将棋タイトル戦情報

   第13期竜王戦(2000年10/19〜12/26)

 

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第13期竜王戦

挑戦者 五冠 羽生善治

竜王     藤井 猛

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治 3勝4敗
竜王  藤井 猛 4勝3敗

第1局 10月19,20日  79手 先手藤井竜王勝ち
第2局 11月  1,2日 125手 先手羽生五冠勝ち
第3局 11月15,16日 117手 先手藤井竜王勝ち
第4局 11月23、24日 138手 後手藤井竜王勝ち
第5局 12月  5,6日  74手 後手羽生五冠勝ち
第6局 12月14,15日 129手 先手羽生五冠勝ち
第7局 12月25、26日 101手 先手藤井竜王勝ち

藤井竜王4勝3敗で防衛


第13期竜王戦七番勝負第7局(12/25,26)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治 3勝4敗
竜王  藤井 猛 4勝3敗

101手で先手藤井竜王の勝ち

藤井竜王が挑戦者羽生五冠を4勝3敗で退け、タイトルを防衛しました。
3連覇だそうです。素晴らしいですね。逆王手をかけて流れは羽生五冠かと思われた
のですが、羽生五冠は大一番の将棋を落としてしまいました。
将棋は羽生五冠の戦型が注目されましたが、左美濃、それも四枚美濃でした。
中央での駒のぶつかり合い、取り合いはすごかったですね。藤井竜王の攻めが印象深
い将棋でした。

七冠の夢砕け散る十二月

藤井竜王の攻めが冴えた一局でした。羽生五冠は負けたからそう見えるのかも知れま
せんが指し手がちぐはぐしている感じのところもありましたね。
中央で先手の角銀、後手の金銀が交換になり後手5五角と出て、先手9八飛と角筋か
ら逃げたところでA図、後手8六歩と突きます。先手の飛車は攻めには全然使えない
形ですし、羽生五冠は8六歩で間に合うと思っていたのでしょうか。結果として緩手
になってしまいました。A図から先手藤井竜王は▲2五歩、▽同歩と突き捨ててから
▲5六金と出て、この金を足がかりにどんどんと後手玉に迫って行きました。投了図
の先手2四歩は▲8六歩と、A図の後手8六歩を取って2四に打った歩です。なんと
後手の8六歩がやぶ蛇というか、先手に生かさせることになってしまいました。負け
る時はこんなものでしょうか。9八飛と僻地に行ってしまったような先手の飛車は投
了図で玉の守りに効いてますね〜。勝つ時はこんなものでしょうか。
王座戦、竜王戦と続いた羽生ー藤井のタイトル戦、十分楽しませてもらいました。
またタイトル戦での両者の激突を見せてもらいたい。

       A図                 投了図


第13期竜王戦七番勝負第6局(12/14,15)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治   3勝3敗
竜王  藤井 猛   3勝3敗

129手で先手羽生五冠の勝ち

羽生五冠が1勝3敗から2連勝して、とうとう3勝3敗のタイまで持ってきました。
粘り強いですね〜。将棋のほうも攻め合いの息詰まる熱戦でしたが、羽生五冠が粘り
のある攻めをつないで勝ちました。
さあ、いよいよ最終第7局が竜王位を左右する大勝負となりました。

第7局は12月25、26日です。

竜王位かけて勝負はクリスマス

後手藤井竜王が四間飛車から左の銀を4三から5四と出て、さらに6五と進出。気合い
で出たという感じがします。先手羽生五冠の6五歩に7六まで出た銀が▲7七歩に▽8
五銀と下がったところがA図。ここから先手▲2四飛と角を手にして、▲6三角です。
後手の8五の銀は7四銀と引くのですが、先手は5二角成りから飛車を1一に打って、
後手の桂香を取ることになります。後手の気合い良く出た銀は玉の守りにつくことにな
るのですが、どうだったんでしょうねえ。先手の角を働かせずに、閉じこめておいた功
はあげたが、攻めの銀の働きとしてはもう一つという感じか。先手がうまく指したとい
うことなんでしょうか。これで3勝3敗。楽しみが延びました。

        A図                投了図


第13期竜王戦七番勝負第5局(12/5,6)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治     2勝3敗
竜王  藤井 猛     3勝2敗

74手で後手羽生五冠の勝ち

羽生五冠が2勝目をあげて、踏みとどまりました。
後手羽生五冠の棒銀からの切れ味鋭い攻めが先手藤井竜王の四間飛車を粉砕しました。
これで、戦いは6局目に進みます。将棋ファンとしては7局目まで見せてもらいたい
のですが、どうなりますか。

第6局は12月14,15日です。

ふたつ目の星を得たれば温きかな

後手羽生五冠は棒銀でした。飛車を取り合って、敵陣に打ち合って両者龍を作る。A図
は後手が1筋の端を詰めて先手が1八歩と打ったところ。ここで後手羽生は▽7五歩!
私程度のへぼアマには考えつかない手ですね。▽7五歩〜▽6六馬として、先手の角の
守りへの効きを止めて、後手の馬を後手の攻めの急所に効かせてしまいました。
ううむ、すばらしい。このあと、▽5五桂から一方的に攻めて快勝です。▽7五歩は▲
同角ならば▽6六馬なんでしょうか。最後投了図の▽8三金も、なんともすばらしい決
め手でありました。藤井竜王は次局を勝ち取って防衛を決めたいところですが、どうな
りますか。先手番となる羽生五冠の戦法が注目です。

        A図                投了図


第13期竜王戦七番勝負第4局(11/23,24)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治       1勝3敗
竜王  藤井 猛       3勝1敗

