旅3日目です。今日はGRAND CANYONに出かけます。私は8年前にはセスナでGRAND CANYONに行きました。
今回はセスナを嫌いな人が多かったため、バスで行くことになりました。さて、8年ぶりのGRAND CANYONはどうでしょうか・・・。

11月23日(火)

 今日は6時起きだった。おいおい、私は普段8時半に起きてるんだぞー。(自慢にはならないが。)眠い目と、すっぴんの腫れぼったい目をこすりつつ、適当な化粧をして、髪のハネをニット帽で隠しつつ、ホテルロビーの集合場所に急ぐ。今日行く場所はバスツアーでGRAND CANYONだ。仕入れた情報によるとこちらよりは4−5℃温度が低いらしい。私たちはいわゆる「完全防備」で(私はバッグに「ホッカイロ」まで忍ばせている)ツアーの集合場所でツアコンの兄ちゃんを(兄ちゃんとは限らないのだが、希望を込めて)待っていた。するとものすごい長身のお兄ちゃんが近寄ってくる。どうやら彼がツアーのとりまとめらしい。私たちは兄ちゃんが運転してきた小さなバスに乗り込むべく、外へ出た。外は・・・寒い!!早朝のせいもあるのだろうか、ものすごい寒さである。兄ちゃんも長身でスリム、アメリカ人とはいえ、寒いのだろう、足踏みをしながら外で残りのツアー客を待っていた。私たちはもちろん外で待つなんてことはせず、バスの中で暖房の恩恵にあずかりながらぬくぬくと待つ。バスの止まっている場所は他のツアーの人たちもいるようで、何人かのアメリカ人がいたのだが・・・息が白くなるこの気温の中、またもや「半袖短パンチーム」を発見。・・・もう何も言うことはない。ツアコンの兄ちゃんもその「チーム」を見てただただ首を横に振っている。アメリカ人も様々である。

何分か待った後、どうやら待ち人来たらずだったらしく、兄ちゃんはバスを出発させた。全くどこのクニにも時間を守れないやつというのは必ず存在しているモノだ。そういうのは待たずにすぐに出発すればいい・・・というわけにはやっぱりどこのクニもいかなかったらしい。出発時間よりおそらく20分ほど遅れてバスは出発。GRAND CANYONへまっすぐ出発〜!!と思いきや、町外れの建物の中に案内された。どうやらここで全ての場所からのツアー客を一度集めてから出発するらしい。今回のバスツアーは英語専用ツアー。全て父任せ。かわいそうな父である。
父にツアーの決まりや概略を聞き取ってもらう。私たちのツアーは「紫シール」が配られると言うこと、あとで紫チームが呼ばれたら、その呼んだ人についていくと言うことが分かる。それまではbuffetで食事をとれ、ということ。朝食までついてるなんて、なんてラッキー。ウキウキとその場所へ急ぐ。しかし、buffetとは名ばかり、単に甘そうなパンとマフィンがおいてあるだけ。しかも1個しか取ってはいけないらしい。しかたないので、マフィンを一個取り、例の味のしないコーヒーをついで、朝食をとる。・・・まあ、こんなもんでしょ。

朝食を食べて5分ほどすると、紫シールを呼んでいるおっちゃんが見えた。ああ、今日はコノヒトにずっとお任せなのね。これまた長身のおじさんに導かれるままに、さっき乗ったよりはずっと大きなバスに乗り込む。おじさんツアコンは本日の日程をガンガン英語でまくしたて、出発した。いってきまーす。バスが出発して程なく、私と妹は眠気に襲われた。昨日あれだけ遊んで帰ってきて、今日は6時おきである。ツアコンのおじさんのまくし立てるような英語がとてもいい子守歌・・・だ・・・だめだ、おやすみなさい・・・・。

