3.ODP『HK6−MX300−L』について



−HK6-MX300-Lとは−

外観 ODPの裏側

 CPUにAMD社のK6-U-300MHz(分解して確かめたわけではない)を使用し、下駄にHK6LCL−AA型番のものを用いたメルコ社製オーバードライブプロセッサ(ODP)である。

 この製品について、メルコのカタログやホームページでは一切のアナウンスがない。HK6-MXシリーズは、末尾がN型番(つまりN下駄使用)の物のみである。秋葉原のソフマップ中古センターしか見かけなかった白箱でもあることから、このODPはメルコがバルクとして流した物ではないだろうか。

 説明書にはPC9821シリーズへの取り付け方しか記述がない。もちろんユーティリティも98シリーズ用の物しか同梱されておらず、完全なNEC PC9821用であることが窺われる。

 次に下駄の部分をもう少し詳しくみてみる。

−HK6LCL-AAについて−


 それぞれ拡大してみると、下駄には「KPC−R」と「HK6LCL−AA」と表示が書き込まれている。ODPの型番はシールで張り付けられているので、他の下駄などから推測すると、「HK6LCL−AA」が下駄の型番であろう。

 この下駄には写真からみてもわかるように、丸で囲んだところ以外に設定スイッチがないことがわかる。ここで倍率を切り替えている。残念ながら電圧の変更スイッチはなく、2.2V固定である。

−下駄の倍率設定について−

 ディップスイッチの設定を変えてみて、自分なりに調べてみた。もしこの内容をみて設定を変えてみようと思われる方は、CPUが壊れないとは断言できないので自分の責任で行ってほしい。

 スイッチ(SW)は1〜4まであるが、SW4は使われていない模様だ。そこで、次の表のようになった。

倍  率(Base66MHz) SW1 SW2 SW3
 2.5倍(166MHz) on on off
 3.0倍(200MHz) off on off
 3.5倍(233MHz) off off off
 4.0倍(266MHz) on off on
 4.5倍(300MHz)デフォルト on on on
 5.0倍(333MHz) off on on
 5.5倍(366MHz) off off on
 6.0倍(400MHz)推測値 on off off


 このうち6.0倍に推測と書かれているのは、テストでは動作しなかったからであり、おそらくとしての設定法だと考えてほしい。私のテスト環境では、K6−Uはクロック耐性が低いと言われているにもかかわらず、5.5倍の366MHzまで問題なく動作した。

 製品による個体差があるので断定できないが、この製品はクロックアップしてみる価値のある物だとはいえる。もしかしたら、たまたま耐性のあるK6−U(私のは後期型)だったのかもしれないし、実はK6−U−366MHzが積まれているかもしれない(ほとんど可能性はないが・・・)。

 いずれにしても、楽しめる製品である。

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