Monologue2003-03 (2003.1.14〜2003.1.21)
 「2003.1.21(火)」晴・かかって来い

 焼けるように痛い喉、ちょっと気を抜くとドンドン冷えて行く体。
 この感じ・・・。とってもヤナ悪寒(予感)。
 来ましたよっー!。
 来た来た来た来た来た来たーっ!!。
 まぎれもない。
 風邪神様の御降臨じゃーっ!。

 前回の風邪の時は引き始めに薬を飲んで、どうにかしのいだんだけど今回はね、頑張って医者にも薬にも頼らず治そうと思った。
 ほら、人間の筋肉は使わないと衰えるでしょ。病気の自然治癒力も同じかな、と思って。
 でも勿論普通の人は無理しないで医者に行ったりしたほうがいいよ。僕はここしばらく菜食中心で来てるから、自己リカバリー機能が、今どんな具合になっとるのか試してみよう、ってのがあったからね。
 暖かくするのと睡眠を心がけて、どうにかピークは越えたみたいだよ。青洟みたいな痰が出て来たから、たぶん体内での戦争が終了したみたいだね。
 薬を服用した時よりも、ちょっと時間がかかってるような気もするけどね。ま、会社も出たし、それ程大事には至らなかったみたい。

 「2003.1.18(土)」晴・今日もルミネ

 恒例になりたるルミネ・ザ吉本にての観劇。
 前半の演者、中川家、 井上マー 、ニブンノゴ!、海原やすよともこ 。
 中川家は勢いありて文句無し。
 井上マーは尾崎豊を真似たギターを持ちたる小学校教師パロディコント。着想斬新なれど、観客いじりの多くあるが、多少過ぎたるにやあらむかと危惧を残すなり。
 ニブンノゴ!は3人組にて、ネタ良けれど特に目立つもの無し。更なる成長を期す。
 海原やすよともこ、女性の支持を大いに得る。ツッコミのやすよ嬢、良く良く見れば、aikoなどにも似て結構可愛らしき姿に見ゆるところ新たに感慨を催す。

 後半新喜劇。スペシャル新喜劇なる演目は先週のネタとほぼ同じ。
 演者は、今田耕司 板尾創路 ホンコン 山崎邦正 大山英雄 島田珠代 リットン調査団 山下しげのり 水玉れっぷう隊 COWCOW 武内由紀子 山根木夏花 どくろ団 。
 心なしか演者先週よりも元気ありて観客大いに沸くように見えたり。先週は演者にも緊張のありしか。

 「2003.1.17(金)」晴・手鼻で悪いかとくらあ

 手鼻をかむ・・・「鼻汁をかむのに、手で鼻をつまみ、強い鼻息で鼻汁をふき出すこと。また、手や指先で鼻汁を拭い去ること(広辞苑)」。
 えーえー。そうですよ、そうでがすよ。あたしゃね、手鼻かみまくってますよ。
 キャーッ!、手鼻中年、キショイ〜っ!・・・とでも何とでも言っとくれってんだよ。
 そうそうアタシャどうせね、キショイ中年でござんすよ。

 とりあえずはね、キショイって言われないように洗面所で水流しながら鼻を洗いながらコッソリ手鼻かんでるんでございますよ。
 鼻炎のアタシにとっちゃあ、手鼻かめるかどうかが死活問題なんすよ。

 あんた聞いて、おくんなまし。
 昔ゃあね、アタシもティッシュでチマチマかんでましたさ。そりゃあ。こう、可愛らしくね、年の頃なら15、6の生娘がかむみてえに、アタイは何にも知りませんチーン、なんてえ音させながらね、かんでましたさ。それを猟師が鉄砲で打ってサ。煮てさ、焼いてさ、喰ってさ。こいつあ失礼。
 ある時ティッシュで鼻かんで、その後厠に行って鏡を見たら、鼻の片側だけがティッシュで擦れて真っ赤っか。痛えのなんのって。
 それだけじゃござんせんや。良く見たらアタイの鼻から黒い糸がピロンて出てるじゃございやせんか。
 なんだい、この糸は?ってピッと引っ張ったら、痛ッ!。
 体から糸が出てくるなんてえ、こいつあ便利だあ、てなもんで、早速そいつでアタシの巾着のほつれをね、チョチョイノチョイなんて・・・縫うわきゃねえだろ、このスットコドッコイっ!。
 鼻毛だよ、鼻毛っ!。
 ティッシュで鼻かんだら、オマケで鼻毛まで出て来ちめえやがった。こいつあ、とんだオマケだあ。