何分くらい経ったのだろうか。目が覚めてみると町並みは消え、周りには岩、岩、岩・・・。山、山、山・・・。ありゃりゃ、もうGRAND CANYONについちゃったの?っていうほどの眺めとなった。でもそれはまだまだ序の口だった。私たちは「フーバーダム」というダムに着いたのである。このダムはそのほとんどが砂漠であるネバダ州の貴重な水資源である。あの美しいラスベガスのネオンサインもこのダムのおかげだという。まさに「命の水」がここにあるのである。やっぱり「黒部ダム」よりはかなりでかいなー、などと寝ぼけたことを思いながら、車窓からの眺めを楽しむ。ツアコンおじさんが、ここで5分の下車タイムをくれると言うことなので、降りてみる。お日様が大分上の方へ昇ったせいもあって、とても暖かくなってきた。どうやら「ホッカイロ」の出番はなさそうだ。いやいや、まだまだ↑に登るんだから、油断は出来ない。5分の下車タイムはあっという間に終わり、私たちはバスの中へ戻った。さあ、いよいよGRAND CANYONへ向けて出発である。

  
       フーバーダム。いい天気で水の青さがよく見える。               フーバーダムの上からの眺め。             

バスに戻ると私と妹にまたもや眠気が襲う。そしてまた眠る眠る・・・・。次に着いたのは昼食のbuffetの場所。まだなのかな?GRAND CANYONは?とにかく腹ごしらえ。でもなー、朝のあの様子を考えると期待はまったくできない。でもおなかも減ってるし・・・。食えりゃいいや。私たちは飢えたハイエナのような気持ちになってbuffetへ向かった。今度のbuffetはきちんとおかずもある。・・・よかった。でも、美味そうなものはなにもないなあ・・・。と思っていたら、トマト味に煮込んだ模様のチキンが・・・。あ、あれはうまそう。。。あれを食って満足しよう・・・。ちょっと楽しい気持ちになった。でもそれはつかの間の喜びだった。私の前の前の白髪の白人女性のところでそのチキンは終了〜!!ガーン。そっそんなあ・・・。淡い期待を抱いてチキントマトの入っていた器のそこをほじってみるが、出てくるのは付け合わせのタマネギばかり。かなしーー!!しょうがないので、その隣に置いてあったカロリーの高そうなフライドチキンで我慢することにする。そして飲み物はアイスティーを頼んだら、例によってビール大ジョッキ並みのコップにつがれてきて、当然ピッチャーのおかわりつき。ふん、どーせ、アイスティーと言う名の「半透明な茶色の水」だろう、と思っていたら、案外味がする。味がしただけでうれしくなる。私の舌も落ちぶれたモノである。いや「アメリカナイズ」されたとでも言おうか。
フライドチキンは思ったよりも美味しかった。ふん、チキントマトよりこっちの方がオイシイにちがいないや!!・・・・負け惜しみばっかりが強くなったランチだった。

さて、ランチを終えて、ほんの15分ほどバスで移動したところが、いよいよGRAND CANYONの入り口である。ここにバスで入るにはなんと$300もかかるそうである。自然を守るために簡単には入れないようにしているのだろう。こういうところは本当に欧米には頭が下がる。尾瀬にあった美しい風景を簡単に人を入らせて死滅寸前までに追い込んでしまった日本人とはえらい差である。門をくぐってしばらくすると駐車場に出た。第1展望台がここにある。ああ、記憶がよみがえってきた。8年前もここで降りて展望台から眺めたっけ。さっそく8年ぶりの展望台へ急ぐ。

GRAND CANYONは8年前と何も変わりはなかった。相変わらず雄大で美しく、静かにそこにあった。初めてこの眺めを見たとき・・・自分の中の何かが変わったような気がした。ここには自然だけがある。しかも人間が計り知れない姿でそこに静かに存在している。何一つ人工がない世界。それなのにこんなに人を感動させ、惹きつける。小さな事にこだわるのがすごくくだらないことに思える。そんな気持ちにさせられた。今またここに来て、あのとき感じたあの気持ちをまた呼び覚まさせられる。会社に入ってからの辛かった日々。くよくよと小さな事に捕らわれていた自分が今ここでまたさらさらと流れていってしまい、新しい大きな道が開けていくような気がした。新しい道を選択した私にぴったりの場所だった。GRAND CANYONは雄大なアメリカを象徴する眺めだろう。あえて説明はしない。写真ではその姿の1/100,000も表せないが、私のつたない言葉で語るよりは多くを語ってくれるはずだ。ここを見てくださったお礼に雄大な眺めを少しでも味わっていただきたい。 

