Monologue2002-46 (2002.10.7〜2002.10.12)
 「2002.10.12(土)」晴・今日のミュージックライフ

 この間朝日新聞に最近北欧のジャズが人気だという記事が出ていたので早速買って来た。
 澤野工房というところが出している、ウラジミール・シャフラノフのトリオの「LIVE IN HELSINKI」というライヴクラブでのDVDだ。
 感じとしてはビルエバンスの路線を行くようなロマンティックなサウンドだ、只明らかにそこに違う何かが付加されている。僕は北欧ジャズがどんなものか、まだ全く未知であるが、この付加部分が北欧なのかもしれない。
 ビルエバンスが好きな人なら気に入るだろう。僕は好きな音だ。
 それからこの澤野工房という所ではメジャーシーンに出ない隠れたジャズの名盤を精力的に取り上げているらしく興味深い。又新たな楽しみが増えそうだ。

 ブラジルの奇才レニーニのサードソロ「falange canibal(食人集団)」も入手。本当にこの人の音は今の僕には面白い。和洋のロックが少し食傷気味になってきた人にはブラジルのこんな音が刺激的でいいかもしれない。

 オリビア・ニュートン・ジョンの往年のヒット曲「たそがれの恋(Don't stop believin')」の収録されたCD「Don't stop believin」を、やっと輸入盤で手に入れた。なんか裏事情は良くわからぬが、今までなぜかこの「たそがれの恋」が入ったCD無かったんだよね。輸入盤もアメリカなどで無く、本国オーストラリア盤で、おそらくナンチャラ権問題のカントカコウトカがあるのだろう(意味わかんねえよ!)。
 この曲のイントロが僕はとても好きだ。今まで聴いて来たポピュラー音楽のイントロの中でも5指には入る。
 最初柔らかなギターの音が入って来て、和音はDb(変ニ長)で始まるが、すぐG#m(嬰ト短)に転ずる。ここがたまらなく良い。
 それからサビの部分「Don't stop〜」、と歌うオリビアの声が大変艶っぽく心地好い。
 1970年代の名曲の一つに是非推薦したい。

 ”笑っていいとも”で、ぐっさん(山口智充)がやっていた洗濯機の物真似、超うけた。

 後藤真希・藤本美貴・松浦亜弥の3人でユニットをつくるそうだ。なんか強力そうだね。ヨッスイ(吉澤ひとみ)のプッチモニもウカウカしてられへんな。別に戦うわけじゃねえか。

 床屋に行った。土曜昼間ということもあってか結構空いてて、入ったらすぐやってくれた。ザッツオーライ。

 以上取り留めなく書き並べてみました。わー日記っぽ〜い。

 「2002.10.11(金)」晴・はいっ!

 人間の顔というものは実に精妙にできており、時に我々にえも言われぬ味わい深い表情を見せてくれるものだ。

 仕事中自席で、ついついウツラウツラしてしまっていたところへ、突然「○○君」と、用事を頼もうとした上司に呼ばれ、「はいっ!」と何事も無かったかのように装いつつ返事をする時の表情、など実にえも言われぬ味わい深い表情だ。

 この瞬時に彼の脳裡に様々な思いが交錯する。
 ”ん?、ナンダ?、何が起きた?”
 ”ん?、課長の声?、もしかしてオレ?”
 ”やべえ!、寝ちゃったよ!”
 ”よだれ、大丈夫だろうな”
 ”昨日飲み行くじゃ無かった〜”
 ”誰だ?今の夢に出てたネエチャンは?”
 ”いいえ、私は全く寝てなどおりませんでした。はい”
 ”やっぱ呼ばれてる?、課長に顔見られてねえだろうな。後ろ向きだから大丈夫大丈夫”
 ”ドモったり、噛んだりすると寝てたのバレるから、気合いで「はいっ!」だな。”
 ”マジねみい〜”

 などといったような複数の想念が全て一度に、先程の「はいっ!」一瞬の表情に凝縮されてくる。
 これだけの想念を、ほんの「はいっ!」の刹那に表現しようと思うと、それこそ複雑怪奇な表情になる。どんな名優もこれだけの複雑な表情を短時間で創るのは難しいだろう。しかし運命は時に悪戯に、凡庸な人間にアカデミー賞クラスの演技をさせてしまうのだ。
 そこには眠りの世界からまだ帰り切らない自分、普段のビジネス世界の人間であろうとする自分などが混沌となり、その微妙な表情の顔面に一種のパラレルワールドを描く。更にはあまりの驚愕と感情の瞬時のブラックホール的凝縮度に触発されたのか、時に親にオナニーを見られた自分、などという全く異質の顔すら伺わせる時もあったりなどする。

 人間の感情表現を称して「喜怒哀楽」などという。
 この「はいっ!」は、この中ではどれに当てはまるだろうか?。
「喜楽」で無いだろうことはわかる。気持ちよい眠りを醒まされた「怒」もあるだろうが、強いて言えばやはり「哀」だろうか。
 確かに大の大人が涎を拭いつつ、全然寝て無かったです、みたいな感じで「はいっ!」などと気合を入れて答える姿なぞ実に哀しい。その哀しさたるやウンコ途中の野良犬の哀しげに潤んだ瞳に十分匹敵する程に哀しい。 

