Monologue49 (2000.12.14〜2000.12.19)

「2000.12.19(火)」・20世紀最後の

 もう今年もあとわずかになりましたな。
 今回の12月は、今年の終わりというだけでなく、今世紀の終わりでもある。
 そうなってくると、この時期行った事柄については、やることなすこと悉く「20世紀最後のホニャララ〜」になる可能性を帯びて来る。
 先日散髪に行ったのであるが、これは僕にとって明らかに「20世紀最後の散髪」になったことと思われる。

 その他、忘年会で飲み過ぎ、吐いてしまった場合は「20世紀最後の嘔吐」となるだろうし、極度の便秘でお悩みの方は、明日するウンコが「20世紀最後の脱糞」とならないとも限らない。
 テレビなどを見て何かに憤慨し、そばにあったものを壁に投げつけてしまったりした場合、「20世紀最後の八つ当たり」にもなりかねない。
 モテナイ寂しい独身諸君の中には大晦日に「20世紀最後の自家発電」を執り行う諸氏も多かろうと思われる。

 かように「20世紀最後の〜」などという枕詞をつけると、下らないことでも、さも重要性を帯びているかのように思えて来る。
 「20世紀最後の〜」とつけなければ重要にならないんだったら、常々「〜最後の〜」と思っておればよかろうにとも思う。しかしそれも疲れそうである。100年に一回程度でちょうどイイのかもしれない。

 ところで「20世紀最後の〜」が重要なら「21世紀最初の〜」も当然ながら重要になって来る。
 これを軽視してしまえば「21世紀推進委員会」から抗議の電話が殺到しかねない。

 松任谷由実の歌に「Happy New Year」という歌があるが、新年に恋人の元へと向かう心情が描かれていて、こんなフレーズが出て来る。
 ”今年も最初に会う人が
  あなたであるように
  はやく はやく”
 僕は常日頃、この歌のような状況になるよう切望しているのだが、なかなかならない。
 大抵最初に会う人は親族の連中であるケースがほとんどとなる。

 今回の新年は、最もこの歌のケースを実現させたい年でもある。
 これを逃すと同様の状況が再び訪れると思われるのは、100年後になる見通しである。

 ともあれモテナイ独身青年としては「モテナカッタ20世紀」とは完全におさらばし、一刻も早く「モテル21世紀」を実現していきたい。
 最悪来年最初に会う人が素敵なあなたで無くても良いから、とりあえず「21世紀最初のモテモテ」がなるべく早期に実現することを切に祈っている次第である。
 (そうだ、そういえば今日都内の某書店で美輪明宏氏を見かけた)。

「2000.12.18(月)」・今日はこんなんです

 「やまとなでしこ」を見た。
 東十条さん、とってもいい人なのに、ちょっとかわいそうな気もした。
 僕は男性なので、欧介さんに感情移入してしまったが、女性だと当然桜子に感情移入するのだろうか。
 最後はうまく纏まり、ハッピーエンドで中々心温まる結末で良かったと思った。

 ポルノグラフティの「サボテン」という歌は、僕の中ではそんなに座右の名曲という水準まではいかないけど、なかなか許せるというか理解できる音楽というか、いい感じのパワーを感じる。

 ビデオ屋で日本人の女性の曲で面白い曲を聴いたが、題名もアーチストもわからず終いだった。有線で調べたがわからず、今後の宿題。

「2000.12.17(日)」・雅楽で覚醒

 昨日は妹の結婚式で、披露宴の余興に男兄弟でライヴ演奏をやり僕もサイドギターで参加。
 やったのはビートルズを3曲、おもいのほか聴衆が静かに聴いてくれて、まずまずの出来であったようである。

 ところで結婚式は神社で神前だったのであるが、間に雅楽の舞が舞われた。
 その伴奏の音楽が、今ちょっと耳についていて離れない。

 巫女さんの舞のなぜか妙にエキゾチックで初々しくもエロティックな雰囲気が余計そうさせていたのかもしれないが、これはちょうどモーニング娘のサマーナイトタウンを見た時の感覚に似ている(なんだそりゃ)。

 ・・・などと書くとヴィジュアルに感銘を受けたようにとられるが、感銘の中心はやはりあくまでもサウンドで、雅楽の持つ浮遊感とゆったりしたテンポの醸し出す安定感や琴の音の美しさなどにある。これはきっと何かに使えそうな気はする。

「2000.12.15(金)」・駆け出し

 近年僕はとみに歴史・街道方面に興味を持つようになってきたのであるが、歴史・街道好きというのは普通オジサンである。
 僕が人気の無い小さな寺社仏閣を訪れると、同好の士と見られる老人の姿を時折見かける。
 書店の歴史コーナーでもオジサンが立ち読みしている姿を見かける。
 インターネットでページを出している年代層は通常若者が多く、音楽やスポーツ系なんかでも僕より若い方のぺージが多い中、歴史系のページだと最初アクセスするとハンドル名が若者風なので、若者かと思って、プロフィールを見ると結構驚くような高年齢の方が作成なさっていたりする。

