将棋タイトル戦情報

第15期女流王位戦(2004年10/5〜10/19)

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挑戦者  女流四段 矢内理絵子

女流王位 女流名人 清水市代               

第1局10月 5日 166手で後手清水女流王位の勝ち
第2局10月12日 155手で先手清水女流王位の勝ち
第3局10月19日 130手で後手清水女流王位の勝ち

清水女流王位、3勝0敗で防衛


第15期女流王位戦五番勝負第3局(10/19)

 挑戦者/女流王位  
女流四段 矢内理絵子     0勝3敗
女流王位 清水市代     3勝0敗

130手で後手清水女流王位の勝ち

2連敗で後が無い矢内女流四段は先手棒銀でした。後手清水女流王位は中段飛
車にして手将棋風の進行になりました。後手は9筋から手を作り先攻します。
A図は先手が6七の金で後手の7七の成桂を取ったところです。後手は8五桂
で先手の7七の金と9七の角との両取りをかけ、▽7七桂成り、▲同金のA図
で後手の攻めは一段落、先手はなんとか後手の攻めを凌いだように見えて、こ
れから攻めの手を指すことが出来るかなというところなのですが。A図から後
手は6五飛車でした。先手8八角の守りに後手7六飛車です。このあたりの指
し回しはさすがですね〜。先手8六金に後手は飛車を引きあげました。先手陣
は守りの要の金がうわずってしまい、後手に6七金打ち、7七銀打ちと空いた
スペースを衝かれてしまいました。投了図の先手玉は盤の隅で一人寂しそうに
して今シリーズを象徴する最後の絵になってしまいました。


第15期女流王位戦五番勝負第2局(10/12)

 挑戦者/女流王位  
女流四段 矢内理絵子       0勝2敗
女流王位 清水市代       2勝0敗

155手で先手清水女流王位の勝ち

先手番の清水女流王位は横歩取りからひねり飛車に。後手矢内女流四段は飛車
先の歩を交換してから飛車を深く8二に引きました。4二で先手からの角交換
があり、後手は交換した角を7五に打って、8二から8四、7四、5四と回っ
て来た飛車と角とで先手陣の玉頭に殺到しようという構えです。A図は後手が
4四の銀を5五に出て行ったところです。先手は交換した角を8二に打って駒
得を確実にしていますが後手は速さで勝負して、優勢にしてしまおうという銀
出でしょう。A図から5五で銀交換があり、後手5五同飛車に先手は交換した
銀を6七に打ちました。後手の攻め手を消した好手ではないでしょうか。この
あと中央突破は成らなかった後手は成り銀を作り、龍を作って先手玉を脅かす
のですが先手清水は適切、丁寧な対応で後手の攻めを凌ぎました。
第1局に続いての好局でしたが勝ったのはまたしても清水でした。矢内にも矢
内世代にも頑張って清水、中井を脅かしてもらいたいのですが・・。


第15期女流王位戦五番勝負第1局(10/5)

 挑戦者/女流王位  
女流四段 矢内理絵子         0勝1敗
女流王位 清水市代         1勝0敗

166手で後手清水女流王位の勝ち

今期の女流王位戦で清水女流王位に挑戦するのは矢内女流四段です。矢内はタ
イトル戦はひさしぶりの登場です。二年前の倉敷藤花戦以来です。このときは
清水に挑戦して2連敗で敗れています。今回は力強さを見せてもらいたいので
すが・・ 相掛かりから激しい中盤戦に突入。中段で一進一退の攻防があり、
A図へ。先手矢内が2五に桂を打ったところです。後手清水の1二の銀は先手
の2六香打ちに対して受けに打った銀です。こういうところに銀を使わせてい
るし、先手は上手く攻めていたと思うのですが、香先の桂は攻めの速度を鈍ら
せたようです。後手の守り金を歩打ちで吊り上げておいてからの2五桂でした
が後手は3五金、先手3四歩に後手は受けずに6五桂と跳ねて攻めを選択しま
した。先手はと金を作って攻めて行ったのですがわずかに届きません。後手は
承知の読みか、後手に手が回ったところで先手玉を詰ましてしまいました。
良い将棋、面白い将棋で、166手の大熱戦だったのですが、終わってみれば結果
を残したのは清水のほうでした。この差が大きいのでしょう。


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