C.ドビュッシー音楽のカオス的構造
前奏曲集 第1巻:第7曲 “西風の見たもの”大阪音楽大学 研究紀要 第37号 (1998)
Chaotic Structure of Debussy's music
Preludes I: "Ce qu'a vu le vent d'ouset"村井晶子
アブストラクト
本稿は、紀要36号において“Voiles”の分析に新たに導入した分析手法、要素群の分類、ならびにそれらをもとにしたメタ構造が、同じ前奏曲集の第7曲“...Ce qu'a vu le vent d'ouset”(西風の見たもの)においても妥当することを論じ、さらに、メタ構造について、“ゆらぎ”の構造を包含する“カオス”構造を導入することによって、作品の理解が深まると同時に、一般化されることを示すものである。私たちの導入した分析手法が、一般性のあるものであり、さらにメタ構造の概念がより拡大される可能性を探ることを目的とする。