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参  私にも言わせて 参

 6月25日の朝日新聞は政治時評で二人の対談記事を載せている。政治が変わる、そんな期待をいだかせた政権交代から2年足らず。期待とは裏腹に、国民の間には政治への不信が広まるばかりだ。いったいこんな政治にだれがしたと。宇野東大教授は「政権交代で高まった政治の変革は鳩山、菅両政権の迷走を経て、すっかり冷めてしまいました。3.11以降、危機に直面して今こそ政治が立ち直る機会と期待したのですが、むしろ状況は悪化しています」と述べている。
 しかし今日の状況は悪化だけにとどまらず、自民党の長期政権への失望から辛くも脱したと思われた政権交代が、こんなていたらくでは政治への不信は正に極まったといえるのではないか。さらに宇野教授は「日本の政治はもはや先進国の政治とは呼ぶに値しない有様になった」と断じている。
 中央政治がそうなら地方の政治も似たり寄ったりの様相を示している。その象徴的な現象が、今春行なわれた地方統一選挙における無競争当選(道内)の増大だ。その中でも特に町村長選、町村議選は2,007年選挙に比較して町村長選で5、町村議選では実に15も無競争選挙が増えている。また市議選、道議選も若干ではあるが増えている。これは政治不信というより政治無関心と言えるもので、不信は関心はあるが信用できないというものだが、無関心は関知しないというものである。今流に言えば「別に」ということだから民主主義そのものが危機に瀕していると言っても過言でない。
 当市は市長・市議選共に無競争当選で、かつての活況のある選挙戦はついぞ見ることができなかった。どの候補者が何を考え、何をしたいと思っているのかまったくわからないままこれからの4年間の市政をまかせるのだからやりきれない。こんな場合信任投票でもして有権者の意思を確認する方法はとれないものかと思う。
 最近街で「今は市会議員の噂さえ聞こえてこない」と自嘲気味に話しているのを聞いた。現職にはもっと頑張ってもらいたいが、OB議員の知恵も出してもらい政治への関心がこれ以上薄まらないよう奮起を期待したい。  参