野鳥録音
〜機材選び編〜

バードウォッチングに行って、初めて聞く鳴き声が聞こえるが姿は見えない!

こんな場面に遭遇した時、鳴き声の特徴を一生懸命憶えるのですが、ほとんどの場合

帰宅して野鳥の鳴き声CDを聞いているうちにわからなくなります(笑)

デジカメのムービー機能を利用して録音したこともありますが、音質が悪く聞き取るのが困難です。

こういう経験を繰り返すうちに野鳥の声をきれいに録音したいと切実に願うようになりました。

その結果・・・写真だけで物足らず、ついに野鳥録音を始めてしまいました。

 

参考文献−野鳥録音のバイブルです。

「野鳥を録る」
蒲谷 鶴彦 監修、松田 道生 著
東洋館出版社

メディア選び

まず野鳥録音を行うためのメディアを選びました。

選択に当たり重視したのは以下の3点です。

1.音質が良い。

2.録音データをパソコンへ簡単に転送できる。(PCによる編集、ネットへのアップを考えたため。)

3.携帯性。(撮影が主となるため、荷物を増やしたくない。)

   
   

ネットや本で情報を集めたり家電店の店員に聞いた結果、

・カセットテープは高音部が記録できないこと、PC転送が面倒なこと、から除外。

・DAT(デジタル・オーディオ・テープ)は音質面では申し分ないそうですが、この数年新機種が発売されておらずいずれ消えて行く運命のようです。

・ボイスレコーダーや録音可能なデジタルオーディオプレーヤーは内蔵マイクの質が悪く、またMP3で録音すると高音域がカットされるそうです。

消去法で残ったのがMD(ミニディスク)です。

最近はデジタルオーディオに押されてシェアが下がっているようですが、すぐに無くなることはないでしょう。

Hi-MDに注目!

情報収集の過程でわかったのですが、ソニーから2004年に「Hi−MD」という新しい規格が発表されました。

Hi−MDでは従来のMDより高密度の記録が可能となり、またパソコンデータを記録できるので、

リムーバブルディスクとしても利用可能です。

(Hi-MD専用ディスクで約1GB、従来の80分MDディスクで290MB。)

 
 

野鳥録音についてHi−MDの注目すべき点は

A.リニアPCM 録音が可能。

  MDは圧縮して録音を行うため音質(特に高音域)がCDより劣っています。
  一方、リニアPCMは圧縮を行わないため、理論的にはCDに近い音質が確保されるそうです。

B.パソコン転送が容易。WAV形式へのデジタル変換が可能。

  PCとUSB接続して付属のアプリケーション「SonicStage」を使えばPCへ容易に転送できます。
  さらに付属の「WAV Conversion Tool」を使えば録音データをWAV形式に変換できます!
  WAVに変換すれば様々なソフトで編集したり、他のデータ形式に変換するのは自在です。

これらの点から機材選択の「高音質」、「PCデータへの変換」というポイントがクリアされます。
また、ポータブルのMDプレーヤーは充分小さく携帯性についても合格です。

これでHi−MDに決定!

*注 現在、SonicStageがバージョンアップされたためWAV形式への
変換も同一アプリケーション内で行えるようです。

機種選び

購入を考えていた2005年2月時点で、販売されている録音・再生Hi−MDウォークマンは「MZ-NH1」のみでした。

しかし、価格.comの書き込みを見ると新機種の発売が近いそうです。

すぐに買いたい気持ちを抑えて待っていると噂通り新機種発表!

(価格.comの噂には半信半疑でしたが、信じて良かった(笑))

新機種の「MZ-RH10」はMP3再生にも対応して、しかもMZ-NH1より低価格。

飛びつきそうになりましたが、頭を冷やして仕様をチェックしたり価格.comの書き込みを調べました。

この結果、新機種の以下の点がネックとなります。

・MZ-RH10本体では、Hi−MD形式しか録音できない。(従来のMDディスクの再生は可能。)

