僕のお気に入りの音楽1-クラシック

ドビュッシー Claude Debussy  (1862〜1918)


作品名 演奏 一言
ベルガマスク組曲 フランソワ  ドビュッシーといえば他に「海」「前奏曲集」等の傑作があるが、あえてこの彼の初期の作品に言及するのは、この曲集の代表作「月の光」について個人的な思い入れがあることによる。

 誰しも何かに興味を持ったりする場合の、契機というのがある。
 この曲に出会うまでは、クラシック音楽のイメージというと、小中学校の初等音楽教育で培ったクラシック音楽のイメージ、(ドボルザークの「新世界より」やシューベルトの「魔王」、ヨハンシェトラウスのワルツ等、によって作られるイメージ)がびっちりとこびりついていた。
 もちろんそれらの愛すべき作品は今でも嫌いでは無いが、当時ビートルズ等の洋楽文化が私史にどっと入り込んだ時期で、これらの入門的クラシック作品は、私をしてクラシック音楽につなぎとめておくには(ビートルズ、ローリングストーンズに対抗するには)ややパワー不足の感があった。
 あの時そのままいっていたら私の音楽聴取環境はだいぶ違ったものになっていたことだろう。

 ある時友人がほとんど捨てるに近い状態で、いらなくなった家庭用クラシック全集のレコードを私に譲ってくれた。
 廉価版のような簡単な体裁のもので演奏者もほとんど無名の奏者ばかりだった。
 私が回りに比べ多少クラシック好きだったこともあり、友人も捨てずにこちらにそれを回してくれたようである。 しかし私の興味も徐々にロックに移っていこうとしていた時で、ほとんどは聴いたことのあるような曲ばかりのその全集には、それほど神経がいっていなかった。

 ただ一枚だけピアノ作品集というのがあり、当時も好きだったショパンの「別れの曲」などが入ってるそのレコードに、まだ見知らぬ曲が1曲入っていた。
 ある時なぜか、それをふと聴いてみる気になった。
 それが「月の光」であった。そして・・・

 「これクラシックなの?!」
 それまでのクラシックに抱いていた初等音楽教育のアンティークなイメージはまさに崩壊!。
 ロック少年をクラシックに引き戻すには「月の光」は十分パワーがあったのである。


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