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僕は以前さる女性と、ほとんど初対面に近い状態の時、趣味としての旅行などの話題をした際に彼女に「貴殿は今まで海外へ渡航の経験はおありや?」という意の質問を投げかけたことがあった。
するとその女性は俄に気色ばみ、彼女から「貴君の先程の御質問は、今時の女性に対し大変無礼な質問である」という意の指摘を受け非難されてしまった。 彼女の主張において、その反駁するところは「最近の女性は自分ほどの年齢ともなれば海外の一つや二つ、二つ三つなど既に経験済みである。手始めとして昨今の諸女史におかれては各大学の卒業時などに卒業旅行などと称し大抵の場合海外渡航を選択している。貴君はそんな事情も存ぜぬか?いとくちをし。」(なんで和言葉になってんだよ)との意のものであった。ちなみに彼女は当時30代後半であった。 昨今の女性にとっては海外旅行経験なぞ至って当然のことらしい。 彼女によれば先程の僕の質問は「貴殿の海外渡航経験は今までに『何度』であるか?」といった経常的数量確認形式のものでなければいけなかったらしい。 もしかしたら僕は、30も過ぎ女性としての成熟度もいっそう増して来た女性に対し「貴殿は今まで男性経験はおありや?」という意の質問と同レベルの質問を投げかけてしまうという失態を犯してしまったのかもしれなかった。
いやはや、旅行の話をしようというのに、のっけから下卑た内容になりかけ非常に申し訳ない。
再度、失礼。 * * * ともあれ、かように最近では海外旅行すら当然のこととして一般大衆に浸透している現状である。
これは遡ること数十年前・・・ハッキリ言うと1970年、日本において世界万国博覧会、通称「万博」が開催された時であった。テレビや雑誌などでも万博の話題で持ち切りであった。
当時この万博は大阪で開催された。
かくして今や女性が海外旅行当たり前と言う時代に、僕は日本有数の大都市大阪に未だに足を踏み入れる機会が無いままきてしまった。大人になってから関西方面には度々訪れていたのであるが、なぜか大阪はいつも素通りしていた。奈良・京都には行くのに、なぜか大阪はパスなのであった。これでは関東には良く行くのに、鎌倉横浜だけ行って東京には行かない、というのと同じである。ビートルズは聴くけど「イエスタデイ」は聴いて「ヘイジュード」「抱きしめたい」は聴かない、というのと同じである。女性は好きだけど、オッパイの・・・、ん?、も、いいでスカ?、そうスカ・・・。 勿論特に大阪が嫌いという訳では全く無かったのであるが、かといって敢えて特に行こうとしなかったのは、もしかしたら前述のこの少年時代の万博コンプレックスがあったからでは無かろうか?などと考えていた今日この頃であった。 年齢も中年と言うカテゴリーに括られつつある今、もうナントカコンプレックスなどに縛られ何かの行動を規制されるというような馬鹿げた状態からは卒業せねばいかん、大阪に訪れ、今や大阪を通り越して”海外旅行”にまでレベルアップしてしまっている一般大衆の水準に近づかねばいかん。
考えてみれば大阪は僕の好きなもののメッカである。「お笑い」「タコヤキ」「商店街」。行かない理由などもう何も無い。
ともあれ、そんな僕が大阪と言えば行ってみたいと思い付いたのが、笑いの殿堂吉本興業の”なんばグランド花月”なのであった。”吉本新喜劇を生で見てみたい!”という思いは前々からあった。今回は丁度いい機会だ。 ここからの行動は僕にしてはかなり素早かった。
蛇足であるが、この旅行を決めた頃、NHKでは連続ドラマで「ほんまもん」というのをやっていた。
あとせっかく関西に来ついでに、奈良の明日香に寄って秋の飛鳥路を写真に収めてこようと思いついた。
冗談はさて置き、今回は吉本新喜劇・晩秋の飛鳥の二本立てでお送り致しまーす。イタチマーチュ。<----タラちゃん、でお願いします。 続く。 |
●上記レポートを読む場合の推奨BGM
キリンジ:「Music!!!!!!! 」(「Fine」)収録 |
(*1):ベーブルース【Babe Ruth】・・・”(本名 George Herman R.) アメリカのプロ野球選手。22年間に通算714本の本塁打記録を残す。(1895〜1948)”「広辞苑」より |