 我が家には据置型MDプレーヤーや他のポータブルMDプレーヤーがあるので
 Hi−MD形式しか録音できないのは困ります。

・MZ-RH10には時計機能が無い。このためデータに録音日時が記録されない。

 それぞれのデータに録音日時が記録される方が、整理をする上で便利でしょう。

・その他(デジタルアンプの違い、ライン出力の有無)

MZ-RH10には単3形電池の使用可能というメリットもありますが、上記の点からあえて旧機種の

MZ-NH1を選びました。

なお、現在ではMZ-NH1が製造中止となったので、入手は難しいかもしれません。

MZ-NH1本体とリモコン
2005年3月購入 オープン価格 36,000円で購入 

 

MZ-NH1の主な仕様
入力端子 マイク
ラインイン(アナログ・デジタル兼用)
出力端子 ヘッドホン・ラインアウト兼用
電源 リチウムイオン専用電池
重量 107g(充電池含む)
本体寸法 81.7×76.1×14.8mm
(幅/高さ/奥行き)

 

MZ-NH1の各モードにおける録音可能時間
録音モード 80分ディスク(分) Hi-MD専用1GBディスク(分) 備考
リニアPCM 28 94 Hi-MDモード
Hi-SP 140 475 Hi-MDモード
SP** 80 MDモード(Hi-MD専用ディスクはMDモードが使えません。)

**注 MDモードで録音した音源はPC転送できません。転送できるのはHi-MDモードでの録音のみです。

マイク選び

野鳥録音用のマイクとしては以下のような種類があります。

1.パラボラ型集音器と無指向性マイクを組み合わせる。

  最も自然な音で録れるそうですが、パラボラの持ち運びが大変です。
  また、ステレオ録音するためにはマイクが2本必要です。

2.単一指向性マイク(ガンマイク)

  離れた野鳥の鳴き声を録るのに向いていますが、音が硬くキンキンするそうです。
  また、ステレオ録音するためにはマイクが2本必要です。

3.指向性ステレオマイク(ワンポイントステレオマイク)

  1本のマイクでステレオ録音が可能。音質はマイクの性能次第。

マイクは録音においてとても重要な役割を果たします。

以前ハンディカム用に使っていたガンマイクをMDに接続して録音しましたが、

確かに音が硬くノイズも多くて使い物になりません。

やはり、それなりの金額(最低2万程度?)を掛ける必要があるようですが、予算が・・・。

やむを得ず、安価で比較的性能の良さそうなマイクを探して購入しました。

アイワのワンポイントステレオマイク「CM-DS6」 写真右は付属の風防
 2005年3月購入 定価5,800円 5,000円で購入

 

CM-DS6の主な仕様
電源 単4電池×1
重量 45g(電池・コード含まず)
本体寸法 22×24.5×95mm
(幅/高さ/奥行き)
備考 指向角度切換(120°/90°)
一体型のマイクスタンド付
ウインドスクリーン(風防)付属

 

MZ-NH1にCM-DS6を接続
コードは絡まるので束ねて留めておきます。

録音機材一式は市販のポーチにコンパクトに収納できます。
ポーチはバッグのストラップなどにぶら下げておき必要時にすぐ取り出せるようにしています。

使用感

実際にフィールドで野鳥の鳴き声を録音しての感想です。

録音した鳴き声はこちらのアルバムにアップしています。

1.所期の目的であった野鳥の声の識別に関しては問題ない音質です。

  ステレオ録音のため臨場感も充分出ています。

2.しかし、CDに収録されたり、ネットで公開されている鳴き声に比べると、比較にならないレベルの音質です。

  私の機材で録音された鳴き声は音量が小さく、ボリュームを最大にしなければはっきり聞こえません。

  このため、パソコンのWAVファイルに変換した後、編集ソフトで音量を上げますが、背後のノイズの音量も

  上がってしまうのです。

  これではPCM録音云々と言えるレベルではありません。

  音量の小さい原因は野鳥との距離が離れていることでしょう。

 
 
音質は落ちますが撮影の合間に録音しているので、これはやむを得ないでしょう。

全般的には、携帯性の良さ、録音とその後のPCデータへの変換の容易さに満足しています。

PCデータへの変換と編集については次回アップの予定です。

乞うご期待(笑)

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