将棋タイトル戦情報(かつおの尾)

第26期棋王戦(2001年2/14〜3/19)

 

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挑戦者 六段 久保利明

棋王     羽生善治

  挑戦者/棋王  
六段    久保利明   1勝3敗
棋王    羽生善治   3勝1敗

第1局 2月14日 128手で後手羽生棋王の勝ち
第2局 2月24日 123手で先手羽生棋王の勝ち
第3局 3月 5日  97手で先手久保六段の勝ち
第4局 3月19日 127手で先手羽生棋王の勝ち

羽生棋王3勝1敗で防衛


第26期棋王戦五番勝負第4局(3/19)

  挑戦者/棋王  
六段    久保利明   1勝3敗
棋王    羽生善治   3勝1敗

127手で先手羽生棋王の勝ち

羽生棋王が3勝1敗で防衛です。11連覇だそうで、これはすごい。
挑戦者として出てくる人はみんな好調、勢いのある人が出てきているわけですから。
その挑戦者をことごとく退けての11連覇はすごいです。今回の久保六段も好調の
まま羽生棋王に臨みましたが跳ね返されてしまいましたね。残念でした。次の機会
に期待しましょう。

・今更に五冠の壁の厚きかな

        A図                投了図

先手番の羽生棋王は今回は高美濃でした。4四で後手久保六段の飛車と先手の角の
交換があってから▲7七銀と上がって、矢倉になりました。A図は後手の6四の角
と先手の1八の飛車が2八で交換され▽2八同と取ったところ。先手じっと▲7五
歩と突きました。このあと後手▽2九とと桂を取ったのですが緩手にされてしまい
ました。羽生の攻めの構想がすごい。▲7四歩、▽7四同歩と突き捨ててから、 
▲3一飛、▽3四飛、▲4一角、▽4二金、▲6三角成り、▽6三同銀、▲6一飛
成りと後手玉に迫っていきます。投了図、後手の左辺の金銀3枚が置いてけぼりに
なっている。先手の7五歩〜7四歩からの玉頭攻めが成功した形だ。先手玉も追わ
れて危ないようだが、う〜む、読み切りか。羽生の緩急織り交ぜた攻めが冴えた一
局という印象です。A図のじっと▲7五歩と突きだしたところで相当先まで読んで
いて、そのように進んだのではないかと思わせるところがあります。実際のところ
はどうなのかわかりませんが。


第26期棋王戦五番勝負第3局(3/5)

  挑戦者/棋王  
六段    久保利明     1勝2敗
棋王    羽生善治     2勝1敗

97手で先手久保六段の勝ち

挑戦者久保六段待望の1勝です。後手番の羽生棋王が相振飛車にしましたね。
久保六段は対羽生戦初勝利で、次局はまた違った気分で戦えるでしょう。

第4局は3月19日です。

・啓蟄や飛車振る人にひとつ星

       A図                 投了図

後手番となった羽生棋王は相振飛車の作戦。3筋に飛車を振り、▽3六歩から一歩
を交換して▽3四飛と引く。先手久保六段の▲3七銀に▽3六歩と打って▲2八銀
とへこませるがこの後手の3六の歩が焦点になっていく。A図は先手2八の銀を▲
2七銀と上がったところ。後手の3六歩はもう先手に取られる運命だが、取らせた
ということになるのかどうか。ここから後手は4五歩から銀交換をして、6二飛車
〜6五歩と攻めるが、その間に先手は▲8四歩、▽同歩、▲8五歩、▽同歩、▲8
四歩と継ぎ歩、垂れ歩から、▲8三銀の打ち込みがきびしく、投了図の後手▽5五
角からの▽1九角成りの馬は先手の2八の銀で3六の歩を取らせたから成り込めた
馬だが一手遅れてしまった。久保の攻めが冴えた一局でした。


第26期棋王戦五番勝負第2局(2/24)

  挑戦者/棋王  
六段    久保利明       0勝2敗
棋王    羽生善治       2勝0敗

123手で先手羽生棋王の勝ち

両者穴熊でした。羽生棋王が攻め勝って2連勝です。
挑戦者久保六段はなんとか1勝をあげて、3連敗での敗退は阻止したいところです
がどうなりますか。

第3局は3月5日です。

・二枚飛車穴熊玉を粉砕す

       A図                 投了図

後手番となった久保六段は四間飛車ですが、穴熊にしました。先手羽生棋王も穴熊。
A図は後手▽3八飛と打ってきたのに、先手が▲4六角と打ち返したところ。先手
の6六金、5六銀が中央でいばってますが、そのぶん先手の下段が空いているとこ
ろを後手は飛車角を打って攻めようとします。しかしここでは後手持ち駒無し。飛
車角だけの攻めはやはり細い感じか。先手の▲4六角がぴったりの打ち返しで、こ
のあと後手は▽3六飛成り〜▽4六龍と飛車角交換をするのだが、せっかく敵陣に
打ち込んだ飛車がもったいない感じ。先手は二枚飛車で、後手は二枚角で攻め合う
も、先手の二枚飛車の威力は大きく久保六段投了となった。挑戦者久保六段は「羽
生の壁」に跳ね返されている感じだが、第3局は挑戦者の力を見せてもらいたい。


第26期棋王戦五番勝負第1局(2/14)

  挑戦者/棋王  
六段    久保利明         0勝1敗
棋王    羽生善治         1勝0敗

128手で後手羽生棋王の勝ち

タイトル戦初登場の挑戦者久保六段は当然の四間飛車でしたが、後手番の羽生棋王は
穴熊でしたね。飛車角を始め、駒の取り合いが激しい中終盤でしたが最後は羽生棋王
がきっちりと勝ち、まず1勝です。

第2局は2月24日です。

・初陣はほろ苦デビューとなりにけり

       A図                 B図

後手羽生棋王の穴熊に対して、挑戦者久保六段は四間飛車から左の銀を繰り出して、
後手陣の金と交換。その金で後手の7四の飛車を取ったのがA図。A図から羽生は7
四の金はそのままに、▽4六角と出ます。先手▲6二飛車成り、▽5七歩成りとなっ
て先手の居玉の頭にと金を作ってしまいます。ここでは後手飛車損ですが、飛車と交
換した金は7四だし、働いていないという判断でしょうか。▽5七歩成りから▲4三
飛車、▽5五銀と進んだ局面がB図。▲4三飛車もすごいが、▽5五銀もすごいです
ね〜。渾身の一手の応酬という感じ。一手指したほうが良く見える攻防です。

       C図                 投了図

しかし、玉頭にと金を作らせたのはやはり大きかったか。C図は後手から▽4八歩
▽6八歩と効かされて▲3九金、▲7九金とかわしたところ。先手陣はなんとも、
面白い、変な形になっていますね。このあと先手、角筋を生かして穴熊玉の迫ろう
としますが、届かず。最後は羽生の切れ味鋭い攻めに即詰みに討ち取られてしまい
ました。将棋ファンとしては面白い、楽しい将棋でありました。次も好局を期待し
ます。


第26期棋王戦挑戦者に久保六段(1/12)

第26期棋王戦の挑戦者決定戦は久保利明六段が郷田真隆八段を破り、2連勝でタイ
トル挑戦を決めました。久保六段は始めてのタイトル戦です。羽生棋王とのタイト
ル戦、頑張ってほしいですね。

第1局は2月14日です。


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