僕のお気に入りの音楽1-クラシック

ショパン Frederic Chopin  (1810〜1849)


作品名         演奏者         一言
12の練習曲
作品10&25
マウリツィオ・ポリーニ  作品10の最初の1番ハ長調を聴いた時、その迫力あるサウンドに「おいおい、これ練習するのかよ・・・」と思ったものだ。
 作品10には他に有名な「別れの曲(3番)」もあり、この曲も「おいおい、これ練習用?」と思ったものだ。
 ピアノの練習曲というと我々凡人にはバイエルのようなものしか思い浮かばないので、ショパンのこの曲集には次元の違いを感じざるをえないのであった。
 ショパンもきっと「ん?練習?、や、もうそんなもんどうでもええ(なに人だ?・・・)。芸術!芸術!」と思いつつ 作ったに違いない・・・。
24の前奏曲集
作品28
マルタ・アルゲリッチ  前奏曲という言葉に滅法弱い私。ショートカットの女性と同じくらい弱い私。

 バッハ、ショパン、ドビュッシーと、クラシックの前奏曲史には素晴らしい作品がオンパレしている(オンパレードという意味ね)。なんつっても英語の「PURELUDE」というのがカッコイイもんネ。

 さて、ショパンの前奏曲集は、バッハのそれからインスパイアされたものらしいが、私がバッハの平均率に出会うまでは、前奏曲というと、ショパンというイメージがあった。それくらい定着していた。特に7番のイ長調のものは、太田胃散のCMでもお馴染みで、耳にされたことのある方も結構多かろう。
 私は昔4番のホ短調の感傷的なやつがとても好きで、愛聴したもんだが、当時好きな女性がいて、感傷的な気分をこの曲で煽って、恋に恋していたような記憶がある。ショパンは恋愛のBGMにはとてもなりやすいのである。

 ちなみに恋愛に破れた時はベートーヴェン、さらに破れ精根尽き果て疲れるとモーツアルト、その後達観してバッハにいく。
(2000.6.18)

夜想曲全集 ダン・タイ・ソン  愛聴盤と銘打ちながら、最も愛聴してきたはずものを、ここからはずしてはいけなかった。

 クラシックで今のところ一番好きな作曲家は、と聞かれれば、バッハかモーツアルトを挙げたい。
 具体的に言ってしまえば、バッハの「平均率」とモーツアルトの「魔笛」は、今のところ自分の中ではベストオヴクラシック(ベストツーか)だと思っている。

 ショパンについては、ずっととても好きだったが、一時期そう公言するのがカッコワルイように思えた時期もあった。実際曲を聴いていても、なんか感傷的すぎて、バッハのような超越的なところが無く物足りなくも思えた。

 しかし最近やはり自分自身、根がロマン派なんだな、という自覚をするようになってきた。
 「ショパン的雰囲気」が、元来好きで、性に合っているんだという気がしてきた。

 クラシックに限らず、様々な耳には難しい音楽を聴いたりして、感覚が固まってしまっているような時、ふと口直しでは無く耳直しにショパンでも、と聴いている自分に気づいた。
 ショパンは言わば私にとって、盆暮れに帰省する実家のようなものであると気づいた。(2000.8.28)

マズルカ全集 アルトゥール・ルービンシュタイン  私の感性を育んできてくれた音楽は、幸か不幸か西洋の音楽がほとんどだった。
 そこには郷土の音楽というものは無かった。
 仮に故郷へのサウダージ(郷愁)を私が音で表現したいと想った時、残念ながら(?)やはりそのツールには西洋音楽的なものをどうしても用いるしかない、というか用いたい。でも反面土着の愛すべき音楽体験が無かったことに一抹の寂しさを覚えるのも確かである。

 マズルカというのはポーランドの土着の舞曲である。ショパンには郷土の音楽(マズルカ・ポロネーズなど)という、サウダージやその他の表現にはとても適切なツールがあった。
 
 郷土の音楽を持ち、そこにオリジナリティを加え、それを今や世界的に浸透させることのできたショパンが、とても羨ましい。(2000.8.28)

ポロネーズ集 アルトゥール・ルービンシュタイン  高校生の時に、同級生が休み時間を利用して音楽室で「英雄ポロネーズ」を練習していたのを、ノコノコと行って聴かせてもらっていた。私にとっては、生のクラシックピアノライブ演奏体験の初めてのものであったと記憶する。今考えるとそんなに完璧な演奏では無かったようにも思えるが、高校生くらいにはそれで十分刺激的だった。
 当時はポロネーズの意味も良くわからなかったが、ショパンの音楽の心地よさがその頃からずっと染みついている。

 今は「幻想ポロネーズ」が一番良いと思っているが、「英雄ポロネーズ」を聴いて昔を想い出したりするのも、また楽しみでもある。(2000.8.28)


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