ケニー・バレルというとブルーノートに沢山のアルバムを残しているが、特にこれだ、という代表作が選びにくいのも特徴だと思う。演奏を突き詰めて行くタイプではないだけに、レーベルカラー的にはわたしは、プレスティッジやヴァーヴ等における普段着のよりリラックスしたプレイのほうが好きだ。彼の演奏は洒落たフレーズだとか、ブルージーな雰囲気が魅力なのである。このアルバムの1曲目は同郷のサイドメン共々まさにその魅力にあふれている。ピアノのトミー・フラナガンも最高で絶妙のサウンドを醸しだしている。そういえばこのころのトミフラはあらゆる名盤に名脇役として名を連ねていて、名盤を名盤たらしめている。