 そしてそもそも、こういう事態が発生し得る、このビジネス社会自体哀しい。

 「2002.10.10(木)」晴・ルイ・マルセル・パウエル

 おととし亡くなったブラジルの偉大なギタリスト、バーデン・パウエルの息子さん、ルイ・マルセル・パウエルのアルバム「サンバ・ノーヴォ(SANBA NOVO)」を今聴いている。
 父譲りの卓越したテクニックで繰り出されるガットギターの音は、まるで洪水のようだ。そのブラジリアンフラッド(flood)に身を委ねる心地よさ。
 収録曲の大半はブラジルスタンダードのカヴァーであるが「カルラ」という本人の処女作もあり、短い曲だがこれがロマンティックで、なかなか良い。
 それからやはりブラジルの代表的女性アーチスト、ジョイスの娘さん、アナ・マルチンスが本アルバムに参加しており、母の名曲「フェミニーナ」を歌っている。やはり結構声は似ている。
 ルイ・マルセル・パウエル、弱冠(20歳)にして、その奇才の器垣間見んこと、まさに喜ばしからずや。

 「2002.10.9(水)」曇・つぶやいてます

 満員電車の中で横にオネエチャンがいて、ピッタリしてたからラッキーじゃん!、などと浮かれていたら、電車が揺れて僕の体重がオネエチャンにかかってしまった瞬間、思いっきり「チーッ!」と舌打ちされてしまった。その後も2回ほど舌打ちされ・・・恐かったよ〜。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・。

 深夜番組見たいのが一杯あるなあ・・・、困ったな。

 先日「バックトゥザフューチャー」のボックスDVDが届いた。このシリーズは本当に楽しくて面白くていいね。そう言えば他に映画では「ショーシャンクの空に」まだ見ていないので見てみたいな。見た人は皆絶賛してるね。

 「2002.10.8(火)」曇・ペンキのライン

 昨日今日辺り日本を覆っている雲の形をひまわり画像で見ると非常に面白い。
 日本の上に真っ直ぐ白いペンキで横断歩道のラインのような線を引いたみたいだ。
 わざと日本狙ったみたいだ。
 日本の形の細かい所なんか無視して「あっ、この辺が大体日本ね。んじゃピーッ(線引く音)と。ハイ出来上がり〜。」みたいなね。
 この間来た大きな台風にくっついてた雲も、これに似たような形だったような気がする。ちょいと流行ってんのかねえ、気象界じゃあ、こんな形で日本に登場するのが。

 「2002.10.7(月)」曇一時晴・オマエは既に・・・

 小室哲哉氏が又結婚するそうだ。しかもKEIKO(globeの)と。いいなあ〜。結局そこかよ!みたいなね。
 それにしてもこんな短期間で離婚結婚をやっつけてしまうなんて、やっぱ財力あるんだ、と羨ましい限りである。

 そう言えば、女性のほとんどが配偶者として自分より収入の多い男性を求めていて、その額も年収500万〜1000万が希望だということを以前どこかで聞いた。
 こんな話を聞いて目ん玉飛び出るくらいタマゲてしまっているのは、僕のような財力無のオタク科モテナイ独身エトランゼ類であろう(アララとうとう動物分類になっちゃったよ)。
 これじゃあ僕などは女性の箸にも棒にもかからないはずである。

 良く恋愛の歌やドラマで「君を守りたい」などというフレーズを見かけるが、いつもながらつくづく立派な心がけだと感心する。
 ”君”どころか”自分”を守るのに精一杯で、とても他人まで手が回らない、というのが今の僕の嘘偽らぬ状況だ。
 こういう人間を称して、まさに「頼りない」というのであろう。

 僕にはまず包容力というものが欠けているような気がするが、この気質はどうやったら取得できるのであろうか?
 簿記や英会話のように勉強して何とか取得できるものなのか。
 簿記や英会話には専門学校はあるが「包容力修得専門学校」などというのは聞いたことが無い。
 「包容力」の沢山ある人は包容一級の免状を持っているという話も聞いたことも無ければ、「包容力」取得の為の通信講座「包容アカデミー」を文部科学省が推奨している、などという話も聞いたことが無い。

 先程「取得」などという単語を用いたが、そもそも「取得」できるものなのか?。
 もし天性のものであったら、おそらく僕には「包容力」という素質は無く、「包容力」を発揮する行為、すなわち「結婚」には向いていない、ということになってしまう。
 それとも「結婚」することで「包容力」を「取得」できるものなのか。であればしてみたいもんだが、先程述べたように「包容力」の無い男性とは、女性側が「結婚」したくない、ということであれば当然僕など、端から結婚は無理だ。つまりどの道「結婚は無理だ」という簡単な結論に達する。なあんだ、そうだよね、ヨカッタヨカッタ・・・・ん、ちゃう、ちゃう!良く無い良く無い。
 ま、でも、たぶん、「結婚」ほど重大な出会いなら、きっと「縁」で、もう決まってるんだろうね、相手が誰なのかは。
 ん?。結婚しないことも、運命で決まってるって?。北斗の拳のケンシロウ風に言えば”オマエは既に独身だ。”って?。ゲベホギャビバベリボッー!(ちょーと古いすね。お前は既に独身だ、・・・ってそのままじゃん!)。

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