将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第27期棋王戦(2002年2/3〜3/8)

 

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挑戦者 九段 佐藤康光

棋王     羽生善治

第1局 2月 3日 139手で先手佐藤九段の勝ち
第2局 2月16日  99手で先手羽生棋王の勝ち
第3局 2月25日 120手で後手羽生棋王の勝ち
第4局 3月 8日  97手で先手羽生棋王の勝ち

羽生棋王3勝1敗で防衛

 


第27期棋王戦5番勝負第4局(3/8)

  挑戦者/棋王   
九段   佐藤康光   1勝3敗
棋王   羽生善治   3勝1敗

97手で先手羽生棋王の勝ち

羽生棋王が勝って3勝1敗で防衛です。
棋王は12連覇だそうです。すごいですね。
佐藤九段は残念でした。これで王将戦に集中できるのでは。

・龍天の十二連覇となりにけり

      A図                投了図

角換わりからお互いに角一枚を持って駒組みが進んだところで、先手番の羽生棋王
は敢然と仕掛けました。4五歩、3五歩、1五歩、7五歩と次々と歩を突いて出ま
した。3五の歩は残りましたが、あとは突き捨てた格好です。続いて2四で一歩交
換してからその一歩を▲1二歩と打ちました。最初に棋譜を追って見た時には、な
んなんだこの歩はと思ってしまいました。▽1二同香から▲1一角打ちでした。
ここで羽生の駒台には何も無し。この辺の羽生の指し手は気合いが感じられますね
え〜。しかし後手に上手く受けられると指し切りになってしまいそうな攻めという
感じでもあります。羽生は強きに攻めて行きA図。▲1一銀と王手に打ったところ
です。ここでも先手は持ち駒無し。ギリギリの攻めですね〜。▽3一玉と進みまし
たが、1一玉と取って難しい局面だったらしい。▲6三角成り、△同角、▲5三桂
成りと進み、この成り桂がなんとも大きい。羽生マジックという手は無いのですが、
羽生に鋭い攻めが出ている感じです。
羽生はこれで12連覇だそうで、偉業ですね、すごい。


第27期棋王戦5番勝負第3局(2/25)

  挑戦者/棋王   
九段   佐藤康光     1勝2敗
棋王   羽生善治     2勝1敗

120手で後手羽生棋王の勝ち

羽生棋王が2勝目を挙げて防衛にあと一番としました。
王将戦のほうは佐藤九段があと1勝ですし、いよいよ大詰めですね。

第4局は3月8日です。

・春めくや後手番羽生の攻め清か

       A図                 投了図

後手番羽生棋王は四間飛車でした。先手佐藤九段は9八香から7七の角を五九に引
き、後手の6四歩〜6五歩に7七角と戻し角交換になります。A図は後手▽3六歩
に先手▲2三歩成りとしたところ。先手は交換した角を5七に打っています。後手
はここで持ち駒が角と歩一枚ですが、巧いこと手を作るものですね〜。▽2七歩、
▲同飛、から▽4九角打、▲2八飛、▽5八角成、▲同飛、▽4七金、▲5九飛、
▽5七金、▲同飛と駒一枚の攻めを続けます。そのあと▽4六飛、▲4七歩、▽4
八角からお互い飛車を取り合って、後手は5七に馬ができたのが大きいですね〜。
先手3二との金取りに構わずに羽生は2八飛と打ちます。ここで持ち駒は歩一枚。
飛車と馬とあとは6五の歩をからめて攻めて良しの読みでしょうか。すごい。手の
作り方、構想、判断などすごいなあと思ってしまいます。
佐藤にも受けの強手が出て最後までどうなるかという面白い将棋でした。
名勝負だったんではないでしょうか。


第27期棋王戦5番勝負第2局(2/16)

  挑戦者/棋王   
九段   佐藤康光       1勝1敗
棋王   羽生善治       1勝1敗

99手で先手羽生棋王の勝ち

先手羽生棋王の矢倉に後手佐藤九段は左美濃でした。いろいろやってくれるので嬉
しい。1筋の端の攻防が面白かったですね。これで棋王戦は1勝1敗、王将戦と合
わせて羽生の2勝3敗です。羽生五冠が盛り返してきて面白くなってきました。

第3局は2月25日です。

・春灯漸くに開く双つの目

       A図                  B図

先手羽生棋王の矢倉に後手佐藤九段の左美濃で始まった将棋は1筋2筋の攻防が一
段落してから中央に戦いが移り、A図は先手の5六歩打の銀取りに後手が1三桂と
飛車取りに跳ね、その飛車取りの桂跳ねに飛車を逃げずに▲2三歩成りとしたとこ
ろ。良いですね〜。こういう踏み込んで攻めて行くところは見ていてわくわくしま
す。A図のあと▽2五桂と後手は飛車を取り、▲3二と、▽同玉、▲2五桂と進み
ます。先手の5五の歩と2五の桂が残っているのが大きいですね〜。このあと後手
も8六歩と玉頭から攻めてB図、飛車角3枚で先手玉に迫りますがここで打った5
五桂がまたするどい一手。後手は▽同角と取り、▲5三歩成り、▽同金、▲5五金
と進みましたが後手は角を外されて先手玉に迫るのが難しくなってしまいました。
最後は▲5九香から▲4四金と鮮やかに詰ましました。羽生棋王の積極的な攻めが
印象的な一局でした。

       投了図


第27期棋王戦5番勝負第1局(2/3)

  挑戦者/棋王   
九段   佐藤康光         1勝0敗
棋王   羽生善治         0勝1敗

139手で先手佐藤九段の勝ち

角換わりから後手番羽生棋王が右玉に構えた将棋。先手番となった佐藤九段が積極
的に手を作って攻めて行ったというところでしょうか。羽生五冠、勝てませんね〜
巻き返し成るのでしょうか。

・右玉も勝てぬ五冠の寒さかな

        A図                投了図

角換わりから後手番羽生棋王は右玉の趣向。先手佐藤九段は銀矢倉に構えて5筋
3筋の歩の突き捨てから攻めて出ます。どうして手にしていくか難しいところで
すが1筋の歩も突き捨てて、きわどく手にするものですね〜。A図は先手1一角
成りに後手4三の桂を▽5五桂と跳ねて反撃に出たところ。ここからの羽生の反
撃を佐藤は的確に対応したということでしょう。結果羽生の2枚の桂と佐藤の飛
車が交換となります。その取った飛車を1九飛車と打った時には羽生の持ち駒は
歩4枚。先手▲7八銀と受けられて▽1五飛車成りと香を取りましたが、この飛
車が再び先手陣に入ることはありませんでした。
しかしこれで羽生五冠は王将戦から佐藤九段に3連敗。なんだか「あの羽生」が
もうなかなか勝てないんじゃないかと思わされる3連敗です。まあひとつ勝てば
状況はがらっと変わるのでしょうけれど。


第27期棋王戦挑戦者に佐藤九段(1/10)

第27期棋王戦の挑戦者決定戦が行われ、佐藤康光九段が郷田真隆棋聖に勝ち挑戦を
決めました。佐藤九段は王将戦でも挑戦を決めてをり、これは佐藤ー羽生のすごい
勝負になるでしょう。中味の濃い将棋が続くと思います。佐藤九段が羽生五冠に勝
ちタイトルを取ることができるかどうか。楽しみですね〜。羽生五冠を倒さなけれ
ばタイトルを取れないですからね〜。やっぱり羽生五冠は強いということになるの
かどうか。佐藤九段にとってはここが力の入れどころ、踏ん張りどころですね。

第1局は2月3日です。


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