井は後手斎田の四間飛車に対して、6七銀、7五歩、の構えから、7九角と
引いてから2四で角交換、2五で桂交換して攻めかかる。A図は後手4五銀と先手
の歩を取ったところ。ここで先手、中井飛車取りに構わず、▲6四歩!。後手5二
銀と引くが、▲4五飛と飛車を切って、6四の歩を拠点に後手玉に襲いかかった。
中井の気迫が感じられる一局でした。


第27期女流プロ名人位戦五番勝負第1局(1/7)

 挑戦者/女流名人  
女流三段 斎田晴子         1勝0敗
女流名人 中井広恵         0勝1敗

157手で先手斎田女流三段の勝ち

157手の熱戦を制したのは挑戦者の斎田三段でした。ミス四間飛車と呼ばれる斎田
三段は今回も四間飛車で幸先良く1勝をあげました。中井女流名人は玉頭位取り
だったみたいですね。これからの女流名人の戦法も興味深いところです。

第2局は1月21日です。

初雪やミス四間飛車を祝いたる

      A図                  投了図

先手斎田三段の四間飛車、後手中井女流名人の玉頭位取りで始まった戦いはお互い
相手に決め手を与えずに、粘り強い攻め合い、守り合いとなり、長い中盤戦となり
A図123手目となる。A図は先手9一の馬を▲5五馬を引いたところ。戦いに参加
していなかった馬を好位置に引いて攻めようというところ。ここでは後手の飛車が
先手の8五桂と8六歩に止められているのが痛い。ももっともここで後手飛車が先
手陣に成り込んでいたら、もう勝負有りかもしれない。A図から後手は飛車を▽6
八飛と打ち込む。8四の飛車は9四から9七と手数をかけて、回り道を余儀なくさ
れた。▽6八飛から▲4八金、▽5七金と先手玉に迫るが一手及ばなかった。投了
図、6八飛車と先手が受けた5九金がそのまま残っているが、局後の中井女流名人
のコメントにA図で6八飛車打ちではなく、5筋から打てばというコメントがあり
ます。


第27期女流名人位戦挑戦者に斎田女流三段(12/15)

第27期女流名人位戦のA級リーグ戦で同星となった
斎田晴子女流三段と碓井涼子女流二段でプレーオフが行われ、
斎田女流三段が勝ち、挑戦を決めました。

中井広恵女流名人との五番勝負第1局は1月7日です。

清水女流三冠の出ないタイトル戦は久しぶりですね。


表紙に戻る」「将棋トップページ」「終了棋戦