このあと第2、第3展望台と行くのだが、やはり説明はせず、美しい壮大な眺めだけを紹介させてもらう。

 
遠くまで見渡した眺め。ワイドでないのが残念。

  
CANYONの断崖絶壁。ほとんど柵もないのが恐ろしい。

 
下の方に見える筋(写真真ん中あたり)はCANYONの中腹へ続く道。

すっかりGRAND CANYONに魅せられた後、日は傾いてきた。あとはバスに戻りSTRIP(ベガスのメインストリートをSTRIPという。)にもどるだけである。美しい夕日を横目に帰りのバスの中は全員ぐうぐう。ほとんど何も覚えていないくらいガンガンに寝てしまった。しかし、もうすぐSTRIP、というところで目が覚めた。なんと美しい。郊外からのSTRIPの眺めは最高。1日目に知人のお宅から見せてもらった眺めとはまた違った美しさだ。すごいなあ、なんか昼は自然の美の最高のモノを、夜は人工美の最高のモノを見せてもらっている。贅沢きわまりない。


帰りの車窓から見た、夕日のショー。日本ではあまり見られることのない地平線へ沈む夕日が美しい。

ツアコンのおじさんによるとどうやらバスはストリップに戻る前に一度down townに寄ってくれるらしい。そこで降りたい人は降りてもいいよ、ということだった。まだDOWN TOWNに行っていない私たちはそこで降りることにした。DOWN TOWNには5年ほど前に「The Fremont Street Experience 」 と呼ばれる電球を天井にちりばめた超豪華ハイテクアーケード街に変身したらしい。なんやら商店街のアーケードのようなものに映像を映すという、今まで見たこともないようなショーを見せてくれるとか。さっそくそのアーケードに行ってみる。着いてみると・・・ここは日本か?日本人が大挙していた。全員「林家ぺーぱー」夫妻のようにカメラをばちばち。フラッシュで視界が真っ白になるくらいだった。ここってなんか日本人受けするらしい。「FREMONT STREET」は私が8年前に見たDOWN TOWNとは全然違うものになっていた。なんか昔のDOWN TOWNはもっと下町情緒あふれるというか、庶民的だったのだが、今はミニ・STRIPみたいになってしまった。ここを変身させたのはストリップに客を取られた(ってかくとなんか下品な感じがするが)DOWN TOWNの起死回生の策だというので、時代の流れなのかもしれないけど、DOWN TOWNはそのままでいて欲しかった気もするなあ。

 
「FREMONT STREET」のX’MASツリー。とってもきれい。  DOWN TOWNの様子。日本人率70%くらい。(笑)  

 

 ここDOWN TOWNにはSTRIPにはないこじんまりとしたホテルがたくさん並んでいる。
その中でもひときわ目立つのが「GOLDEN NUGGET」というきんきらきんのホテルだ。
入り口から出口まで全てキンキラキン。悪趣味といわれればそれまでだが、目を引くことは
確か。後で聞いたところによるとこれも「MIRAGE」グループの経営らしい。ほんとにまったく
いったいどんな人なのだろうか、この経営者?



  GOLDEN NUGGET(左)

 そうこうしているうち荘厳な音楽とともに「The Fremont Street Experience 」という
ショーが始まった。アーケードの天井に映像が映し出され、音楽と光線のショーだ。
テーマとしては宇宙飛行船がある緑の惑星に不時着して、いろいろ楽しい思いをした後、
飛行船が直って帰っていくというものだった。未来版浦島太郎というところだろうか。
さすがDOWN TOWNが起死回生をかけて作っただけあるなかなか見応えのあるショー
である。終わった後はおきまりのアメリカ人による口笛指笛の嵐。地味な反応の日本人が
多かったけど、それでもやっぱりアメリカだった。(笑)

                                                                      「The Fremont Street Experience」なかなかすごいショー。

 このあとおなかが減ったのでSTRIPに戻る。これ以降も本日のイベントは続くのである。とても長くなってしまいそうなので、ページをわけたいと思う。今回はここまで、さて、夜ご飯は何になるのか・・・。おたのしみ。(第3日目ナイトに続く)

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