 かように歴史・街道好き、というのは一般的にはオジサンの専売特許である。
 僕も一応オジサンの範疇に属しているとは思うが、歴史・街道好きのオジサンといえば、もっと上の世代の方々というイメージがあろう。
 最低50はいっていないと一人前の歴史・街道好きとはいえない。ベテランとは言えない。
 歴史・街道好き界においては50で一人前、70〜80でようやく名人と呼ばれる(ホントかよ・・・)。

 僕は30代後半であるが、こう考えると歴史・街道好きデビュー、ちと早すぎたかな、という気もしないでも無い。
 歴史・街道好き界においては30代なんて、もうホントにカスみたい、ニワトリの屁みたいな若造であろう。
 しかし僕はここでフト思った。
 30も後半になってくると普通社会的には若手と呼べなくなって来る年代である。
 一応社会的地位も確立しはじめ、自分の方向性が固まって来るような年代である。
 しかし歴史・街道好き界においては、まだまだ若手、それもピチピチの新人でいられるのでは無かろうか?
 下手すれば若手のホープ、などと言われないとも限らないでは無いか。

 これは結構オイシイかもしれない。
 というわけで、僕は今後、盆栽界、庭石界、ゲートボール界への進出も企てている(ウソつけ・・・)。

「2000.12.14(木)」・鎌倉街道あらまこんなとこに

 最近楽しみにしている木曜のMXテレビ「鎌倉街道夢紀行」(22:15〜 制作:テレビ埼玉)という番組がある。
 今日は鎌倉街道中道の東回りルートを紹介していた。
 このルートは東京の二子玉川あたりから下馬〜代官山〜原宿〜新宿〜池袋と抜けていくルートである。

 従って番組でも言及していたが、鎌倉街道古道は原宿の表参道を横切っている(ロイヤルホスト辺り)。
 このことを知っている人は一体どれくらいいるのだろう。

 木曽路のように昔の街道の姿がそのまま残っているというのも味わい深いが、すっかり姿を変えてしまった都会の中に、古道の名残がかろうじて残っている、というのもかえって哀愁を強く感じさせて心惹かれるものがある。

「2000.12.13(水)」・食事の時

 少し前「話を聞かない男・地図を読めない女」という本が出て、男女の脳の違いが話題になったが、僕も良く出くわす光景で、これは男女の違いなのかなあと思ったことがあった(おそらく男というより僕だけかもしれませんな)。

 それは女性と食事をする場合に、僕の方が注文するメニューに関して、あまり積極的な意見を述べないので、女性側から指摘されたり、時には咎められたりすることである。

 こんな時に僕の頭の中では、どんな論理が展開されているかというと、次のようになる。
 僕側では、まずこの食事会を開催できた時点で、すでに目標が達成された感がある。あとは会の進行がスムーズに行けばそれで良い。従って自分が何をそこで食べるか、ということはさして問題では無い。むしろ女性には好きなものをドンドン食べてもらって満足してもらい、自分はちょっとの酒とツマミがあれば良い。そして最後にお勘定が円滑に払えれば良い・・・と、こうなっている。
 しかし女性には、この心理は理解できないらしい。なぜ、せっかくオイシイ店に来ているのに、食べたいものを食べてもっと楽しもうとしないのか?ということらしい。あるいはメニューに対して自分の意見をハッキリ言わないことが、優柔不断という風に写るらしい。
 こちらとしては、何を食べるかということがそんなに重要では無いので確固たるものは何もない。逆に言えば何だって良い。むしろ誰かが選んでくれた方が楽で良いくらいに思っている。
 しかも僕の場合マズイことに、お酒があるとそのお酒自体ですぐにお腹が一杯になってしまうので、料理を少ししか食べなくなる。そうすると料理に不満があるのかと思われる時がある。もちろんそんなことは全然無いし、チビチビやっていけてるので全然不満は無い。只単に本当にお腹がもう一杯になってしまっているだけなのである。

 しかし女性からしてみれば自分達と同じように、いろんなものを注文して料理をオイシそうに食べてもらいたいらしい。
 確かにその通りである。
 しかも会の進行がスムーズに行くという目的の為なら、当然女性側と波長を合わせて食事自体を楽しむ、ということを考えるべきであったろう。

 これからは女性的な発想と男性的な発想と両方を包括した考えができるようにならなきゃ、僕が目指す(?)モテル独身青年になることはできないなと思った。
 しかしそれでたまに自己主張がある振りをして自分の好きなものばかり注文すると、自分の嗜好が全体から浮いていて、ヒンシュクを買いかねないことになっていることに気づき、やっぱりオレはモテようとするのは無理があるなと自己納得する今日この頃であった。

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