Monologue2003-29 (2003.7.1〜2003.7.6)
 「2003.7.6(日)」曇・梅雨も明けぬ日曜

 まだ梅雨も明けぬ日曜。
 いつものように「いいとも」と「ハロモニ」を見た後、ゴロンと横になって、起きたら、もう夕方だった。
 こんな鬱陶しい天気の日に夕方目が覚めると、ずーんと暗くなってしまうもんだ。

 気を取り直して食料の買い出しの支度をする。
 洗面所で顔を洗っていると、顔に枕の跡か何か知らぬが亀甲模様のような奇妙な文様の跡がある。しかも顔の両側に。その文様の周りは赤みを帯びてむくんでいる。
 これでコンビニに行くと明らかに、レジのネエチャンに「やだあ、このオジサン今まで寝てたぞ」とバレてしまう。一所懸命顔を擦ってみるが、直る気配は無い。
 仕方ねえや。いつものコンビニはやめて、ニイチャンのレジが多い別のコンビニに行くことにした。それなら服装も気を遣うこたあねえや。

 外に出ると結構肌寒い。
 件の別のコンビニに到着すると、その店の中から一人のオネエチャンが出てきた。コンビニの袋を下げている。買い物に来た地元の高校生風に見えた。まあよくある風景だと思いつつ僕は自転車を店の前に止めた時に、帰ろうとして自転車に乗っていくそのオネエチャンの顔が又見えた。
 そしたらアンタ、なんと、いつものコンビニのネエチャンじゃねえかっ!・・・・って、ことですよ。オフ時のいつものカワイイネエチャンに出会ってしもた!。
 こういう時に限って。こんな所で。このネエチャンを避ける為に来た店で。
 確かにこの近辺に住んでいても全然おかしくない。問題ないっす。
 しっかし、まあ。こうタイミング良く出会うってことは、逆運命的?。
 良く考えたら、このネエチャンが今日オフだったなら、いつもの店でも良かったかな・・・・って、ことですよ。ま、でも他のネエチャンがいたかもしれないしな。
 ま、至近距離でオヤジの疲れ切った醜態を見られなかったこと幸いと、オネエチャンの後ろ姿を冷や汗もんで見送りつつ僕はコンビニに入った。

 コンビニではそろそろ、そう麺が出まわり出してきた。僕もこの時期は愛食させていただいてるので、迷わずそう麺をカゴに入れた。
 ふと棚の横に目をやると「うなぎ弁当」の文字が目に飛び込んできた。
 うおおーーーー。「うなぎ」。強烈に惹き付けられる文字だ。が、実は今夕飯にこのようなガッツのあるものを食べるのは控えているのである。今は食べて、パンか麺類、後はサラダや納豆などで僕の夕食は構成されることが多い。
 誘惑VS理性のファイトがしばし熾烈に繰り広げられた。今日はどうやら理性が勝ったようである。

 買い物を済ませコンビニを出た。天気はドンヨリしているが、雨が降りそうな気配では無い。
 帰ってから昨日購入したモー娘の新しいライブDVDを観た。
 保田圭ちゃん卒業のさいたまスーパーアリーナでのやつだ。
 僕もこのDVDの当日では無いが、前日のコンサートに行ってきたのである。
 曲目や構成はほぼ同じなので、観ていると懐かしいようなやはり親近感がある。只僕が行った時は後ろのほうの席で全然ステージが良く見えなかったので、”ああ、ステージではこうなってたんだ”と感慨もひとしおである。

 この娘達、やはりパワーある。
 コンサートのボルテージも以前に比べ全然落ちて無いし、むしろ良くなってる気もするし、まだまだ全然いける感じだ。
 そう言えば最近5期メンバーの成長が著しい。喋りも堂々としてきたし、演技も出来るようになったし、自分のスタイルを見つけ出したみたいだ。
 僕も当初モー娘には、モテナイ独身青年が若い娘に1エロオヤジ的態度でもって接するかのようなスケベ心を抱いていたつもりだったが、いつしかそれとは別に、パフォーマーとしての彼女達に魅了されている自分もいるのに気づき始めた。
 これはファンとアーチストにとっては、最良の関係かもしれない。

