2000年10月7日(土)紅葉の姥ヶ平、無名の池

   今日は那須に着いたのがお昼になってしまったので、登山ができるのは午後だけです。
半日コースでもすてきなコースを前もって選んでおきました。
姥ヶ平です。今年の8月14日に南月山に行った時に、「気持ちの良い尾根」から下に木道と小さな池が見えました。地図を見ると、姥ヶ平とありました。また、西側から峰の茶屋跡を回るコースに"延名水"という名水があります。ロープウェーを利用すれば山頂駅からそれをぐるっと回ると約3時間かかります。ちょうど良いコースですね。

 

別荘を12:30に出発しました。ロープウェーで山頂駅に着いたのは13:05になってしまいました。帰りのロープウェー最終は16:25です。与えられた時間は3時間15分です。何とかなると思い、姥ヶ平に向かいました。

13:25に途中の牛が首に着きました。予定通りの時間です。快晴で、茶臼岳の噴煙も良く見えます。栃木県で唯一の活火山であり、活発に硫黄ガスを噴出しています。絶好のトレッキング日和です。




左の写真は、西の下の方に見える姥ヶ平です。今日の目的地です。すでに紅葉で染まり、大変楽しみです。牛ヶ首では休憩をせず、わくわくして先を急ぎました。










姥ヶ平が近づいてきました。赤く紅葉しているのは、モミジ、ドウダンツツジそしてナナカマドです。黄色はカバ類やナラ類です。









13:40に姥ヶ平に着きました。左の写真を見てください。きれいに紅葉し、その向こうに見える茶臼岳と青空のコントラストがすばらしいです。思わず見とれてしまいました。
ここには木製のテーブルと椅子があり、ゆっくりと昼食のおにぎりをとりました。おもわず時間を忘れてのんびりしてしまいました。







次に木道を歩いて、池に向かいました。行き先表示板には、単に"池"とだけ書いてあります。あるガイドブックには、"無名の池"と紹介されていましたのでそう呼ぶことにします。"無名の池"を目指して木道を行きます。眺めがすばらしいので、何度か踏み外しそうになりました。知る人ぞ知る眺望であり、ここから茶臼岳方面を写真に取っている人が数名いました。











しばらく行くと、お目当ての池がありました。紅葉と茶臼岳が池に映り、これが本日のクライマックスでした。午後に来たのは好都合であり、東に見た茶臼岳と紅葉に西日が当たります。もしも午前中に来たら逆光でした。しかも紅葉もきれいであり、ラッキーが重なった登山でした。

そうこうしている間に、いつのまにか14:10になってしまいました。これはまずい!あと2時間15分で、最終のロープウェーの時間です。時間的にはぎりぎりです。急げば何とかなると判断し次に向かいました。しかしこの判断は、後でたいへん甘かったと反省することになります。



14:40に、三斗小屋温泉と峰の茶屋の分岐点に着きました。急いだのに標準時間を縮めることができませんでした。かなり下ってから登ってきたことを考えると、地図の標準時間30分は厳しすぎると言わざるを得ません。途中には、きれいな水ばありますが、せめて汗だらけの顔くらい洗いたいものです。でもそんな余裕なんてありません。

あと1時間45分しかありません。地図では、ロープウェー山頂駅までの標準時間も1時間45分です。ということは、休まず歩き続けなければなりません。しかもここから峰の茶屋跡へは急な上りです。休憩もできないまま、やむを得ずとうとう走り出しました。ロープウェーに間に合わない場合は、峰の茶屋跡で別の長い下山コースに変えなければ帰れません。とりあえず峰の茶屋跡までがんばって、その時の時間でコースを選択することにしました。


左の写真は楽しみにしていた延名水ですが、ひとくちだけ口に含んだだけで、先を急ぎました。途中厳しい上りで、ひざがガクガクになりました。









やっと峰の茶屋跡に着いたのが15:10分です。あと1時間15分です。ここでやっと余裕時間が15分だけできました。1時間小走りで上り続けましたので、体力は限界です。左のひざが痛くなって、ストックでかばいながらここまで急いできました。

峰の茶屋跡で5分間だけ休憩し、また走りました。ここからはあまりアップダウンのないことが救いです。





もうすぐロープウェーの駅です。へとへとに疲れましたが、やっと気持ちに余裕ができました。太陽もずいぶん西に傾き、突然思ってもいなかった風景に出会いました。草原には白い穂がたくさん出ていて晩秋の様相であり、そこに逆光できらきら輝いていました。まわりには数人いましたが、「きれいだねー。」と感動していました。


やっとロープウェー山頂駅に着きました。時間は最終ぎりぎりのはずです。ところが山頂駅を見て唖然としました。今日は10月ハイシーズンの土曜日です。なんと下りのロープウェーに乗る人が長蛇の列です。駅の人が最終を16:45に延長するとマイクで説明していました。こんなに急ぐ必要はなかったわけです。休憩したのは姥ヶ平だけで、それ以外は息を切らして急いでいました。複雑な、何とも言えない気持ちで列の最後尾に並びました。反省は次の点です。


(1)地図に書いてあるポイント間の標準時間には、休憩時間は含まれていない。
(2)標準時間自体もそんなに正確ではない。

今回もいろいろ勉強になりました。