発行日:98年9月26日(土)
発行:守山リス研事務局

リス研通信 No.593

92〜97年の6年間に渡る給餌活動の分析について

[グラフ:92年の月次クルミ消費量]

1992年

[グラフ:93年の月次クルミ消費量]

1993年

[グラフ:94年の月次クルミ消費量]

1994年

[グラフ:95年の月次クルミ消費量]

1995年

[グラフ:96年の月次クルミ消費量]

1996年

[グラフ:97年の月次クルミ消費量]

1997年

[グラフ:6年間の月次クルミ消費量(合計)]

合計

1. 分析データについて

  1. ここに紹介するデータからできるだけ正しい洞察や事実を導きだし、誤解や誤りを排除するようにするためにデータの実態をまず把握し、明らかににしておくために記載。

  2. 給餌されたクルミのリスによる消費量には、真にリスにより食べられた数量と食べられずに貯食された数量、ネズミやカラスに持ち運ばれた数量(極めて少ないと推定)などが含まれている事。

  3. 上記のリスによる消費量は、給餌により投与された後、減少した数を記録したもので、減少した数量だけ追加した。

  4. 年毎の給餌回数は一定でなく、93-95年と96-97年では、次第に給餌回数は増えている事。

  5. そのため、給餌の実数より「年間当たりの月別消費割合」をグラフにして、給餌回数の大小による差を無くして、消費行動の真の傾向・パターンやそこに隠された意味や暗号を浮かび上がらせたいと考えた。

  6. いろいろ分析しにくい要素が混在しているが、そういったデータから俯瞰的・大局的に眺めた視点を持って出来るだけ、事実として言える事を掘り起こしたいと考え、検討してみました。皆様のご意見やアドバイスあれば、よろしくご連絡ください。

2. 分析結果

  1. 92年給餌開始して6ヶ月で、リスに認知されたことが分かる。(野田清水公園の知恵でクルミ の実を給餌台に毎回なすりつけ匂いをつけた)

  2. 93年〜94年と95〜97年と消費割合パターンが異なるが、4-5月と10月が、11%を占める「山」となっており、7-8月が5%以下となる「谷」となっている事はおもしろい。

  3. 93年から95年は、3年で大きな2つの山をなしている事がわかる。93年7月から94年7月にかけての山と94年7月から95年8月の山である。またバラツキの幅が18%〜2%と大きい。一方、6-97年は、似た消費パターンでかつバラツキの幅が11%〜5%の間で、平均化してきていることがわかる。この事から、93-95年から96-97年の間にリスの頭数が増えて、消費が年間を通じて均一化してきたのではないかと推定される。

【今後は、なぜ7-8月の夏になると消費量が減少するのか(栃木井頭公園のデータでも同様)を調べて行きたいと思っています。】



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