 それから昨日買ったもう1枚のDVD、日活の「キャバレー日記」。いわゆるロマンポルノと呼ばれた作品だ。
 だが「ロマンポルノ」という冠は取ってもらった方がいいかもしれない。ポルノ映画には普通の日本映画の佳品として挙げても何ら遜色無い作品がある。
 この「キャバレー日記」もその一つだ。
 この映画には我がHPでも取りあげさせて頂いている往年の日本のシンガー白季千加子の「おてんとさま嫌い」という曲がかかる。
 この件で白季コーナーのHPを見た方々からメールを頂き、この映画がお薦めというご意見が割とあった。
 それで今回DVDが出ていたので、早速購入したわけである。
 今で言うならピンサロ、おさわりパブ、みたいな場所が舞台になっているので、全編を通じ女性の裸体も頻出する。
 しかしこの映画を通じて感じるのは、エロス以上に、文学的情緒であると思う。見た人の大半はそう感じるはずだ。新宿の風俗を通じて感じるのは、青春であり、都会であり、挫折であり、恋愛であり、要は人生なのである。
 ちなみに監督は「遠雷」の根岸吉太郎。脚本は荒井晴彦。女優は竹井みどり。
 「おてんとさま嫌い」がかかるのはラストの方。そこでカラミがあるけど、そこに誘うまでの竹井みどりのセリフ、ボーイ役の伊藤勝信とのやりとりは、ちょっと泣ける。

 これを見てたら「痴漢日記」シリーズ見たくなった。今現在DVDは出て無いみたい。題名はちょっと誤解招きそうだけど、名作だと思うんだけどな。

 「2003.7.5(土)」晴後曇・浮いてます

 もうすぐバレンタインかあ・・・。
 えっ?、まだ大分先だって?
 じゃ何、ほら、もうすぐなんかあんでしょ?。こうラブラブ感満載みたいなイベント。
 ん?、七夕?、あっ、そうそう、それ。七夕って、あの織姫が彦星にチョコレートをあげるやつでしょ?。
 何?、そうじゃない?
 じゃ、彦星が織姫に、だ!。
 何?、そういうことじゃない?
 じゃ、手作りのチョコレートだ。
 何?、そこじゃないって?
 じゃ、義理チョコ?。
 ん?、チョコレートから離れなさい、だと?。

 ふうっ・・・・。
 七夕当日は月曜だから、ばたばたしそうだな・・・。くっくっくっ。
 あれ?、僕浮いてます?。

 「2003.7.4(金)」曇時々晴・いいんです

 小さい頃は自分が40才になってる姿なんて想像もつかなかった。
 まあ、かなり大人になってるはずだ、くらいに思ってた。
 それが、どうでしょう。実際なっちゃいました。甘栗むいちゃいました。自然の甘さそのままに。
 意識はほとんど高校時代と変わらず。道行くネエチャンは相も変わらず美しく、ロックは切なく、文学は狂おしい。
 いいんでしょうか?。
 いいんです!(是非川平慈英で読んでね)。
 誰も迷惑して無いから、いいんです!。
 困っているのは、当の本人だけなんです!。
 困ってるっちゅうか、ま、困惑だなや。はっはっは。
 はあ〜っ・・・。

 ん?「いいんです」て、学級委員です?・・・制服プレイ?・・・じゃねえよ。

 「2003.7.3(木)」曇後雨・大和古寺風物詩にサンクス

 亀井勝一郎の「大和古寺風物詩」。
 奈良の古寺や仏像などが好きな人なら、この書物の名は一度は耳にしたことがあるであろう。
 僕にとって、この書は音楽におけるバッハの平均律クラヴィーア曲集の如き位置づけにある。

 極度に難解に過ぎず、それでいて僕らの知的好奇心を程よく満たし得る均整の取れた文章。その醸し出す旋律は格調高く保たれ、僕らを古都への旅のみならず、人生に対する思索の旅へも誘ってくれる。
 文学としての内容の深さは勿論のこと、その文体は僕にとって極上の手本ともいうべきものである。

 しかしそれは、まさに往年の西欧の天才達が残した、あまりに芸術的な練習曲のように、もはや練習習熟の域を越え、凡庸な練習者を完全に黙させ、その至芸の前にひれふさせてしまうのだ。

 この書は主に古寺の仏教美術について語ったものが多い。
 しかしだからといって、著者が最初から仏像などを愛好していたのでは無いことが、この書を読むとわかる。むしろ最初は忌避していた感もある。
 それと著者が仏像全般を、全て手放しで賛美しているのでも無いことがわかる。
 そこには著者の忌憚ない、有りのままの感慨があるのみである。そしてそれは文学的情緒に溢れている。