 鼻毛ならカワイイもんだ。
 このめえなんか、鼻水だか鼻クソだか何だか訳のわかんねえ、白いウニョウニョした中途半端なクソ虫の出来損ねえみてえなのが、鼻先にヒョッコリついてやがった。こいつあ、とんだオマケだあ。あっしはクソ虫です、コンニチワみてえに呑気なツラでぶら下がってやがらあ。
 全く油断もスキありゃしねえ。こちとらテメエに挨拶される筋合いはネエとくらあ。
 これじゃあ女の子にモテねえわけだ。全く。

 あたしゃね、これで鏡を見ねえで鼻かむのがスッカリ恐くなっちまった、ときたもんだ。
 でもって最近はトイレで手鼻ばっかりの今日此の頃ってなもんでさ。
 え?、手鼻だろうが、ティッシュだろうが、テメエがモテねえことにゃ変わりねえって?。
 こんちくしょう!、鼻水ぶっかけてやるっ!。手鼻光線!、エイっ!。ビロ〜ん。ああっ!、いけねえ!、勢いがねえから自分にひっかけちまいやがった。誰かさんのお宝みてえだ、こりゃ。クンヌヤロ!。わっ、キショッ!。
 お後がキショイようで。
 デンデン。チントンシャン・・・。

 「2003.1.16(木)」曇後晴・”白石美帆”に完敗

 寒っ。かなり寒いすよ、東京は。ええ。
 ええっ?、あたしの心が寒むいんじゃねえかって?。ってやんでえ、こんちくしょうっ!・・・な、今日此の頃ですけれども・・・。

 フジの「美女か野獣」見ちゃったよ。ドラマ見始めるとワンクール終わるまで縛られちゃうからな。
 美女100人に縛られるならいいけど。えっ?、んなこた聞いて無いって?。ってやんでえ、こんちくしょうっ!
 裏が”ダウンタウンDX”だから、どっちにするか迷うとこだよ。どっちも見ると、又時間に追われちゃうんだよな。今日なんか”寅さん”もバッティングだよ。
 まあ、実の所を白状いたしますてえと、ラ・テ欄にね、こんな字が載ってたから、ついついチャンネル合わせちゃったんだけどね。
 ”白石美帆”。
 ダウンタウンも寅さんも”白石美帆”に完敗さ。

 ついでだけど、他にもさ、こんな字が載ってると、ついついチャンネル合わせちゃうね。ま、全部見るわけじゃないけどね。
 ”釈由美子”。
 あとはこういうのとか。
 ”本上まなみ”、”酒井若菜”。
 こんなのもあるよ。
 ”久本雅美”。
 男だと、こんなの。
 ”タモリ”、”さま〜ず”、”爆笑問題”。
 などなど。
 あっ、勿論これも忘れちゃいかんですな。
 ”モーニング娘。”。

 話は戻るけど「美女か野獣」は面白かったよ。
 それにしても、ドラマの脚本って大変だやね。1回1回面白くして、しかもうまく50分くらいで収まるようにするんだから。それが11回くらいの分量でしょ?。
 ああ、オレも書いてみてえな、脚本。例えばこんなの。モテナイ男がケンチャンて言う名前で洗濯屋をしながら、行った先々の家の人妻と情事に耽る話、いいなあ!(それAVのパクリじゃねえかよっ!(知る人ぞ知る))。

 「2003.1.15(水)」晴・誤回収?

 空極めて快晴。
 古紙回収の日は明日なれど、事前に支度し門前に出す。
 帰宅するに、門前に交換済みトイレットペーパー置かれたり。
 回収1日早まるか?と案ずれど、トイレットペーパー見るにY新聞の文字有り。
 余はA新聞にて、A新聞は期日通り明日回収とのチラシ配布されたり。
 Y新聞の誤回収なり。Y新聞の日頃の様を見るに故意の誤回収なるか。
 A新聞には気の毒なれど、いずれにせよトイレットペーパー供給されなば、当方何らの問題は無し。歯歯歯(まことに問題のなかりしかっ!)。

 「2003.1.14(火)」晴・第九に寄せて

 昨年末はベートーヴェンの第九のCDが売れたようだね。
 第九は僕も大変好きな曲だよ。
 とっても大衆的なイメージのある曲だけど、実際は玄人好みの重厚で長大な曲なんだよね。
 でも大衆的であり尚且つ芸術的であるところが、この曲の素晴らしいところだと思うよ。こんなところビートルズの曲に似てるね。
 いろんな人に聴いてもらえるってことは、それだけ曲に広い愛が宿っているんだろうね。

