将棋タイトル戦情報

第12期大山名人杯倉敷藤花戦(2004年11/2〜11/29)

 

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挑戦者  女流名人、女流王位 清水市代

倉敷藤花 女流王将      中井広恵

第1局 11月 4日  93手で先手清水女流二冠の勝ち
第2局 11月28日 113手で先手中井倉敷藤花の勝ち
第3局 11月29日 125手で先手清水女流二冠の勝ち

清水女流二冠、2勝1敗で奪取、三冠に 中井倉敷藤花は女流王将一冠に


第12期倉敷藤花戦三番勝負第3局(11/29)

 挑戦者/倉敷藤花  
女流二冠 清水市代 2勝1敗
倉敷藤花 中井広恵 1勝2敗

125手で先手清水女流二冠の勝ち

1勝1敗となり、第3局は第2局の翌日直ぐの対局です。先手清水女流二冠の横歩
取り、後手中井倉敷藤花は飛車を8四に構えました。両者の飛車が中段で激しく左
右に動く将棋になりました。A図は陣形が煮詰まって先手から4六に居た銀を5五
銀とぶつけたところです。中盤戦突入というところですがもう73手目です。ここま
で細かい駆け引きがありました。5五で銀交換のあと後手9五歩、先手2四歩後手
同銀があり、先手が5五の歩をじっと5四歩と突き出したのがB図です。機敏な歩
突きですね〜。B図から後手5七歩、先手4八玉があり後手9六歩に先手7五角、
後手3一玉に先手は5三銀打ちでB図の5四歩が活きた展開になりました。そうい
うふうに持って行ったのでしょうけれど、値千金の歩になりました。先手5三銀打
ちのあと後手3三角でしたが先手は6四銀成りとしてはっきり優勢となりました。
後手は7五飛車で飛車角交換ですが先手は5三歩成りを間に合わせて7一飛車打ち
で龍も作り、収束となりました。清水のじっと突いて出た5四歩が効いた将棋でし
た。女流棋界を引っ張る二人は両者二冠ずつの保持でしたが、これで清水が三冠、
中井が一冠となりました。


第12期倉敷藤花戦三番勝負第2局(11/28)

 挑戦者/倉敷藤花  
女流二冠 清水市代   1勝1敗
倉敷藤花 中井広恵   1勝1敗

113手で先手中井倉敷藤花の勝ち

後手版清水女流二冠は右玉でした。先手中井倉敷藤花は矢倉模様から7七を空けて
8八の角の睨みを利かす布陣です。A図は後手が桂を6五に打ったところです。先
手後手共に馬を作って桂を使って相手玉に迫っています。図の桂打ちは金取りです
が先手はかまわずに4三桂成りとします。後手も先手の攻めを横目になんと4六歩
と、我が道を行くの応酬となりました。どっちが先に行き着くのかどっちが勝って
いるのか熱い戦いとなりました。▽4六歩のあとは▲5二成桂、▽同銀に先手7三
銀打ち、後手同玉、先手5二馬で先手の有利がはっきりしました。後手も5七桂不
成りとしますが単発の攻撃に終わりました。両者、迫力のある手の連続で、好局、
熱戦だったと思います。さすがは女流トップの二人の対局、面白いですね〜。


第12期倉敷藤花戦三番勝負第1局(11/2)

 挑戦者/倉敷藤花  
女流二冠 清水市代     1勝0敗
倉敷藤花 中井広恵     0勝1敗

93手で先手清水女流二冠の勝ち

挑戦者に清水女流二冠が出て来て女流二冠同士のタイトル戦となりました。先手清
水女流二冠は横歩取り、後手中井倉敷藤花は飛車を8四に構えました。先手の清水
がとにかく積極的に攻めにでます。飛車角銀桂に歩を絡めて2筋3筋からどんどん
と攻めて行ったのがA図です。図は先手が3三歩と打ったところ。この前に2四歩
で後手銀をそっぽに行かせて後手の守りの要の金にねらいを定めて歩を打って行き
ました。とにかく積極的です。その積極的な手を指せるというのも手を作って行く
のが上手いという面もあるのですが。A図から先手はと金を二枚作って、一枚を敵
金と交換します。しかし後手も7五歩で先手飛車を9六に追いやってから5七歩成
りで反撃に出ます。後手の反撃も迫力ある攻めでしたが途中で2三銀と、先手のと
金を消すのに一手掛けています。投了図まで後手の攻めはあと一歩でした。
先手清水の積極的な攻めが功を奏した一局でした。


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