 勿論感動もある。
 例えば中宮寺の項で「微笑みについて」と題された文章では、微笑みというモチーフを通じ戦時下の人間の精神の病を仄かに炙り出す。それと対比するように、ここで語られる菩薩の微笑は、力強く僕らの心を打つのである。
 このような文章こそ、日本の近代文学における随筆という分野の中では、最高峰に位置づけられて然るべきものであろうと思う。

 ん?「大和古寺風物詩にサンクス」て、大和古寺風物詩とコンビニ?・・・じゃねえよ。

 「2003.7.2(水)」曇時々晴・鎌倉通りにサンクス

 渋谷から井之頭通りを通って、代々木上原を経由し笹塚に行くバスがある。そのバスを「北沢中学校」という停留所で降りると、降りてすぐのところに「鎌倉通り」というのが通っている。井之頭通りと交差する形だ。
 僕は最近、良くこのバスに乗って「北沢中学校」で降りて、鎌倉通りを北上し、京王線の笹塚駅まで歩くようになった。

 「鎌倉通り」という名前が書かれた看板を見た時、僕は色めき立った。
 なぜかと言えば、そこが「旧鎌倉街道」ではないか?と一瞬思いが及んだからである。
 実際の所、この「鎌倉通り」が、なぜ「鎌倉」なのか?、「旧鎌倉街道」と関連があるのか?といったことは僕自身未調査の為全く不明だ。
 確かに東京で見られる地名で「鎌倉」が付いた場所は、「旧鎌倉街道」に関連している場所が多い。
 ちなみに申し遅れましたが、私一応「旧鎌倉街道フリーク」であります(街道オタクとの説も有)。
 念の為、江戸末期の古地図で確認したところ、この「鎌倉通り」のある場所には江戸時代の道は記されていない。

 ともあれ東京の下北沢の近くに、なぜ「鎌倉」なのか?、興味は津々である。
 一回「北沢中学校」から南下して見たところ、下北沢の井之頭線の駅の横を通り、小田急線の所まで辿れた。それ以上は踏切を曲がる形になっているようで、断絶したようになっていた。
 総じてやはり古い道のような趣もあり、やはり道のある部分は何かの旧街道の一部であろうことは予想に難く無い。

 今の通勤経路を考えると、この笹塚までの経路は大きな遠まわりだ。
 でも僕は「鎌倉通り」の、さほど殺風景でも無く、それでいてどこか落ち着いた、庶民的な感じが、とても気に入った。

 たぶんこの「鎌倉通り」を通ったのは初めてでは無い。おそらく僕は昔、この「鎌倉通り」を何回か通っているはずだ。20年近く前になると思う。

 ん?「鎌倉通りにサンクス」て、鎌倉通りにコンビニできた?・・・じゃねえよ。

 「2003.7.1(火)」曇後雨・電子辞書にサンクス

 電子辞書は高い金出して買ったけど、本当重宝してるよ。これはいい買い物だった。
 寝ながら気軽に英語や現代語のような多種多様な言葉の意味が引けるのは大変便利だよ。
 当然日本文学に出てくるような漢語の難解そうなやつも引けるしね。
 それから僕の辞書定期入れサイズの小さいものなので、仕事や遊びにも気軽に携帯できる。
 僕的にはここ数年のヒット商品だよ。

 そういえばブラジル音楽ファンにとっては、驚くべきニュースが飛び込んできた。
 なんとジョアン・ジルベルトが来日するというのである。奇跡の初来日だそうな。僕的には確かにディラン・ストーンズ・ポールマッカートニー級。
 僕のいつもチケットオーダーする「e+」では水曜日から申し込みを受け付けるらしいので早速申し込むつもりだ。でも曰くつきのアーティストだから、来日のドタキャンは覚悟だよ。
 あっ、そう言えば今tATuがドタキャン騒ぎでマスコミを賑わせてたね。
 ジョアンもドタキャンでも有名だけど、それを補って余りあるカリスマ性があって、もし今回ジョアンにドタキャンされたら、それはそれでファンとしたら結構オイシイ話かも。
 むしろ幻のチケットとして永久保存しちゃうよ。
 ま、その前にチケット取れるかっつう問題があるけどな。

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