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| 作品名 | 演奏 | 一言 | 
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| ●平均律
 クラヴィーア曲集 第1巻 第2巻 BWV870〜893  | 
スヴャトスラフ・リヒテル |  バッハというと「受難」「平均律」「半音階」など、いかめしいイメージの先行する言葉のつく題名がどうも多い。
 更にこのいかめしさを増長するが如く学校の音楽室などに飾られているバッハの肖像画がこれまたいかめしい。 更に悪い事にバッハの代表曲である「トッカータとフーガのニ短調」が、ベートーベンの「運命」と同じく作曲家のイメージを強烈に、「はい。そのとおりです。いかめしいです。」、と決定づけてしまっている。 いかめしいのトリプル攻撃、いかめしいのテンコ盛り、いかめしい祭りのいかめしい大博覧会。 バッハって・・・な〜んかとっつきにく〜い!・・・  ・・・と、まあそういった先入観で頭をコッテコッテに致しましてからまずこの「平均律」の第一巻のハ長調の前奏曲を聴いてみよう。
  他の調ももちろん素晴らしく、きっと貴兄を様々な世界へとトリップさせていってくれることだろう。
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| ●無伴奏チェロ組曲
 BWV1007〜1012  | 
ミッシャ・マイスキー |  これまたいかめしい題で、「ザッツいかめしい」という感じ。
 しかし慣れてくると、このいかめしさがかえって妙な快感に変わってくるのである。 バッハの場合題名からすると本当にとっつきにくそうだが、音楽自体はむしろ「現代」にも通じるところがあり、これは外見はこわそうだけど実はいいオヤジといった「泉谷しげる」的印象をかならずや皆様に与えるにいたるはずである。  | 
| ロ短調ミサ
 BWV232  | 
レオンハルト&
 ラプティットバンド  | 
 バッハの声楽曲は、確かにいかめしいところがある。
 まず器楽曲でバッハに慣れてそれから声楽曲にチャレンジ してみるのも一つの聞き方かもしれない。 この曲は声楽曲だが、バックの器楽部分も素晴らしく、声楽・器楽両方味わえ、ステーキセットにデザートとコーヒー付きで、一挙両得!みたいな、バッハの魅力を十分に 味わえる一品ある。  | 
| ●マタイ受難曲
 BWV244  | 
カール・リヒター |  この大作は、かつてメンデルスゾーンが弱冠20歳(!)の時に、100年以上忘れられていたこの曲を復活し演奏して以来、現在に至るまで
広く演奏されるようになったそうだ。
  そういえば、あの傑作「無伴奏チェロ組曲」も何と200年以上も忘れられていたのが
あの名チェリスト、パブロカザルスによって陽の目を浴びる事になっている。
 ま、冗談はさておいて、 こんな名曲を簡単に忘れられちゃうバッハは、我々からみると随分損をしているように思えるが、当の本人はもういないわけで 、損をしたのは、結局バッハの死後からメンデルスゾーンの登場まで生きていた方達であろう。お気の毒に。  | 
| 無伴奏バイオリンのための
 ソナタとパルティータ BWV1001〜1006  | 
イツアーク・パールマン |  バッハは独奏曲で非常に優れた足跡を残しており、この曲集と「無伴奏チェロソナタ」「平均律」の3つで、私の評価はバッハが他の作曲家から一歩リードしてしまう。
 あと非常に不思議なのは、この「無伴奏・・・」というジャンルに、あの偉大なベートーベンやモーツァルトがメジャーな作品を残していないのは、私にとって音楽史上最大の疑問である。この疑問に答えられる方おりましたら教えて下さい。  さて、この曲集が書かれた年代は諸説あるが、1720年代ではないかとの説があり、じゃ、その頃日本は何をしていたかというと、江戸時代、大体8代将軍吉宗あたりではないかと思われる。
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 フーガニ単調 BWV903 (「イタリア協奏曲」
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アルフレッド・ブレンデル |  また出た!いかめしい題!。
 でもこの曲のこのブレンデルの録音は、おそらくバッハの時代の音には無かった響きかもしれないが、流麗なピアノのが繰り出す響きは、充分近代的で陶酔感にひたれる音。これもまたバッハの良さなのであろう。 このCDはメインはイタリア協奏曲、他にコラールプレリュードなども含まれていて結構お買得かも。 もしかしたらバッハ入門にもいいかも。  |