138手で後手藤井竜王の勝ち

後手藤井竜王は四間飛車。先手羽生五冠は左美濃から4枚美濃、銀冠と組んで固め
たようですね。
藤井竜王はこれで竜王防衛にあと1勝です。

羽生五冠、流れを変えることができますかどうか。
第5局は12月5,6日です。

緩急に攻めて竜王3勝目

後手藤井竜王の四間飛車に対して、先手羽生五冠は金銀四枚でがっちり固めて、右翼
での戦いとなりA図。先手は角銀の駒損の交換から、▲4三銀と飛車取りに打ったと
ころ。角銀の駒損交換に加え、先手は右銀を7七に持って行ってしまっているし、右
の桂も使えてないのでは攻めに苦労する展開になってしまったいるのでしょう。
A図から後手は▽7一角成りの王手。すごいですね〜。このあと後手藤井は攻めをつ
ないで勝ち切ってしまう。藤井の攻めは踏み込むところは思い切って踏み込む。つな
ぐところは粘り強くつなぐで、力強いですね。後手藤井の攻めが印象深い将棋で、羽
生らしさは見えなかったですね。挑戦者羽生の次局に期待したい。

       A図                投了図


第13期竜王戦七番勝負第3局(11/15,16)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治         1勝2敗
竜王  藤井 猛         2勝1敗

117手で先手藤井竜王の勝ち

藤井竜王が2勝1敗としてタイトル防衛に一歩前進です。
先手藤井竜王は四間飛車でしたが、玉頭でのすごい戦いになったようですね。

羽生五冠の巻き返し成るか、
第4局は11月23,24日です。

玉頭を飛び交う銀桂秋の陣

難しい将棋でしたね〜。私の棋力では何がどうなっているのか良くわかりません。
羽生五冠の「1二香が・・・」と言っていたのも、難しい。他にどんな手があった
のか見当もつきません。しかし玉頭での攻め合いは濃いせめぎ合いで、迫力ありま
した。A図は先手藤井竜王▲3五歩と突いて戦いの始まったところ。後手羽生五冠
が8一の飛を8四に浮いた瞬間に3五歩と突きました。8一の飛車はひょっとした
ら1筋、2筋に回ることもあるのかな、と思われたのですが・・・
▲3五歩から▲3四歩、再度の▲3五歩でここに拠点を作ったのは大きなポイント
でした。先手の4七の銀は5六から引いた銀で、3五歩と突く前に引いています。
この後3六銀と出て、玉頭戦に参戦。威力を発揮しました。この左銀の繰り替えも
先手の構想がねらい通り行ったという感じがします。

        A図                投了図


第13期竜王戦七番勝負第2局(11/1,2)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治           1勝1敗
竜王  藤井 猛           1勝1敗

125手で先手羽生五冠の勝ち

羽生五冠が勝ち、1勝1敗としました。
熱戦だったようですが、後手藤井竜王は四間飛車での負けとなりました。
初戦は三間飛車で勝ち、本局は四間飛車で負け、次局の藤井竜王、どうしますか、
注目です。

第3局は11月15,16日です。

羽生、急戦で藤井の四間飛車を破る

中盤からの先手羽生五冠の攻め、後手藤井竜王の受けが、粘っこい攻め、粘っこい
受けで見応えのある攻防でした。好局でしょう。A図から先手羽生、なんと▲3四
歩と突いて、この歩を間に合わせてしまう。それも、後手に4九に打たれた飛車を
5八の金を5九と引いて、しかっておいた効果か。先手玉に迫るには相当手数がか
かる局面になっている。後手の▽3七角成りから、▽5五香打ち、▽5九香成り、
▽6九成香は間に合わずに、先手に攻めきられてしまった。

       A図                 投了図


第13期竜王戦七番勝負第1局(10/19,20)

 挑戦者/竜王  
五冠  羽生善治             0勝1敗
竜王  藤井 猛             1勝0敗

79手で先手藤井竜王の勝ち

竜王戦が始まりました。挑戦者は羽生五冠です。竜王と五冠王の対決、どちらが強
いのか、はっきりさせてもらいましょう。
第1局は中国・上海で行われ、79手の短手数で先手番の藤井竜王が勝ちました。
藤井竜王は四間飛車ではなく、三間飛車でした。次局はどうなりますか、興味深い
ところです。

第2局は11月1,2日です。

藤井、三間飛車で勝つ

先手藤井竜王の三間飛車に後手羽生五冠は右の銀を出て、先手の飛車角にプレッシ
ャーをかける。A図の7四銀は8五に居た銀である。8五まで出た銀を引いて立て
直そうという銀であったが、先手の7五歩打ちに8三銀とへこまされてしまった。
羽生五冠はこの銀について「意外と成果が無く、思わしい攻めがありませんでした」
と話している。なにかこの銀を生かせるような手順がありそうな気はするのだが、
うーむ、どうだったのだろう。A図のあと、▽8三銀、▲6五飛と進み、先手藤井
はこの飛車を切って攻め。後手陣をバラバラにしてしまった。藤井圧勝の一局であ
った。

       A図                 投了図


・竜王戦挑戦者に羽生五冠(8/31)

第13期の竜王戦、挑戦者決定戦の3番勝負は8月31日第2局が行われて、後手
羽生五冠が先手佐藤九段を破り、2連勝でタイトル挑戦を決めました。
先手佐藤九段が居飛車穴熊、後手羽生五冠が四間飛車の戦いを90手で先手の穴熊
玉を寄せきりました。
これで、羽生五冠が藤井竜王に挑戦です。第1局は10月19,20日です。

羽生ー藤井戦は今、羽生王座に藤井竜王が挑戦して、第1局が行われたところで
すが、王座戦、竜王戦と続けて10番勝負くらい戦うことになりそうです。
中身の濃い、面白い将棋を見せてもらいたい。


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