 有名な第4楽章の合唱部分のテーマは、ベートーヴェンが若い頃に聴いた何かの曲を元にしてるっていう説があるけど、それを置いても、あの第4楽章は見事だね。
 冒頭は今まで出て来た1〜3楽章のテーマが全部出てくる。
 でもベートヴェンは、それを全部、あの「金の斧、銀の斧」の童話みたいに”違う!、これじゃない!”って音で否定してくんだ。
 それで彼が”これこれ!”っていったのが、あの合唱のテーマ。それは明るくて、シンプルで、喜びに満ちた歌。誰でもが口ずさめる歌なんだ。

 僕が更に素晴らしいと思ったのは、最初に合唱が入らずに、このテーマを弦だけで流すところ。はじめに低い弦でこのテーマを弾く、その後に再度テーマを繰り返すんだけど、今度は対位法的に、あのテーマをサポートする伴奏が入ってくるんだ。あのシンプルなテーマが次第に厚みを帯びて芸術的に膨らんで行くんだよね。まさに”音のフレンド”が協力し、調和して見事な世界を構築して行く。この曲の思想を象徴してるかのようだよ。

 そして、この後は、あの合唱部。
 もうここは何も言う必要は無いね。難しいことはいいから、さあみんなで歌おう、みたいなね。
 当時交響曲に合唱を入れるなんて、とっても革新的な試みだったようだけど、きっとこの曲を聴いて衝撃を受け、心をウチ振るわせた若手の気鋭作曲家が大勢いたと思うよ。ビートルズの”サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンド”を聴いた時みたいに「音楽でこういうことできるんだ!。こうしてもいいんだ!」みたいにね。

 この曲には本当に不意打ちを食らった時があったよ。
 大学生の時フランス文学の授業でフランスの作家ロマンロランについての講義があった時、先生が授業の冒頭で、カセットテープで、ある曲を聞かせてくれた。
 そこからは、とても久しぶりに聴く馴染みのある音が流れてきたよ。実家にもレコードがあってね、小さい頃からおそらく最も親しんできた音楽の一つだと思ってた曲。
 そう、あの第九の4楽章だったんだよね。
 音質なんか全然良く無いよ。言っては悪いけど昔のオンボロカセットテープレコーダーだからね。

 でもその時は昔とまるで音が違って聞こえてきた。
 やがて、あの有名なメロディが流れてくる。そしてそれは、更に力強さを増し、ついに人声が加わり壮大な合唱になった。
 当時僕は落ち込んで元気が無かったみたいだったんだね。でもこのカセットから流れてくるメロディーの背後で、ベートーヴェンがさ「おい!、何を落ち込んでんの!、さ、元気出せよ!、オレの作ったこの音楽でも聴いてよ!」みたいに言ってくれてるような気がしてさ。ベートーヴェンは音楽家としては致命的な難聴とか、身内のトラブルとか、わけのわからない奇病に冒されてたみたいだけど、それらの困難を超えて珠玉の作品を作り続けてきたんだよね。

 もうそう思ったら授業中なのに涙がボロボロ出て来ちゃってさ。誤魔化すのに必死だったよ。
 これ以来第九というか、音楽に対する考え方すらも変わったね。僕はそれまで第九の何を聴いていたのだろうと思ったよ。一番大事なものを聞き逃してたんだってね。音楽でこうも魂が揺り動かされるのかってね。
 それもカセットの貧素なヒシャゲタ音なのに。でもその時は物理的な音以上のモノがきっと聞こえたんだろうね。

 余談だけど、以前テレビ東京の「芸術に恋して」で、この第九を特集していたんだけど、そこで第九の代わりに年末に流す曲が在るとしたら?みたいなことを話題にしてた。出演者は何かクラシックの曲を言っていたように記憶するけど、僕は即座にビートルズの「ヘイ・ジュード」だと思った。
 勿論このイギリスのロックバンドの数分のポピュラーソングをクラシックの4番打者みたいな名作と並べてしまうのは暴挙だと思われちゃいそうだけどね。
 でも僕は根底の思想が似てると思うんだよね。
 誰でも口ずさめるわかりやすいメロディー、だけれど力強くて、勇気が出て、励ましてくれる。それでいて音楽として深みがある。「ヘイ・ジュード」の後半は合唱というわけでもないんだけど、皆で歌うんだ。そんなようなところ。

back to ●Monologue Index
back to●others
back to the top